抗血栓薬について

日本医師会雑誌2022.2まとめ。
循環器疾患

冠動脈疾患、ラクナ梗塞といった非常に早い血流における血栓の予防に用いられる抗血小板薬

左房内の血流または静脈内というような比較的血流が遅い所にできるフィブリン血栓の抑制のために用いられる抗凝固薬

A. 抗血小板薬 
●アスピリン
シクロオキシナーゼを阻害
血小板凝集促進、血管収縮作用あるトロンボキサンA2を抑制

●P2Y12阻害薬 
  1.チエノピリジン系
  2.非チエノピリジン系
に分かれる
チエノピリジン系はP2Y12という血小板の受容体に不可逆的に結合して阻害
非チエノピリジン系は可逆的にその受容体を阻害

1.チエノピリジン系
a.チクロピジン
b.クルピドグレル
c.プラスグレル
の3剤

a.チクロピジン 古典的 肝機能障害

b.クロピドグレルはチクロピジンの進化系
肝機能の副作用ほとんどない
投薬時の即効性が若干劣る
日本人は肝臓でクロピドグレルを活性代謝産物にするCYP2C19という薬物代謝酵素の遺伝子多型が多く有効性に個人差がある

c. プラスグレルは遺伝子多型の影響をほとんど受けない
肝臓において活性代謝産物がクロピドグレルより早く大量にでき即効性がある強力なP2Y12阻害薬

虚血性心疾患、カテーテル治療後は
アスピリン+P2Y12阻害薬を併用するDAPT (抗血小板薬2剤併用療法)

B. 抗凝固薬
ワルファリンとDOAC直接経口抗凝固薬
DOAC ダビガトラン、エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバンの4種

ワルファリンは定期的採血
DOAC高価、腎障害では使えない

HBR high bleeding risk 患者 14項目の基準
HBR の患者は年に4%以上の大出血おきる
日本においてとくにリスクになるのは
高齢75歳以上,CKD,貧血の有無、抗凝固薬薬服薬
の4つ

出血、虚血のリスク高い患者
DAPT 期間を6-12ではなく1-3ヶ月に
アスピリンよりP2Y12阻害薬単剤が推奨されている

AF 患者 PCI後は周術期は3剤。アスピリン中止し、2剤。一年以降はDOAC単剤にするのが推奨される。

ACS イベントリスクの高い患者 DAPT3-12ヶ月推奨 

抗血栓療法ガイドライン
ACSまたは複雑なPCIでプラスグレルを優先
不可能ならクロピドグレル、チカグレロル(ブリリンタ)

休薬期間
アスピリンを継続する場合
チカグレロル 3日前
クロピドグレル 5日前
プラスグレル 7日前
手術を終えたらすぐに薬再開

虚血性脳障害

脳梗塞急性期
アスピリン160-300m 1日一回
もしくは
アスピリン+クロピドグレル

1ヶ月すぎたら一剤へ

非弁膜症性心房細動NVAF
以前はヘパリン→ワルファリン
今はDOACの方がよいとされる
リバーレキサバンを2週間以内に開始すると再発抑えられる。3日以内に開始しても出血増えない

慢性期
アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールから1剤選択

DOAC 仕様によりビタミンK代謝にブレーキかけない 骨粗鬆症、血糖管理に良い

中和
ワルファリンはビタミンKと4因子プロトロンビン複合体製剤4F-PCCケイセントラを投与
DOACはダビガトランはイダルシズマブ(プリズバインド)投与
1分以内に効き24時間持続

Xa阻害薬であればandexanet alfaを投与今は
未承認

高齢者ではtalk&Deteriorate(T&D) 頭を打った直後は話せてそのご意識障害
抗血栓薬内服の患者に多い

外傷直後は組織因子が血中に移動 過凝固になるそれを抑制するため血液は過線溶になる

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