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日記:Day16 岐阜・大野町 → 長野県・川上村

安芸からの原付二種での帰還旅も、あと2日間の行程を残すのみとなった。

広島県呉市~東京の850kmのうち、岐阜・大野町までで2日間・約500kmを走破したことになる。

では、岐阜・大野町を出発した1日を、振り返ってみよう。


何だか懐かしい「ホニャラノイエ」を辞し神社参拝

朝は、ゲストハウス「ホニャラノイエ」で迎えた。快眠。ただし、蚊取り線香をつけ忘れて蚊の餌食になっていた・・・w

日が昇ってから宿を見渡すと、縁側から見る庭も良し、その先の三水川も良し、初めて来たのに何だか懐かしい空間。いつまでもボーッと過ごしていたいところだったが、本日の山越え行程のハードさを鑑みても、また宿主の加藤ご夫婦がマルシェイベントで出かけることも相まって、名残を惜しみつつも9時前には宿を辞することに。


加藤ご夫妻のマルシェ会場を覗こうと思ったのだが、会場が分からず断念、まずは恒例の神社参詣へ。近隣の神社を探し、馬駆け祭りが有名という岐阜県本巣市「長屋神社」へ。

設備が更新されている気配が無いのが心配なところもあるが、なかなか立派な神社だった。青い空が気持ちよく、晴天と安全を祈願した。


再び北東目指して走り出す。揖斐川の支流である根尾川を少し北上した後、ジグザグに北東へ。岐阜県関市に入ったあたりで小便が漏れそうになり、スポットを探して図らずも「十五社神社」にたどり着いた。

NHK大河ドラマ「麒麟が来る」でも出てきた、土岐源氏の氏神様だそうだ。ここもなかなか立派な神社だった。知り合いの身の振り方が良い形に進むよう祈念しつつ、賽銭を少し奮発した。


深い渓谷を見ながら山の道へ

国道248号線から国道475号線へ、整備された幅広な国道を気持ちよくかっ飛ばし、関市から美濃加茂市、川辺町を経て七宗町(ひちそうちょう)に入る。国道41号線を木曽川支流の飛騨川を遡上し、荒々しい岩の渓谷になった。「飛水峡」であった。



さらに国道41号線を遡上した後、県道62号線に入って東白川村へ入る。そこは、「白川茶」発祥の地にふさわしい、斜面に茶畑が拡がる山村だった。



アルプス越えて、ロックフィルダムからの城跡

東白川村から中津川市へ抜け、国道19号線(中山道)と交わるところで、「読書発電所」(よみかきはつでんしょ)を通りがかる。木曽山脈の水力発電の始祖的な存在らしく、日本の近代遺産50選に入っていた。


国道19号線をを北東へ。木曽山脈(中央アルプス)を超える山道に入った。JR中央本線に沿って、125ccエンジンでは速度が落ちるほどの急こう配を上がったあと、木曽山脈をぶち抜く長い長い新鳥居トンネル(2,157m)を抜けて長野県塩尻市に。

トンネルを抜けてすぐ、県道493号線に入ると、奈良井川をせき止めるロックフィルダム「奈良井ダム」が登場した。

ロックフィルダムとは、岩石や土砂を積み上げて建設する型式のダムだ。規模としてはさほど大きくないが、積み上げられた岩の堤が見れて感動。ダムカードは、コロナで貰うのが面倒そうだったので遠慮した。


道をそのまま進んで、国道361号線に乗り、さらに長い長い権兵衛トンネル(4,467m)を抜けると、長野県伊那市を見下ろす高台に出た。眺望の良い長い下り坂をご機嫌で下って行ったのだが、下りきって伊那市内に入ると、まずまずしっかりした雨に遭遇・・・。山の天気は読めない。天竜川沿いの谷あいにできた伊那市内を抜けると、高遠城址が現れた。

伊那市内とその向こうに木曽山脈を一望する高台だったが、桜の木が若干眺望に掛って見づらい。しかし春には一面の桜が彩る名所なのだろう、と感じさせられた。


諏訪大社(前宮・本宮)に参詣

高遠城址を出ると、アップダウンの激しい国道152号線にのって北上。ワインディングを二輪で走るのは天候が良い今日は楽しかったが、125ccエンジンでは登坂がもたつく時もあるほどの急こう配。うねうねを超えると、諏訪湖から茅野市内を眼下に一望する「杖突峠」(つえつきとうげ)を下っていく。二輪乗りの至福の時。


峠を下りきって茅野市内を諏訪湖方面に行くと、まず、「諏訪大社 上社前宮」に差し掛かって、ここに参詣した。

お宮に参った後、本殿下の清流を見ると、「水眼の清流」とある。タンクで汲んでいる地元の人が居たので、私も手杓でがぶ飲み、旨い!



前宮を出て、さらに諏訪湖方面に進むと、今度は「諏訪大社 上社本宮」が出てきた。もちろん、ここにも参詣。

ちなみに、諏訪神社には、他にも「下社春宮」「下社秋宮」があるそうだ。


八ヶ岳のふもとを凍えながら走り、川上村へ

諏訪大社の参詣を終えると、時刻が16時近くになった。今日は、標高1,400mの人里離れた別荘地で泊まるので、夜の食糧など買い込まねばならぬ。また日没になると大変だ、と急いで出発。

八ヶ岳のふもとの山道県道をジグザグくねくねと走る。最初は、泰然とした八ヶ岳と農地の風景に解放感を感じながらご機嫌で走った。八ヶ岳は1年に1~2度ほど訪れる地のため、慣れ親しんだ安心感もあった。

富士見町乙事まで来ると、棚田が拡がり思わずパシャリ。ここまでは、大変ご機嫌な夕刻のツーリングだった。


しかし。富士見高原の方に上がった後は、地獄になった。日がさらに暮れたことと、標高が1,400mほどに上昇したことにより気温が低下。昨日購入したUNIQLOフリースの努力もむなしく、凍てつくような寒風に身体の芯まで冷える。早く着いてくれ!と祈りながら急ぐものの、道もワインディングがきつくなった上、路面も濡れていて油断ならない。

ようやく、最後のコンビニに着いた頃には、日が落ちて空がだいぶ暗くなっていた。収穫の作業員であろう、東南アジア系と思しき外国人でごった返す野辺山のセブンイレブンで夜飯と酒を買う。さぁ、急げとはやる気持ちを抑えながら、濡れた農道を上がっていく。

「もう着くでしょ?」の自問を3べん繰り返してようやく、目的地である高登谷高原別荘地に着いた。名前からして寒いやん・・・


ついに、帰還旅は明日で最後だ。「家に着くまでが遠足」の精神で、気を引き締めて帰りたい。

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