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アナログ巌流島

近頃営業成績が低下している我が営業部では、今朝の朝礼で所長から、
この半期末までで、1番の成績を取った人に、この下関のフグのフルコースを食べさせてやるとのお達しが出た。
営業部の面々は、急に目の色を変えて仕事に取り組んだ。

しばらくして、営業成績のグラフに突出した2本の棒が現れた。

佐々木と宮本である。
佐々木は、とにかく朝から晩まで、お客さんのところを、足を棒にして回っていた。
佐々木は、どんどん成績を伸ばし、宮本を引き離してきた。
それに対して宮本は、過去の記録をもとにせっせと顧客に手書きの手紙を送った。
一通り手紙を書いてから、電話や訪問を行った宮本は、グングン佐々木に追いついていく。

過去のデータを分析してダイレクトメールを送ったり、SNSを使って営業をしていた若者達もいたが、とても彼らの成績には及ばなかった。

彼らはもはやフグを諦め、勝負の行方に関心を持ち始めた。

こりゃ、佐々木の宮本の
アナログ巌流島だな。

勝敗はいかに⁈


ここまで本文410文字

これはたらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

お題 「アナログ巌流島」
巌流島に行ったことはありませんが、下関にいったときに、見たことはあります。

私は佐々木小次郎に頑張って欲しかったな。
時間に遅れてくるのは、やっぱりフェアじゃない、と思ってしまう私でした。

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