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一粒の水になって【毎週ショートショートnote】

滝から流れ落ちる透き通った水を眺めながら、涼子はつぶやいた。

もう人間なんて嫌。
この水になって、流れていきたい。

それなら交代しよう。
どこからか声がした。

川に入ってごらんよ。
涼子は、声に導かれるまま川に入り、
そのまま川の上に寝転ぶように仰向けに浮かんだ。

流れていく

涼子は、水の一粒となって川を下った。

気持ちいいのも束の間、やがて川は街の中に入ってきた。

汚れた水が四方から流れ込み、息が詰まりそうだ。
ようやく海に出たと思ったら、すぐ空に吸い上げられた。
又山に帰れる、と思ったが、
涼子は排気ガスや汚れた空気を体に纏い、アスファルトの上に叩きつけられた。

雨達は凄い勢いで街を襲い、みるみるうちに辺りを埋めつくした。
あなたたち人間が、こんな雨を降らすようにしたのですからね。

耳元で大きな警報が流れた。
驚いて我に帰ると、涼子は自分の部屋で寝ていた。
外は豪雨だ。

このひと夏の人間離れは夢だったの?

窓の雨粒が、
涼子は私よ
と言った気がした。

ここまで 本文410文字

これはたらはかにさんの、毎週ショートショートnoteのお題【ひと夏の人間離れ】
に参加したものですが…
なんとも尻切れトンボのお話になってしまいました。
それに凄い無理矢理感(笑)
410文字では伝えきれなかった。
お蔵入りにしようかとも思いましたが、せっかくなので、恥はかき捨てで記事にしました。

激しい雨音を聞きながら、昨日途中まで書いていたお話でした。
先日行った白糸の滝、あそこを流れる美しい水と、今回の豪雨。
同じ水なのに、全く違う。
癒しの水と、災害を起こす水。
自然は美しくもあり、恐ろしいものだ。

昔から台風も豪雨もあったけれど、それに耐え得るものを人間が作っても、想定をどんどん超えてくる。
これはやはり地球温暖化と無関係ではない。
人間が住みにくい環境を作ってしまったのは、他でもない人間だ。

もう手遅れなのか?
そう思いたくない。

便利や楽ばかり追求しない、地球のための生き方を、今以上にたくさんの人間が考えていくべきだと思う。

私もゴミを減らし、捨てるときには分別をちゃんとするとか、無駄に車を走らせない。無駄な電気を使わない。余分なものは買わない。
排水溝に、油や調味料を流さないなど、地球のために何ができるのかを考えて、過ごしていきたいと思います。

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