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旅は自分だけの道標 〜森本、髪なくなるってよ〜

旅の終わり

I find I’m so excited I can barely sit still or hold a thought in my head. I think it is the excitement only a free man can feel, a free man at the start of a long journey whose conclusion is uncertain.I hope I can make it across the border.
I hope to see my friend, and shake his hand.
I hope the Pacific is as blue as it has been in my dreams
I hope...
By Red

旅が終わった。本当は2月中も行きたかったのだが、最後にお伝えする、ある事情があって帰国した。

たかが24日、されど24日。

実りのある旅だった。

この旅が自分と向き合わせてくれた。

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敷かれていたもの

僕の人生は半透明に透けたレールが見える。どれだけ右往左往しても、最終的に辿り着くであろう駅がある。それが、実家の跡を継ぐことである。

簡単に約16年間の学生生活を振り返ろう。
小学校は、生意気なガキで、何度学校から家に電話がかかってきたことだろう。時には友達の親からかかってくることもあった。

中学校は。まさに中二病で、学校にも行かずクラブチームと塾しか行かなかった。おかげで、ウイイレ2012は超絶上手くなった。

高校は、サッカー漬けの毎日で毎朝6時起き、21時帰宅の生活。家にいる時間はご飯を食べてお風呂に入って寝るだけだった。

大学は、キリスト教の学校へ進学。僕の家は仏教なのに。両親はさぞ龍谷大学に行って欲しかっただろう。

大体分かる。恐らく跡継ぎを考えるべき人が為す行動ではなかった。それにはワケがあった。

幼少期から、親戚、村のおっちゃんおばちゃん、先生、友達、父母の友人など他にも多くの人は私に向かってこう言う。

「将来、跡継ぐの?」

正直、小さい頃はそれが嫌で嫌で堪らなかった。僕が、跡を継ぐとか継がないとか、その答えに迫られているかはとかではない。周りから決めつけられている気がして、億劫で仕方なかった。「将来、跡継ぐの?」という一言が一番嫌いだった。

いつしかその事を包み隠し、父はサラリーマン、母は専業主婦、みたいな息子を演じることを覚えた。だからなのかもしれない。中学校では地元を離れたクラブチームに通い、高校でも地元の高校は選ばなかった。大学なんて、僕が跡継ぎ問題の狭間にいることなど、知られる余地もない所へ行った(そこしか選択肢がなかった)。理由は、単にそれが楽だったから。何も変なことを考えなくて良かった。

しかし、スペイン、ジュネーヴで訪れたような稲妻がこの旅の終盤に走った。


旅が気づかせてくれたこと

ところで、長時間のフライトで皆さんはどう過ごすのだろう。睡眠、読者、映画鑑賞、音楽を聴く。僕の今旅の帰国フライトは映画鑑賞をした。その映画は、『ショーシャンクの空に』である。何回目だろうか、旅の終わりにまた観ることにした。旅の影響か?ここに僕の人生のルーツがあったことをようやく認知した。

『ショーシャンクの空に』は刑務所の映画で、キーワードになるのが"自由"と"希望である。

なぜこれまで気づかなかったのか不明だが、飽き性の僕が何回も観ていた意味がやっと分かった。それは"自由"と"希望"に惹かれていたから。本当に気づくのが遅かった。

このシーンが心に刺さった。

レッドが仮釈放になり、スーパーのレジで働くシーン。トイレに行くために上司に許可を求めるが、上司はイチイチ許可を取る必要はないと言う。ここで、レッドは40年間許可なしでは何もできなかったことを思い出す。その後、自由を求めてデュフレーンの元へと旅立つ。

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なぜ今なのかは分からない。
ただ、今だから刺さった。

自由は一筋縄では手に入れることができない。

デュフレーンは毎日自分のやるべきこと(刑務所内での仕事)を怠らず、その上で自らの希望、自由への道を追求した。ただ、多くの困難があった。輩に犯されたり、独房に入れられたり。自分の希望や自由を追い求めるだけの人間では、自らの職務を全うし、仲間を想い、信念を持って生きる。だからこそ、デュフレーンは希望を手に入れ、自由を手に入れた。

今旅を通して、映画『ショーシャンクの空に』を通して、

ひとりで”生きる力”が希望となり、それを身につけることが”自由”につながる。

ということを学んだ。

旅は最高の自己投資になった。

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跡を継ぐための路

3週間の旅が終わり、次は跡を継ぐための資格を取るために11日間、外界との通路を閉ざすことになる。iPhone、本、新聞、サッカー、ファッション、音楽、など全てのことから遮断される。つまりは、煩悩への入口がシャットアウトされる。

11日間、煩悩から切り離される場所に身を置く。正直、想像もつかないし見当もつかない。生まれてこのかた22年間、絶対に行きたくなかった場所に行くことになる。

しかし、何だか少し楽しみになってきている自分がいる。

Andy Dufresne:
There are places in the world that aren’t made out of stone. That there’s… there’s somethin’ inside that they can’t get to; that they can’t touch.

RED:
What are you talkin’ about?

Andy Dufresne:
Hope.

この11日間で、何が変わるかなんてものは分かる筈がない。
しかし、ひとりで生きる力を手に入れることができると信じている。
希望がある。

I guess it comes down to a simple choice. Get busy living, or get busy dying
By Andy Dufresne

僕は必死に生きることを選択した。

今思うと、敷かれていたのではない、自分で選んでいたのである。

辿り着いた駅のその先は、自由に選択することができる。

僕だけの希望に満ち溢れた自由な道が待っている。

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森本、髪なくなるってよ

「で、結局なんの後継なん?」
って人は、僕の大変身姿を見てください。
これで全てが分かります。

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この度、得度することにしました。

簡単に言うと、お寺の住職になるための資格をとるということです。

プライドも邪念も髪の毛も全てを捨てて頑張ってきます。

別に応援して欲しいとかではないけれど、

プライドが高くて、煩悩まみれで、究極の飽き性で、どうしようもない人間でも、誰かの希望になりたいだけです。

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森本實言、ここにあり。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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