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全身黄色の男性(妄想物語)

朝、会社までの道を少し遠回りしてウォーキングしていた時、目の覚めるような黄色のロングTシャツに、同じ色のズボン。
サンダルも同じく真っ黄色の格好のおじさんが、ゴミを出すために
これまた真っ黄色の網を持ち上げて、ゴミを捨てていました。

イエローマンや…

その昔イエローマンと言われる男が住んでいました。
いつも全身黄色の服を着て、走っていました。
長距離ランナーなので、町中の至る所で見かけました。
彼の家は、風も屋根も真っ黄色でした。

理由は
黄色が好きだから

黄色は金運とかいうけど、
そうじゃない
単に黄色が好きだから

彼は走っているだけ

それなのに、イエローマンに会うと追いかけられる
という噂がたった。

ただ単に、イエローマンが走る方向に、走って逃げただけだろう…

イエローマンに怒られた。
これも聞いてみると、道にゴミを捨てた子が悪い。イエローマンは、悪いことをしたわけじゃない。

それなのに彼は恐れられる。 

さて、そんなイエローマンを思い出した朝でしたが、ここで私は又、妄想を始めた。


彼は実は昔、ゴレンジャーの1人、キレンジャーだった。
今では、実家であんまやをして、のんびり過ごしている。
あんまやの壁も黄色、作務衣も黄色、ベットのシーツだけは、なぜか白(白しかなかったのか?)
自分が一番落ち着く黄色に囲まれて、穏やかな老後だった。

年に一度、ゴレンジャーの同窓会がある。

全身黄色のスーツで現れたキレンジャーに、みんなは言う。
お前まだ、キレンジャーが抜けないのか?

黄色が落ち着くんだ。

まだ薄い黄色だし、季節は春だからいいが、そろそろ、せめて中のyシャツくらいにしたら?
そう言われて、ちょっとシュンとする元キレンジャー。

今はバイク屋をしていると言うアカレンジャー。相変わらスマートでナイスミドルになっているアカレンジャーは、かっこよく革ジャンで現れた。

やたら痩せて老けて見えるアオレンジャーは、妻の実家のスーパーで、店長として働いていると言う。

田舎に住んで、有機野菜の栽培をしているミドレンジャーは、お腹周りが丸々太って頭が薄くなってしまっている。
でも、とびっきりの笑顔で、
俺んちの野菜だ、と美味しそうな野菜を持って現れた。

モモレンジャーは?
私は、孫の世話と、趣味でフラダンスやってるくらいよ。
と、モモレンジャーはフラダンスのように腰をゆらゆらさせて答えた。
すっかりおばさん風情だが、相変わらずのプロポーションだった。

5人が集まると、昔の耀かしき日々の話になる。

当時は大変だったけど、輝いていたよね。
子供たちから、ヒーローって言われて、どこに行っても大人気だった。

あの頃は、毎週のように敵が現れて大変だったね。
今現れたら、戦えるかな?
もう、動けないよ。

でも、倒してきた悪者たちも、今はすっかり、いいおじさんおばさんになっているらしいよ。

今現れたから、一緒に酒でも酌み交わしたいな。

そんな楽しい時を過ごしているに違いない。


そんな妄想をしながら、出勤した朝
久しぶりの妄想物語でした♪

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