Mリーグ2021/22シーズン雑感

全216試合・2,634局の激闘を終えて、ファンからの視点で見た今季の振り返りを少々。

1.スタッツデータがさらに進化。点棒推移グラフの導入

なかなか面白い試みが今年も導入され、おおむね好評を得たのではないでしょうか。スタッツデータはいわば表の顔で、ゲームの展開を一発で可視化できる折れ線グラフを挟んだのは、データまとめをしている私から見ても非常にGoodだったのではないかと思います。
強いて言えばグラフの始点→終点が濃→淡となり、グラフが重なるとどのチームか分からなくなることがあったので、グラデーションの配色は変更する必要があることかと思います。

2.スポンサー露出の増。リーグ・チーム問わず好循環の礎に

ユニフォームスポンサー枠が順調に埋まってきた感が強くなったと感想。また、チームの勝利に合わせてスポンサード企業の商品をサポーターにプレゼントする企画(サクラナイツ・フェニックス等)があったことなど、随所にスポーツシーンでよく見られる関係性がMリーグでも多くなった感じがしました。昨年、こちらの記事 で書きましたが、チーム毎にほぼ似たようなことをしてくれたのは嬉しい限りです。
新スポンサー日清食品では地和が出たら自社製品のU.F.Oを一生分プレゼントする企画など、仮に大当たりを出した人が黒沢選手だったら製造ライン丸ごとプレゼントになる様な予感もしなくはないですが斬新な企画だったと思います。
4年目となりタイトルパートナーが更新年度となっていたのですが、大和証券とも継続、大きな不祥事を出さないことを大切にしたチェアマンの戦略がきちんとされており、よい関係性が構築されていることが伺えます。

3.公式ウィークリータイトル「弁当」

熱心なサクラナイツファンの方はよく聞く『弁当効率』というフレーズ。
多分ですが初出は当アカウントだと思うのですが、いつしか輸入されてサクラナイツのほぼ公式語録となってしまった不思議なワード。
各チームのSNSでの発信で明らかになったのですが、週間スコアトップのチームにはMリーグ公式から高級弁当が支給されていたことが判明。
これをもっと前面に出してほしかった!選手のモチベーションは上がりますが、視聴者としてはWeeklyでの山場を作ることが出来るおもしろポイントだったのではないかと。90節・180試合、22週間もあるリーグ戦だといかに間延びせずに興味を惹きつけるかが大事なので、1週間・1ヶ月・この山場をどうやって作って盛り上げるか、その一つの手段だったと感じるところ。

4.終盤戦の山場を作ったセミファイナル組み合わせ

今季のレギュラーシーズンは雷電が大凹み、80節中盤からドリブンズもかなり溝を開けられセミファイナルへの通過という観点では盛り上げどころがなかったですが、そこはMリーグ実況・解説陣が踏ん張ってくれたのでその部分の評価を。
上位6チームが固まると盛り上げどころを見つけるのが難しいところでありますが、しきりに本放送中に「レギュラー上位4チーム以内に入るとセミファイナル最終日を打つ権利を獲得できる」という情報を視聴者に伝えてくれました。これが大きかった。
競技麻雀ファンではコアな注目ポイント『オンターゲットのポイントがわかる』という点をライト層に、どうやって伝えるか。実況解説のなかでしきりに持ち出してくれて、1位~6位までが同価値ではないぞと。ベスト4に入れなければ最終日を打てずに相手にポイント差が分かった状態で狙われるぞと。この点を終盤戦の話題のポイントにシフトさせたのは非常に上手だったと感じるところでした。

5.2位以下は同価値ではない!

2018シーズンのファイナルで出ている情報として「最終順位で優勝賞金5,000万円、準優勝2,000万円、第3位1,000万円」と優勝以外は無価値ではないという情報が表に出ないのは少し不満なところ。
本放送でこの点に触れられず、例えば優勝までは厳しい状態となっても総合3位なら十分条件が残っているとして、『なぜあのチームは優勝を狙わず3位チームを抜かしにいっているのか?』と、戦略の意図が分からなくなることも考えられます。
コンペティションとして各種賞金を用意しているのであれば、そのポイントをはっきり明言することは必要ではないでしょうか。

6.競技規定の細部をオープンに

2020/21シーズンより、公式ルールで場決めを一部廃止(厳密に言えば対戦組み合わせを決定する抽選時に座順を割り振り)し、このルールの適用範囲が気になっておりましたが、サクラナイツの配信の際に『ファイナルシリーズも事前割振りの対象』と明言がありました。
競技規定が表の顔であれば、取り扱いの細部を定める裏の顔が少し見えたわけですが、結構競技の重要な部分が公式から伝えられていない印象です。
審判のジャッジ基準の公開までは求めませんが、当初からの競技規定が変わったところはオフィシャルからも一声周知が必要かと思います。

7.ファンと選手の距離感の問題

非常に難しい問題です。多くの選手がSNSアカウントを持っており、Mリーグという新しいリーグにおいてSNSの親和性が抜群に良いという点はメリットですが、今季は残念ながら心無い声も多かった印象。正直ぶら下がりのコメントには見るに堪えないリプライ、コメントがあったのは事実です。
当アカウントにも、明確に誹謗中傷を目的としたデータ提供を依頼する方がいらっしゃったという前代未聞の出来事もあり、この点は年々悪化している気がしてなりません。
地道な呼びかけになるかもしれませんが、批評・批判の域を超えた人格否定となってしまうのは断固として食い止めなければなりません。

8.総括データがないのは何故に?

レギュラーシーズン終了時に各選手のデータをオフィシャルから発表されておりましたが、今季はデータが公表されず。これは残念。
各種スポーツのスタッツ・データはスポーツシーンを支える重要な要素であり、これは疎かにしてはならない部分です。当アカウントで集計したデータの答え合わせにもなる重要な情報であり、なぜ今季は無かったのか不思議でなりません。
願わくば、オフィシャルサイトでの各種競技データを揃うことがあれば、より魅力的なものになると思うところです。

以上、思うところはこんな感じです。
オフシーズンの盛り上がりが例年あまりなく、今季はどんなテコ入れをしてくるのか。来季に向けた動きが初夏の頃にはちらほら出てくるかと思いますが、Mリーグロスとなるこの時期に火を消さない立ち回りが出来るのか、チーム・選手・機構の動きに注目していきたいところです。