昔、大人の家族のそばに行くと湿布の匂いがした。祖父の凝った背中に乗って踏みふみと足でマッサージをした。手の届かない位置に貼った湿布を剥がしてくれと父に頼まれるのが思春期の頃はうざったく感じた。時々タイガーバームの蓋を開けて匂いを嗅いだ。すっかり今は自分からほのかに香る湿布の匂い。
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