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おひとり様マンション購入&リノベ記〈6〉信頼できる不動産営業

家探しは、物件だけでなく不動産屋の営業マンとの出会いの場でもある。当たり前だけれど、会社や同じ会社であっても個々の営業マンによって対応や能力は千差万別だ。どのような営業マンを心地よく感じるかもまた、千差万別である。

個人的にいいなと感じた営業マンは、連絡にすぐに反応してくれる人、センスのいい物件を見つけてくれる人、内見当日に紙の物件資料とペンを渡してくれる人、返済計画まで作ってくれている人、周辺の案内図を作ってくれている人、こちらから依頼する前に資料を一通り揃えてくれている人、オーナーととても近しい人など。

逆に、あきらかに冷やかし対応のような舐めた態度を取ってくる人もいたし、自社ブランドに胡座をかいているようなやる気のない営業マンも残念ながらいた。自社管理物件の担当者なのに、物件のことをよく知らない、資料すらも持ち歩いていない人にはガッカリした。

私はせっかちなのに慎重、愛想はいいが他人に淡白という面倒くさい人間で、合う人と合わない人が割とはっきり別れるタイプだ。贅沢を言うなら、できるだけ仕事のできる人間と、そして自分と合う人間と付き合いたいものだ。また私は現時点での知識量がたとえ乏しくても、知識欲とひたむきさの感じられる人間が好きなので、気になるものは迅速にかつとことん調べてくれる営業マンがありがたかった。

最終的にマンション購入でお世話になったNさんは、まさにそんなタイプの営業マンだった。まだ20代、自分でマンションを購入した経験もない若者だったが、その分謙虚でフットワークが軽く、私の細かな質問や要望に対して愚直なまでに真っ直ぐに向き合ってくれた。また上司や先輩からも可愛がられるタイプのようで、厳しくも温かい指導を受けている話をよく聞いた。いざとなったらシニアにも頼れるのは、客にとって都合がいい。

彼との出会いは、彼が顧客から任されていた物件の内見を、スーモ経由で私が自分で問い合わせたことがきっかけだった。結果的にその物件とは縁がなかったのだが、自分の担当なのに物件のネガティブなポイントや、売りに出ている背景を包み隠さず話してくれることに、ハラハラしつつも好感が持てた。初対面からたくさんの資料を用意してくれており、同じ会社の別の営業マンからは一度も聞いたことのない自社サービスの案内までしてくれて、おっ!と思った。

神妙で自分から饒舌に話すタイプではないが、ともかくマメに調べて、欲しい情報を開示してくれる。綿密に準備をしてくれているかと思えば、とんでもないヘマをやらかしてくれることもあったが、それを包み隠さないで正直に申告して謝るところ、時にそれって業界のタブーじゃないの?的なことまで教えてくれるところにも、信頼に足る人物であるように感じた。

Nさんとはメールやチャットで週に何度も連絡を取るようになり、やがて私が毎朝のスーモチェックで見つけためぼしい物件を彼に送り、彼がレインズの情報を確認し内見の手筈を整えて、2人で実際に足を運ぶ、というサイクルが高速で回転し始めた。

内見時、山のような質問に加えて、ここが良い、ここが好みではないと私があけすけに評価をするものだから、彼も私の好みを熟知してくれるようになり、提案もちらほらしてくれた(ただしそれ以上に私が自分から探していた)。物件に関する知識量と経験値が飛躍的にアップデートできた。

一般の買主はレインズを直接見ることは叶わないものの、オンラインで公開されているものだけでもかなりのボリュームの情報を得ることができる。それらをきちんと精査するには、営業マンとのタッグが不可欠だ。話をしやすく、こちらが満足いくまでとことん付き合ってくれ、もしこの人が私を騙しているならそれはもう仕方ないな、とまで思えてしまう営業マンに、私は幸運にも出会うことができた。

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