あてにならない記憶


2024年6月
31歳になる

そんな31歳の夏に同級生が死んだ。
突然の連絡は当時の同級生たちの間で回り回って
わたしの元にも届いた。

小学校からの同級生
中学2、3年同じクラスでいつも一緒にいた男の子だった
あまりに突然の連絡に全く信じられずにいたけどあっという間に葬儀の日は来た。
葬儀場にはたくさんの同級生たちが集まっていた
顔を見ても誰だかわからないのになぜか懐かしく感じてしまう
そんな人たちがたくさんいた

中学校といえば、一言でいえば大嫌いだった
漠然と嫌いだったなあと思う
意味のわからない厳しい校則にうんざりして
思春期の絶頂期で
何か悪いことをしてみたくて。。
怒られることはもちろん褒められることさえ
うざったくて仕方ないほどこの世のすべてにイライラしていたと思う

それなのに葬儀がおわった後に
同級生たちと話をしていると
不思議なことに、たくさんの楽しかったことを思い出した
別に特別なことでもない
あいつがこんなこと言ったとか
こいつはいつもああだったとか
本当にどうでもいいくだらない話で笑った
そしてその楽しいの中には必ず彼がいた
いなくなってしまって、気付かされたという。
彼はいつも誰かを笑わせてやろうとしていた
ムードメーカーだった

彼はたったの30歳でこの世を去ってしまったけど
死んでしまった時に
最後は笑って終われる人生だったのかな
彼のために集まったみんなが彼のことを思い出して笑ってる

ありがとうと思った

漠然と嫌いだったと決めつけていたわたしの中学校生活は
どうやら記憶以上におもしろおかしい毎日だったらしい

記憶と事実は随分違うんだなあ

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