伝達関数は、実は2種類存在する。そして、それらを合わせることで制御系が組みあがる。

制御工学を勉強し始めて間もないが、筆者は伝達関数に関してある違和感を覚えていた。そして、それは今日解決された。

まず1つの目の図を見ていただこう。これはよくある入力をモータ電圧、出力をモータ回転角速度としたブロック線図である。ここで注目してほしい点は、「目標」という言葉が使われていないという点である。一般的にブロック線図と聞くと、「目標」と「実際の出力」を思い浮かべるが、この図はただただ忠実に、電圧を加えたときの回転角速度の応答を書いているだけである。

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続いて2つ目の図を見ていただこう。注目してほしいのは、やはり「目標」という言葉が1つ目と違い、使われていることである。目標以外に「指令」などでもいいだろう。このブロック線図は、希望する位置(目標位置)を得るために、希望する速度(目標速度)を求めているが、これが「実際の出力」かと言われると、これはまだ「目標」のままであるから、「実際の出力」とは言えない。

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なぜこの問題に遭遇したのかと言うと、筆者はライントレーサーの位置制御を行うために、目標位置と実際の出力(実際位置)の関係性をブロック線図で書こうとしたのだが、モータの入力電圧や電流センサのフィードバックは、一体どこに書けばいいのか、わからなかったからである。そして、そうこうしているうちに性質の異なる2種類の伝達関数があることに気づき、最終的に次のようなブロック線図を書くことができた。偉い人間ではないため、正しいとは断定できないが、参考にしてほしい。☆の位置に制御器が来るのではないかと、予想している。

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もうお気づきだと思うが、一般的には左半分がコントローラで、右半分が制御対象である。コントローラに用いているのが後者の伝達関数で、制御器に用いているのが前者の伝達関数である。これをすべて合わせれば制御系と見なせる。目標位置から始まって、中央で目標・実際電圧を経由し、最終的に実際位置で終わるのが、特徴的である。

フィードバックや制御器を複数書くときに、どこに書けばいいのか市販の教科書ではわからなかったが、ようやくわかった。近々具体的な計算例についてUPしようと思う。

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