連続する今に立つ

先に生まれたものと後から生まれたものとの差は一生縮まらない。

「一生」縮まらない。

年を越すこと
歳をとること
季節の訪れを感じること
待ちわびた給料日を迎えること
次の朝の順番がめぐってくること

これからわたしは
その人のいない時を生きる

その人が唯一自分で選んだ結果として
選ばれなかった時を生きる

その人が生きたことも選んだことも
なかったことにはできないし
なかったことにはしない

自信がなくても
実績がなくても
自分で選ばないことよりはマシだもんな

無意味で無意義な後悔と
ひねくれ散らかした責任転嫁で
まともなアタマを保てないが故に
吐くほど退屈な時間を過ごすことになるな

その人の選択を悲しくもどこか甘美なものとして
自分だけのものにするのも
誰彼構わず叩き売りにするのも
どこか違う気がしている

ただ、きっと
たまに手にとって眺めるとは思うよ
その人の中にいる自分を客観的に見て
再構築するためにその人を利用するんだと思う

そしてゆっくり確実に忘れていく
外側が削り取られて小さく丸くなっていく
出来事そのものは、さすがに忘れないだろうけど
その人のことは、少しずつ、少しずつ

真っ新に生まれ変わって
人生一から始めようが
へばりついて離れない
地続きの今を歩いているんだ

白日/King Gnu

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