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おばけの演奏会【毎週ショートショートnote】

その日おばけ達は、演奏会をやろうという話になった。
近頃は夜でも明るくなった上、人間を驚かそうと思っても驚くどころか、スマホを向けられる。
写りはしないのだが、万が一にも映るわけにはいかない。

コレからは自分達で楽しむことにしよう、と思い始めたのだ。

ぬらりひょんが、
俺はバイオリンをやる
と言った。
ろくろっ首は、
私はクラリネットがいいわ
と言った。

傘ばけは、コントラバス
猫又は、フルート
座敷童は、ティンパニー


一つ目小僧が、俺はトランペット
骸骨、お前は何をやるんだ?
と尋ねた。

骸骨は眠そうな声で
う〜ん、私は〜何でも〜
と言った。

相変わらず眠そうなトロンとした口ぶりだなあ、
トロンとしたBone(骨)だから、お前はトロンボーンにしろ!

その後骸骨は、みんなからトロンボーンと言われるようになった。
トロンボーンの口調は、相変わらずトロンとしていたが、練習は懸命にした。

でもいくら練習しても息が骨の隙間から漏れてしまって、音が出なかったんだと。

本文ここまで 411文字

これはたらはかにさんの企画
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

今回は裏お題「トロンボーンの口調」でした。

甥っ子が部活でトロンボーンをやっているので、よく練習しています。
なかなか難しそうです。

一生懸命練習してるのに、音が出せない骸骨さん、可哀想です。
いい方法はないかしら…?

でも、やっぱりトロンとした口調で
音が〜出ませんねぇ〜
と言ってそうですね。

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