スポーツシーンとしてのMリーグに求めたいこと

Mリーグ開幕まで残り2週間を切りました。
今年もまた熱く濃い麻雀の日常が始まると思うと胸が高鳴ります。

さて、データ取りの準備を進めていてちょっと箸休めに久々のnoteを書いているわけですが、本日の記事はデータや数字のお話とは少し異なるお話をしたいと思います。

一言でいえば「Mリーグのシステムが分からんので何とかしてほしい」ということです。
『おいおい、2年間もデータを取ってきてまだルールも覚えてねぇのかよ?』と思った方は、もう少しお時間を頂戴して読み進めていただけたら幸いです。

Mリーグの公式サイトには「ルール」は載っていても「システム」が載っていない

例えばサッカーを例に出しましょう。
サッカーは1チーム11人、フィールドプレーヤー10人は手を使うことができず、ゴールキーパーのみ手を使うことができ、1個のボールを敵陣のゴールに入れると得点となります。前後半90分の時間内により得点したチームが勝ちとなる球技です。
普段スポーツ中継を見ない方でも、ざっくりとしたサッカーというスポーツの概要はイメージできると思います。細かいルール(オフサイドや反則の種類など)は分からないにせよ、そのスポーツは何をどうすれば勝ちというのがざっくばらんに理解できるかと思います。

では、この方はスポーツとしてのサッカーのルールは分かりますが、サッカーのプロリーグ・Jリーグの優勝条件は分かるでしょうか?

答えはNoです。18チームが参加するJ1リーグについてトーナメント戦なのか、総当たり戦なのか、リーグのシステムが分からなければ大会の優勝条件など知るはずもありません。「90分間の試合を行い勝者に勝点3、引分けには双方に勝点1、敗者は勝点0を与え、ホーム&アウェイの年間34試合による勝点の多寡で順位を決定する」という競技における勝利条件と大会における優勝条件は全く異なるからです。

では、Mリーグに話を振りなおします。

Mリーグの公式サイトには「Mリーグにおける公式ルール」(競技のルール)は掲載されていても、「リーグの優勝条件のシステム」は全く掲載されておりません。

ここが、非常にもったいない!

もっと言えば、レアケース(チームポイントが同点の場合の所作)についても解説がないので両者優勝とするのか、異なる指標の優劣を比較して優勝を決するのかが全く記載されていません。

ちなみに、レギュレーションの変更がない場合ですが、レギュラーシーズンで通過ボーダーが同点で複数並んだ場合は「当該チームの所属選手全員個人ポイントを参照し、その中で最多のポイントを持っている選手が所属しているチームにアドバンテージを与える」と規定されているようです(Mリーグ2018シーズンレギュラーシーズン最終日・第1戦終了時のチームポイント発表時に解説。ABEMAプレミアムの方はMリーグ2018シーズンレギュラーシーズン最終日、1時間59分00秒付近をご確認ください)
また、ポストシーズンにおける同点時の処理は「直近のラウンドの通過順位を参照し、上位チームにアドバンテージを与える」の模様です。(Mリーグ2019シーズンファイナルシリーズ最終日・第2試合東2局の中で解説。ABEMAプレミアムの方はMリーグ2019シーズン最終日、1時間50分10秒付近をご確認ください)

競技としての勝敗の決定方法については、視聴者向けというよりは競技者向けの情報(コアな麻雀ファン向けの情報)に対し、「じゃあ一体何すれば優勝なんだ?」というライト向けの情報がないのが、少し不親切なのかなと感じるところです。
私が昨季のシーズン終盤の優勝条件をはじき出す際に最も困ったのが、この「優勝条件」が何なのか?という確たる情報が無かったことでした。レアケースだからと若干スルーしていた部分がありましたが、特に熱狂しているファン、見始めのライトなファン、どちらにも損しているのでぜひここは手を加えていただきたいところです。

リーグの財政基盤の透明化を

今季のMリーグは3シーズン目、真価を問われます。
まず、リーグのスポンサーは3年契約。今年が満了年度になるので、来季のスポンサードを勝ち取り、安定したリーグの財政基盤を作る必要があるので大コケはできません。過去幾多のスポーツシーンにおいて、リーグの財政状況が貧弱で数多のリーグが散っていったことでしょうか。ファンも「あと数年したら無くなってしまうような貧弱なリーグなら応援もできない」という意見を持つことは何ら不思議ではありません。
経営・マネジメントではやり手の藤田チェアマンのことですから、手堅いリーグ運営は念頭に置いていることでしょうが、本当に何より大切なのはスポンサーです。ドライな話ですがプロスポーツにお金は重要です。

この黎明期において、各クラブの財政状況は正直収益が出ているのかは不明です。PVも赤字という話があるなかで、長期的なリーグ運営が可能なのか、チームもMリーグ機構も、バランスシートについては情報開示をすることでファン・サポーターの信頼を得る情報となるのではないかと思うところです。

さて、長々と書きましたがまだまだ進化の余地があるMリーグは、昨季以上の盛り上がりを見せるポテンシャルを持っています。
今年も一Mリーグファンとして、ささやかですが素早く正確なデータ取りと速報で賑やかしをしたいかなと思います。開幕は10月5日(月)、216試合の戦いが始まります。