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秘密警察を宣伝してみる

今日から君を秘密警察に任命する。

どうして私なんですか?

コンピュータから無作為に選ばれた方にお願いしています。
日々の生活の中で、常に世間に目を光らせていただく仕事です。

怪しい行動をしている人はいないか
万引きやひったくりはいないか
困っている人はいないか

それって、見守り隊じゃないですか

まあ、それに近いですが
君の一番の仕事は、
この秘密警察を宣伝することです。

え?秘密警察なのに宣伝するのですか?

はい。
秘密警察が、身近なところにいることを宣伝することで、犯罪抑制に繋げるということが、1番の目的です。

なんだかよくわからないが、秘密警察巡回中などというタスキをつけて、一日中街を歩き、秘密警察を宣伝してみる。
周りの人々が怪訝な顔で彼とタスキを見る。

もし何かあったら、すぐ近くに我々もおりますので



実は彼はコンピュータが選んだ犯罪予備軍で、世間の目を惹きつけ、結果的に彼自身が世間から監視されているのだが、彼はそのことに気付いていない。


本文ここまで  411文字

これはたらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

お題はそのまま
「秘密警察を宣伝してみる」
でした。
少し前に話はできていたのですが、長くなってしまって410文字前後に削るのに時間がかかってしまいました。
秘密警察
という響きが、ますます人々の目を集める
そんな気がします。

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