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「駅ナカの靴屋さん」企画書

⚫︎タイトル
駅ナカの靴屋さん

⚫︎キャッチコピー
「靴を見れば人となりがわかる」
靴の“修理屋”の妄想が事件を解決へ導くヒューマン×ミステリー

⚫︎あらすじ
駅構内で靴底が外れる悲劇にあった大学生の木村真(21)
『その靴見てもいいですか?』
その言葉に木村が顔をあげると、そこは【駅ナカの靴屋さん】と看板を掲げる“靴の修理屋”だった。
靴屋の店長・清水凌(36)がみるみるうちに靴を修理し、数分足らずで何もなかったかのように元通りになる。その仕事っぷりに感銘を受ける木村。
「靴を見れば人となりがわかる」という清水は、靴から人となりを”妄想”するちょっとした変人だった。しかし清水の妄想が多くの人を救うきっかけに?!
妄想変人な靴の修理屋・清水と冷静沈着な大学生の木村が、靴から紐解くヒューマン×ミステリー。

⚫︎一話のストーリー
「その人が履いている靴は、その人の人格そのものを表すものである」
– イタリアのことわざ

多くの人が行き交う駅構内。
早足で歩くスーツ姿の木村真(21)。
なにかにつまづき、派手に転ける。
「いった…」
木村を手助けするものは誰もいない。
立ち上がった木村の目に飛び込んできたのは、靴からはみ出た靴下をはいた自分の足。

(…靴底って取れるんだ)
木村は絶望しながら底がない靴を眺めていた。
立ち止まってる木村を邪魔そうに避けて歩く人々。

「ちょっと、そこの…スーツのお兄さん」
顔をあげ、声の方向を向くと、小汚いエプロンをつけた男・清水凌(36)が立っている。

「その靴見てもいいですか?」

木村の靴を指差す清水の後ろには【駅ナカの靴屋さん】と看板を掲げた店があった。
しかし靴を販売してるわけでなく、靴を磨いたり修理したりする店であった。

“靴の修理お任せください!”という文字が木村の目にはいる。

「…さすがに無理があるのでは」

ニカっと笑う清水。
「“靴の修理お任せください!”」

トントントン!
カンカンカン!
ゴリベリバリゴリ!
キュキュキュ!

店の中にある小さな修理場で、二つのパーツに分かれてしまった靴を一つに修理していく。

その手際の良さに、思わず見入ってしまう木村。

「はい!お待たせしました!一度はいてみてください」
木村の前に壊れる前と全く同じに見える靴が差し出される。
靴をはき、もう片方と比べる木村。

「す、すげ…。壊れたのが嘘みたい…なんか、とにかくすごいです!全然問題ないです!」
「それはなにより。あ、時間大丈夫ですか?」

はっとして腕時計をみる木村。
面接に向かう電車が出発するまで、あと3分…!

「!!…修理代いくらですか?!」
「あ、急いでるなら用事が終わってからで結構ですよ」
「そ、そんなわけには!」
ポンっと、木村の肩に手を置く男。

「大丈夫。ちゃんと戻ってくると、その靴が言ってます」

クルっと駅の方向へ木村を回転させる。

「まだ間に合う!さぁ、走って!!」
背中を押して木村を送り出す清水。

エプロンに【清水】と刺繍が入っているのを確認したあと、走りだす木村。

「俺、〇〇大学4年の木村って言います!面接終わったら必ず来ます!ありがとうございました!!」

去っていく木村の後ろ姿を見送る清水。

(その後、無事面接に間に合ったが、全く手応えがなくおわった。そんなのどうでもいいくらい、靴屋での出来事が頭から離れなかった)

⚫︎二話以降のストーリー
面接終わりに靴屋に直行し、お金を支払った木村。

何故、今日初めて会った自分にお金を支払わずに送り出すことを許してくれたのか?
面接中も気になってしかたなかった疑問を清水に聞いた。

「”その人が履いている靴は、その人の人格そのものを表すものである”」
「え?」
「イタリアのことわざです。靴を見ればその人となりがわかるんです。」

答えになっていない返答に困惑する木村。

「お兄さんの靴、実はサイズが少し…いや、かなり小さいですね?
その靴はオーダーメイドでもなく、高額なブランドというわけでもない。お兄さんの見なりから、特別お金に困っているというわけでもなさそう。…それなのに、その靴を無理やりはきつづけている理由。それはズバリ」

「その靴じゃなくてはいけない
特別な理由がある。違いますか?」

「!…はい、実はこれ…」

「おーっと、待ってください!
私に推理させてください。」

「え…はぁ…どうぞ。」

「お兄さんはとてもそう…おばあちゃんっ子だ。
その靴は田舎で暮らすおばあちゃんから送られてきたサプライズプレゼント。
面接に落ち続ける孫を心配して、腰の悪いおばあちゃんがわざわざ隣町まで電車を乗り継ぎ買いに行った。“この靴をはいて面接に行ったらきっと合格するから頑張るんだよ”と添えられた手書きのメッセージに涙を堪えながら、『合格ってなんだよ…受験じゃないんだから…』そう呟きながら靴をはいた。サイズが小さかったけど、おっちょこちょいなおばあちゃんらしくて思わず笑顔になった。これをはいたら本当に大丈夫な気がする『…俺、頑張るよ、ばあちゃん』…という感じでしょうか。
靴も使い込まれていますが、綺麗に磨かれていましたし、そんなおばあちゃん思いのお兄さんは、お金を支払いに戻ってくるはずだ!と確信しました」

「・・・す、すごいです」
「あててしまいましたか」
「いや、全く違うんですけど、この靴でそこまで妄想を膨らませることに驚いてます。というかちょっとひいてます」
「急に正直」

「正解は、朝急いで家を出たから気づかなかったけど、歩いてるうちになんか足いてーなーと思ったら、間違えて弟の靴をはいてきてたっていう、なんのドラマもない理由だったんですけど」
「あ、なるほど…」
「…」
「…」
「なんか、すみません。…あ、でも確かに弟はいい奴だし、物持ちもいいです」
「…」

そう、この靴屋の店長・清水は、靴からその人物像を勝手に作り出し妄想を繰り広げてしまうちょっとした変人だった。

しかし、その妄想力がのちに多くの人を救ってしまうのだった。

この出会いがきっかけで、木村は靴屋の店員として働くことになった。

▼以降こんなストーリーを予定
・靴から導く行方不明者の捜索
・違和感から確信へ…汚れた靴の本当の理由
・あの人にもう一度会いたい、手掛かりはガラスの靴
・駅のナカに靴屋を作った理由



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