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彦星、誘拐したってよ

驚き!彦星誘拐企ててた!

衝撃のニュースが天上誌の表紙を飾った。

昨年の七夕の日、大雨の厚い雲に紛れてその計画は実行された。

一年ぶりに会った織姫と彦星は、一年に一回では少なすぎると言って、狂言誘拐を企てた。

彦星は、

織姫を誘拐した。
一年に一度しか合わせてもらえないなら、ここで織姫を殺して自分も死ぬ!

と、天の神に告げた。

天の神は、天上警察を使って彦星を捕え、織姫を取り戻し、彦星は裁判にかけられた。

天上界でも今は民主化が進み、
天の神と言えども裁判に口出しは許されない。

織姫も同意していた事や、陪審員たちの同情票も集まり、情状酌量となり、この夏彦星は元の河岸に戻された。

2度とこのようなことはしないと約束し、又一年に一度だけ会えることになったのだけれど、実は織姫と彦星、こっそりライン交換していた。

昼間は真面目に働き、夜はおしゃべりしたり、ビデオ通話を楽しんでいると言う。
天の神も、真面目に働くならと見て見ぬふりをしてるそうな。


本文ここまで 410文字

これはたらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
の企画に参加したものです。

今回のお題は、「彦星誘拐」
彦星が誘拐するのか、誘拐されるのか、
彦星を誘拐したところで…
と、こんな話になりました。

今年の七夕は晴れでした。
もう何年も曇りや雨の七夕でしたので、久しぶりに七夕の夜空を見上げました。

しかし私の視力が悪くなったことや、周りが明るかったりして、ちゃんと見えたのは、夏の大三角くらいでした。

しかし、子供の頃見ていた、星に埋め尽くされた空と、白く伸びる天の川を頭の中で思い出しながら、
見えないだけで、あの空は今でもこの上に広がっているのだろうなあ…
なんて考えていました。

子供の頃、あの空を見ることができて、本当に幸せだったと思います。

まだチャンスがある人は、ぜひ星が綺麗に見える場所に行って見て欲しいな、と思います。

そして織姫様、彦星様
災害や異常気象がなく、人々が平和に暮らせますように!

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