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鉄路で巡る鎌倉殿

 鉄ちゃん目線で見る「鎌倉殿の13人」は、旅に出たくなる作品だったのではないか。頼朝が最初に挙兵する伊豆には駿豆線、伊豆急行線といった観光路線が走り、源平衝突の地「石橋山」は言わずと知れた東海道線の名撮影地だ。題名にもなる鎌倉には、関東屈指のオールドタイマー・江ノ電300形が走る。
 
 妄想が捗る。もし、平安の世に鉄道があったならば…。石橋山の戦いで援軍に向かった三浦義澄らは途中、増水した酒匂川を渡れず衣笠城に引き返す。今、東海道線が酒匂川を渡る区間には、立派なトラス橋が架かる。関東大震災では、周辺の橋梁が壊滅的な被害を受ける中、酒匂川橋梁の被害は極めて小さかったという。増水程度ならびくともしないだろう。ちなみに「衣笠」も、横須賀線の駅として現在まで名を残す。

 石橋山の戦いに敗れた源頼朝は箱根山中へ逃亡した後、土肥実平の援助を受け房総へと出船する。鉄路なら箱根湯本駅から、頼朝が上陸したとされる竜島海岸の最寄り駅、安房勝山駅まで200キロ、4時間40分。対する海路は直線距離で約60キロ。あれ?意外といい勝負かも?


 

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