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得意な手法①

(※投資は自己責任でお願いします)

今までの記事では、長期・積立・分散を前提とした全世界分散型インデックスへの投資を推奨してきたが、コア・サテライト戦略の観点から高配当優良株を選択するのも悪くないと考え、当記事を公開するに至った。

ここでいう高配当優良株とは、安定的に稼ぎ続けるビジネスモデルを持ちながら、財務も健全で、さらに株主還元に重きを置いている連続増配企業の事を指す。

俺個人が実際に使っている高配当優良株に照準を当てた投資戦略を紹介するが、その前に注意点を一つ。
バブル暴落など相場環境によっては全く通用しない事もありえるので、その点は了承して欲しい。また、当記事の内容は俺の引き出しの一部に過ぎないのでその点も了承して欲しい(※投資は自己責任で

それでは結論からいかせてもらう。
テクニカル分析と需給分析を使い、高配当株を安値のタイミングで買って、配当金よりも利が乗ったらすぐに利確しろ。
※想定している時間軸は短期~中期(2週間~数ヵ月)

わざわざ高配当優良株をチョイスしているので、インカムゲイン(配当収入)を狙うんだろ?と思われがちだが、むしろキャピタルゲイン(売買差益)を狙った戦略だ。

人によっては売却せず、定期的にインカムゲインを得ていくのも一つの正解だと思うが、近年の高配当優良株の年間配当利率は+3~5%ほどだ。
なので+5~10%程度の利が乗れば早々に売却して、次の機会をひたすら待つというスタンスが資金効率が良いのではないかと個人的に考えている。

もちろん+5~10%という利率にこだわらず、経済指標が悪化したり、他に別の有望な投資先が見つかれば、微益撤退でも損切りでも良いと思う。

あくまでコア資産はインデックスであり、高配当優良株はサテライト資産という考えに則った投資スタイルである。

ここから先は高配当優良株の買い時をどのように探っていくのかを詳しく解説していく(かなりシンプルだが)


テクニカル分析

では、まず、誰もが知る優良高配当株を例に出してみよう(※ランダムで銘柄を選んだので、特にこれを推奨しているわけではない)

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約7年分の週足チャート

まず、この週足チャートを眺めてみると、おおよそ年に1回ほど買い場が到来している事が確認できるだろうか?
具体的に説明すると、52週移動平均線(紫)100週移動平均線(黒)のいずれかを割りこんだタイミングが買い場であることが多い。
あるいは両方の移動平均線を割り込んだタイミングを狙ってみるのも良いだろう。他の高配当優良株でもワークしている事が多い。


何故、52週移動平均線と100週移動平均線?

52週移動平均線とは、文字通り、過去52週間の株価の平均を表わす線だ。
すぐにピンときた人もいると思うが、52週とは1年間の営業日と同じ日数である
つまり、52週移動平均線を割り込むという事は、過去1年の間に投資した人達の平均コストを下回っている状態だ。移動平均線を下回っている時は、相場参加者の多くが損失を抱えている状態である。

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上と同じ画像

続いて100週移動平均線(黒)は過去2年間の株価推移の平均値を表わす。
これを割り込むという事は、過去2年間に投資した人達の平均コストを下回っている状態だといえる。

つまり、これら2本の移動平均線を下回っている時(多くの人が含み損を食らっている時)に初めて買いポジションを取るというのが1つ目のポイントだ。

しかし、これだけではまだ勝てる根拠としては弱い。
2つ目のポイントに移る。


需給分析

上記でも述べたが、テクニカル分析以外にも需給分析を使う。

簡単に説明すると、個人投資家の信用ポジションをチェックするだけだ。
また例の高配当優良株を例に挙げてみよう。

毎週火曜日の夕方に更新される信用取引のポジション状況

一番右側の数字、信用倍率とは、信用買い÷信用売りで割りだした数値だ。信用売りよりも信用買いが増えてくると、信用倍率は高まり(赤印)
逆の場合は、信用倍率が低下していくのが確認できるはずだ(青印)
そして最も見逃してはならないのが信用倍率の改善だ(緑印)
これら信用倍率の偏りをチャートで確認してみると、このようになる。

需給と株価は関連している

信用買いが高まった時に株価は安値をつけにいき、そこから信用倍率の低下が始まると高値をつけにいく

つまり、相場の世界では値動きそのものが大衆の思惑と逆に動きやすい
巨額の資金を動かす機関投資家によって、相場に新規参入した個人投資家はカモにされやすいのが現実だ。


大衆心理の逆を突け

個人投資家の多くは、高配当(不労所得)株主優待(特典)を好む傾向がある。
理由は単純で、これらは投資を始める前から確定している利益なので、目に見えて分かるお得感が多くの個人投資家を惹きつける。

しかし、この手の分かりやすい誘惑に目が眩むと、多くの人達は足元のリスク(含み損、減配、上場廃止などの可能性)を過小評価しがちになる。

例えるなら、飢えた獣が数日ぶりのご馳走を目の前にしたようなものだ。
人間も強欲に支配されると、視野狭窄を起こしたり、気が緩んでしまう。
自分が今、無防備になっている事さえ、気づけなくなる。

その結果、予想外の損失を抱えこんでしまい、心理的に苦しくなっている時に限って、追撃の暴落を受けてしまい、たちまち損失を拡大させ、目も当てられない事態になってしまう。

そしていよいよ株安を許容できなくなった個人投資家は、悲観に暮れて株を投げ売りしてしまい「二度と投資などするものか」と憤り、相場から去っていく。

しかし、現実は、彼ら個人投資家が株を投げ売った後、無情にも株価は底を打って反転上昇し開始する。
このような大きな失敗は相場を退場した者に限らず、有名な億トレーダーや一流のファンドマネージャーですら経験する事だ。

考えてみて欲しい。バブル相場でもない限り、大衆が皆揃ってリッチになる事など不可能だろう。
株式市場はプラスサムゲームとはいえ、大勝ちしているのは少数派だけだ。
その勝ち組になるためには、自分以外の大衆の動向をシグナルの一つだと俯瞰し、達観しなければならない。
有り体に言えば、負け組トレーダーに対して毎回逆張りをする姿勢を持つ必要がある。
その為のテクニカル分析であり、需給分析である。

大衆が悲観にしている時にこそ大胆になり、大衆が安堵している時こそ警戒するべきだ。

ならば大衆が殺到しやすい高配当優良株は、戦い方によっては簡単な戦場に変わるかもしれない。


まだ慣れていない部分もありますが、サクッと読める記事を目指します。