堅実な投資を始めて、継続するべき
今回は、前回の記事 お金を増やすには? の続きとなるので、未読の方はまず読んでいただきたい(5分くらいで読めると思う)
本題に移る前に、前回の記事に補足しておきたい事がある。
アフィリエイトやその他副業、投資、資産運用で稼いでる又は稼ごうしている人の殆どは、早く稼いで本業を早く辞めたいといった動機があると思う。
その動機は今すぐに捨て去るべきだと思う。
何故かというと、速攻でお金持ちになろうとしてる傾向があるから。
この一発逆転を狙うようなマインドはハッキリ言って浅はかだと思う。
まず現実的ではないし、長期的な目標が立てられていない場合が多い。そもそも発想や狙いが短期決戦型なので、成し遂げるための継続性がなく、将来の利益と機会を損失してしまいがちだからだ。
そういう人は最初からラクをして最大のリターンを得ようとしているし、情報収集や環境認識や分析など重要な事を先送りにしやすく、大した戦略も無いのに無謀な勝負に出やすく、つまづいた時にはすぐ挫折しやすく、投げ出す傾向にある。浅はかなのだ。
なので、俺が勧める投資・資産運用は、むしろその逆。最初から長距離フルマラソンを想定したものである。
それではこれから本題に移る。
前回でも話した通り、積み立て投資こそが資本主義社会の攻略法だと思う。
今時、手元資金をほとんど持たない人でも100円から投資が始められるし、証券会社によってはポイント投資も出来るので実質0円でも出来る。
とはいえ、ただ上がるか下がるか、勝つか負けるかに張っているだけでは、やっている事はただのギャンブルに過ぎない。
ここで強く言っておきたいのは、丁半博打的な勝負ではなく、長期的かつ手堅い勝負を継続すれば良いだけ。
落ち着いて、冷静に、淡々と、その一点だけに集中する事が重要だ。
もう一度言うが、フルマラソンに参加するような気持ちが大切だ。
チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」に書かれている事だが、ほとんどの個人投資家や機関投資家は、長期的に見て市場平均に勝てていないのが現実だという。しかも調べれば出てくるデータには生存バイアスがかかっている為、実際の(統計などの)数字よりも勝てていないのが現状らしい。
彼の著書にはインデックス(市場平均)は、アクティブ(投資信託)運用の80%以上をアウトパフォームしていると語っている。
言い換えると、インデックス(市場平均)を投資対象に選ぶだけで、現役プロ投資家8割に勝てるというシンプルな事実だ。
もちろん、チャールズ・エリスも市場平均に連動するインデックスへの投資を推奨しており、さらにこう言っている。
市場を出し抜こうとすることは無意味である
つまり、大半の人が市場平均に勝てないのだから、市場平均(インデックス)に乗っかった投資法を選ぶのがベターな手法だ。
よく俺が「日経平均」「TOPIX」「NYダウ」「S&P500」といったワードをツイートしているのを見かけた事があると思う。
これらは株価指数といって、その国の上場企業 数百社~数千社の株価の平均値(あるいは時価総額に対しての加重平均)を指数化したものだ。
つまり、株価指数=市場平均と捉えて貰って問題ない。
さらに有名な株価指数になるほど、有名企業の集合体という事になる。
例えば、NYダウという歴史深い株価指数(市場平均=インデックス)に投資をした場合、Apple、Microsoft、VISA、Coca-Cola、Walt-Disneyといった超一流企業に分散投資をしている事になるわけだ。NYダウはアメリカの株価指数なので、NYダウに投資をするという事は、いわばアメリカン・ドリーム・チームに投資している事と同じになる。
ここまで読めば、インデックスへの投資が好ましいという事を理解できたと思う。
では何故、長期の積み立て投資を推奨するのか?
世界経済は長期的には右肩上がりで推移しているが、市場を短期的に見るとランダム・ウォークするからだ。
ランダム・ウォークとは、物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測する事が不可能であるということを意味する言葉である。
これを市場に当てはめると、株価は短期的にはどの方向に変化するかを予測するのは難しいという事になる。
つまり、短期的な値動きはランダム性が高く、プロの予測さえもアテにすることが無駄であるから、短期的な値動きを相手にするほどギャンブル要素が高まってしまう。
もっといえば「安いところで買って、高いところで売り抜ける」というのは、言い換えるとタイミングを見計らいながら売買するといったリスキーな作業なのだ。
これでは労働収入と同じだ。しかも損する確率(リスク)が高い分、値動きを監視する必要性もあるし、神経のすり減らし方も尋常ではない。
そもそも投資とは本来、自分の代わりにお金に働いてもらい、お金を生み出してもらうものだ。
不労所得(働かずに得る収入)である事が、投資の最大のメリットのはずなのに、短期的な売買の繰り返しはリスキーな労働をしているのと同じ。
それでもタイミングを狙って勝負する方が、長期投資よりもリターンが大きくなる!そちらが効率的だ!というなら、やる価値はあるのかもしれない。
だが、実際のところ多くの人は1年も経たずに資金を溶かしてしまい、市場から退場してしまう。その確率は(地合いにもよるが)70~90%程。客観的に考えて負け戦になってしまうリスクが高いのだ。
心理学や行動経済学的にも、人間は元来ギャンブルでは負けるように設計されている。このあたりは別の記事で詳しく説明しようと思う。
話を戻して、よく推奨されているS&P500インデックスは、1992年~2011年までの20年間で、買って放置していた場合の年間平均リターンは+7.81%だそうだ。
仮に100万円を一括投資した場合、10年後には212万1238円に増え、20年後には449万9655円に増え、30年後には954万4857円に増える計算だ。
もし、短期的に売買をして稼ぐなら市場平均の2倍以上のリターンが欲しいところだろう。となれば年間+16%以上の平均利回りを取らなければならない事になる。しかし、他の仕事をこなしながら、リスクを取り、神経を削りながら、それだけ稼ぎ続けられる人がどれほどいるだろうか?
個人投資家(主に初心者)の多くは、自分が選んだ企業に投資する際、出来るだけ多く稼ごうと頑張ってしまったりや自分が見込んだ企業だからこれからきっと上がるはずだ!というバイアスが掛かってしまい、いつまで経っても値上がりしないクソ株を掴み続けてしまう事が多い。
そして「投資」が「祈り」に変わった時にはもう遅い。
市場平均に対して圧倒的に負け越すどころか、資産と機会を大幅に失ってしまっていた!なんて事がよくあるのだ。
また、軽い気持ちで少ない手元資金を増やそうとして株式投資ではなくFXに手を出し、短時間で資金の全てが溶けてしまった!なんて事もザラにある。
夢を見てクソ株を買いに向かうのならまだしも、FXに手を出すのは論外だ。FXトレーダーは株トレーダー以上の情弱・負け組にしか思えない。
まとまった資金を持たない人ほど、FX(為替市場)では瞬間的な乱高下を食らって一撃で死亡する確率が高い。
残念なことに日本人の投資家のほとんどは資産運用ではなく、刹那的に稼ごうとするFXトレーダーばかりで、その運用資金は100万以下の人が多いという。そして多くのトレーダー達が1年以内に散って逝ってる。特にFXはレバレッジを使った取引なので、口座残高がマイナス(借金状態)に突入してしまい、もう人生の巻き返しが不可能と絶望して線路に飛び込む者もいる。
海外では(実際にFXでトレードしているのは30代~40代のオッサンが多いのに)ミセス・ワタナベと嘲笑され、大口アルゴのカモにされているのが現実だ。
中にはFXで億を稼いでいる人も僅かに存在するが、それは例外的な存在だ。それならむしろ、株式市場で億万長者になった投資家の方が圧倒的に多いので、1年ぐらいお金を貯めてそちらで勝負すればいいのでは?と個人的に思う。
とにかく俺が強く言いたいのは、投資をするにあたって急いで稼ごうとする必要はない。わざわざ大きくリスクを取る必要はない。一握りの例外になろうと最初から危ない橋を渡る必要はない。
老後というゴールを見据えた長期の積み立て投資を選ぶべきだ。
もうギャンブル的な投機で海外の大口機関のカモにされる必要はない。手元資金を溶かし「もう二度と投資なんてしない」と嘆く必要もない。
繰り返すが、世界経済(市場)は右肩上がりに成長し続けている。トマ・ピケティによると年平均4%ずつ成長していると言われている。そしてこれからも経済成長は続いていく公算が大きい。俺たちは全世界に満遍なく分散投資を行い、全世界の経済成長に乗っかれば良いだけだ。それが出来るのは資本主義の国に生まれた俺たちの持つ優位性だ。使わない手はない。
同時に資本主義社会では(投資家と非投資家の間で)富の格差がこれからも広がっていくだろう。
その格差を埋める手段が、自らも投資家となる事。そしてインデックスへの積み立て投資をする事が、資本主義の攻略法だ。
まだ慣れていない部分もありますが、サクッと読める記事を目指します。