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【TEX】つかみそこねた指輪に手が届いた日

2011年のワールドシリーズ第6戦、あとワンストライクで戴冠というところまで行きながらカージナルスに逆転されるバッドエンディングから12年。ついに……ついに!念願のワールドシリーズ制覇を成し遂げてくれました!!

すみません、更新をあまりしないレンジャーズ担当のもりまるです。

振り返れば地区優勝待ったなしの情勢から投打主力の故障に加えて、元々不安だったリリーフの深刻な不振にも悩まされて最終戦で地区優勝を逃すあたりは本当に勝負どころで脆い……と頭を悩まされましたが、ポストシーズンに入ってからは嘘のような快進撃。99勝のレイズ、101勝のオリオールズをまさかのスイープでシードチームに対する日程不利を打ち消しつつ、地区優勝をさらわれたアストロズとのリーグチャンピオンシップシリーズもアドリス・ガルシアの大爆発と投手陣の奮闘もあり、2勝3敗と追い込まれた後の2連勝でワールドシリーズへ。

迎えたワールドシリーズはコーリー・シーガーが初戦の9回1アウトからの同点2ラン含め、要所で20年ワールドシリーズMVPらしい活躍を見せ、不振のマーカス・セミエンが最終盤になってヒーローになり、クールな両選手が感情を爆発させるシーンは胸を突くものがありました。最後はこのポストシーズンの陰のMVPで来年大丈夫なのか心配なくらい魂を振り絞って投げぬいてくれたホセ・ルクレク…と思いきやなんと登板できず、ルクレク以上に完璧な投球を見せてきたジョシュ・スボーツが7回途中から最後まで締めて、トゥルーエンディングを迎えました。2010年には敵将としてレンジャーズをワールドシリーズで下したボウチー監督を今年からチームに迎え、冷静かつ外から見てよくわからない拘りがあまりない采配(例:打たれ続けているのに抑えを固定する、特別な選手ではないのに打順を固定するなど)で、ポストシーズン中もひとり泰然自若の感でした。

上記記事も含めてシーガーは常々「クリス・ヤングGMが提示したプラン通りに進んでいる。そのビジョンに賛同してチームに加わった」と語りますが、2年でポストシーズン進出はまだしも2年で頂点に立つことまでは想定していなかったのではないでしょうか。プロスペクトもたまりつつあったとはいえ102敗してましたからね……。今回のポストシーズンはその上澄みのトッププロスペクトといえるジョシュ・ヤングと9月上旬のガルシアの故障でおそらく前倒しのデビューとなった21歳のエバン・カーターの活躍も光りました。

100敗チームがFA市場に5億ドル投資し、翌年も前年故障で100イニングすら投げていないジェイコブ・デグロムネイサン・イオバルディアンドリュー・ヒーニーをFAで獲得。夏にはトレードでアロルディス・チャップマンマックス・シャーザーまで加え、当然全員が全員機能するとはいきませんでしたが、やるべきことをやり、リスクも受け入れての優勝ということで、編成や育成部門も含めて誇れるような快挙になったのではないでしょうか。ファンとしては、おめでとう!!!以外の言葉は出てこないです。

オフのことはまたオフになってから書くとして、ひとまずは余韻に浸りたいと思います。4勝1敗とは思えない緊迫した展開で最後まで苦しめられたダイヤモンドバックスの選手たちに敬意を評しつつ、筆を置くことにします。

レンジャーズ関係者、レンジャーズのファンの皆様、ワールドシリーズ制覇おめでとうございます!

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