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【交換日記87日目】

前回のロックくんの日記はこちらです。

ヘッダーの画像がTちゃんなので一瞬勘違いしてしまいそうですが、何らかの意図や訳があってそうしているのでしょう。
好きな映画についても『レ・ミゼラブル』を「レミゼ!」と表記しているのも何か理由があるのでしょう。もしかしたらそういう言い回しが流行っているのかもしれませんね。

『レ・ミゼラブル』の原題は”Les Misérables”で、これをカタカナ読みしたものを邦題としている訳ですが、日本で一番最初に翻訳されたときのタイトルは『噫無情(ああ 無情)』です。

”Misérables”はフランス語、英語では”Miserable”です。ヨーロッパ言語はラテン語をベースに発展していますので、共通項が多いですね。
調べてみるといずれもラテン語の”miser”(惨めな)が語源とのことです。
フランス語の”Misérables”の”é”の上についている点は発音記号で「アクサン」と言います。正確に言うとアクサンにはほかにも種類がありますが。

アクサンのついていない”e”は発音しません。従って『ミゼラブ「レ」』にはなりません。アクサンのついている”é”は"e"を発音しますので『ミ「ス」ラブル』にならないんですね。

ちなみに”Les Misérables”を英語に直訳すれば"The miserables"になります。
最後の"s"は複数形の"s"ですので、日本語に直訳すれば「たくさんの不幸」とか、場合によっては「不幸な人たち」という意味になります。

そういう意味で『ああ無情』という邦題は素晴らしい名訳ではありますが、若干ニュアンスが違います。かといって『不幸な人たち』としては何となく安っぽいタイトルになってしまいます。日本語はこういう時にとても便利な言葉で、「レ・ミゼラブル」とカタカナでそのまま変換させることができてしまうのです。

ちなみにご存知の方も多い以下と思いますが、『レ・ミゼラブル』に関連して「世界で一番短い手紙」の逸話があります。

作者のビクトル・ユゴーが『レ・ミゼラブル』をイギリスで出版したときにイギリスの出版社へ書いた手紙です。

内容は
「?」
でした。
「『レ・ミゼラブル』の売れ行きは?」という意味でしょうね。

この話はこれで終わりではなく、これに対するイギリスの出版社の返信も含めて「世界一短い手紙」です。

返信は
「!」
となっていました。

今のご時世であれば、この逸話の会話の中身よりも正確に絵文字やスタンプでも世界一短いメッセージで会話は成り立つでしょうから、気心知れた相手と試してみるのもいいでしょうね。

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【ロックからMくんへの質問】
好きな世界遺産は?

この質問を受け取った時の率直な感想は

「旅行好きな私ですから世界遺産は結構行ってますからね。私の実体験も交えて素晴らしい旅行記をご紹介しましょうロックさん!」

というものでした。

しかし紹介しようと思った今まで行ったどの観光地も、実は世界遺産ではなかったことが判明しました。

もちろん今まで行った中で世界遺産はあるのですが、ロックさんの質問にあるように、その世界遺産が「好き」であるかというのは別の問題です。

世界遺産も私に好かれるために世界遺産をやっているわけではないので、私なんぞに「好きではない」と言われるのは、告白してもいないし、そもそも好きでもない相手にフラれたようなお話ですから、大変失礼な話です。

ですが今まで行った場所の中で「これは素晴らしい・・・感動・・・」という思いを持った場所が世界遺産でないというのは、なんとも残念なお話です。

結局のところ、人類にとって普遍的で最も価値のあるものが自分にとって最も価値のあるものではないということなのではないでしょうか。

振り返ると、私がここ数年で最も感動したのは私の家から1~2時間ほどのところにある標高300mほどの小さな山です。

人間が自分自身を満足させるのに必要なものというのは、案外自分から半径20~30kmほどの圏内に満ちあふれているような気もしてきます。
200年ほど前までは今でいうところの隣の県に行くこと自体が人々にとっては大変な労力であったわけですから。
そのように移動することが大変だった昔の人たちの人生に対する満足度が現代人に比べて大きく劣っていたともまた、考えにくいでしょう。

そういう風に考えてみるとここ2~3年ほどハマっていることがあります。
Googleマップで「史跡」と検索することです。

自分の家の徒歩5分圏内にも石碑や○○跡といった小さな歴史スポットがたくさんあることに気付かされます。
もし今までやったことが無ければ試してみてください。
「あぁ、確かにあそこに何かあるけどあれって何なんだろう」と思えるのであれば大分良い方で、人生で引っ越しを6回している私なんかは、4年以上住んでいる今の家の周辺でも「え、こんなところあったかな?」と思ってしまうほどです。

そういう風にして自分の家の周辺の史跡巡りをしてみると、昔の情景というのが気になってきます。

自分が今住んでいる場所には100年前何があったんだろうと。

そこまで来たら「古地図」というものをネットで探してみると良い時間つぶしになります。

東京23区周辺にお住まいの方であればお勧めのアプリが
「大江戸今昔アプリ」です

今の地図と江戸時代の地図の比較が簡単にできます。私が住んでいる場所については一切ノーコメントですが、東京都内は地理的に感覚がつかめている方も多いかと思います。霞が関がなぜ今は官庁街になっているか、というのもこのアプリを使って江戸時代の街並みをイメージすれば何となくわかってくるような気がします。あと隅田川って昔はなかったことに気付いた時がやばかったです。

そのほかにも私は趣味の登山で『スーパー地形』というアプリを使っているのですが、これもとても面白いです。

やっぱり役所とか自衛隊の施設とかはしっかりした場所に作られているんだなとか、あそこらへん坂が多いのはここの辺りが台地になっているからなんだ!とかわかると自分の周りの世界が変わって見えてきます。

遠くまで行かなくても自分の周りにはまだまだ知らない歴史や地形がたくさんありますね。コロコロのせいで遠出が難しい状況が続いていますし、ぜひ身の回り探索をやってみてください。

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【次の人は……Tちゃんです!】

理想のGWの過ごし方を今年の反省点を踏まえて論じよ

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