松永K三蔵

https://m-k-sanzo.com 「バリ山行」(群像24.3)「文一の本棚」…

松永K三蔵

https://m-k-sanzo.com 「バリ山行」(群像24.3)「文一の本棚」(群像23.10)他 群像新人文学賞優秀作「カメオ」(群像21.7)コンタクトは講談社 群像編集部までお願いします。note記事はサイトや旧Twitterの転載(一部変更)コメント非対応です。

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  • 書くための道具たち

    書くための道具です。

記事一覧

第171回芥川賞候補に「バリ山行」を選んでいただきました。感謝。関連記事、総集編!

「バリ山行」(群像3月号)です。単行本にしていただけるとのことなので、皆さん本屋さんでお手に取ってみて(買って読んで)ください。 今はあまり言うこともないので、…

松永K三蔵
1か月前
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デカダン文士シリーズ 其の壱 だいたい笑っている檀一雄

昨年9月、私は『群像』10月号の「文一の本棚」(講談社の文芸第一から出版された本から好きな作品をチョイスして書評)を担当させていただいた。なんでもOKということだっ…

松永K三蔵
2か月前
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「バリ山行」試し読みweb公開【講談社 現代メディア】

「バリ山行」(群像3月号掲載)の試し読み記事をつくっていただきました。本日、講談社 現代メディアの群像で公開されました。ありがとうございます。 「バリ山行」の冒…

松永K三蔵
3か月前
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『文學界』4月号 新人小説月評に「バリ山行」を取り上げていただきました。そして思ったこと

評者は渡邊英理さんと、宮崎智之さん。お読みいただきありがとうございました。 感謝の気持ちを込めて、文學界4月号の表紙を描いてみた。特に意味はないけれど。 渡邊英…

松永K三蔵
4か月前
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「バリ山行」の追い込み中にウサギに殺されかけた話

今月の群像3月に中篇「バリ山行」を掲載していただいた。さて、今回の原稿の校了まで、かなり慌ただしい進行だった。しかし原稿の締め切りが明後日に迫った週末、私は娘と…

松永K三蔵
5か月前
13

「バリ山行」が『群像』に掲載される前日、ちょっとAIに尋いてみた。

という訳で、2月7日、群像3月号が発売されて「バリ山行」が発表になった。その前日、ちょっと事件があった。 「山行」。登山に馴染みのない人はあまり聞き慣れない言葉だ…

松永K三蔵
5か月前
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「バリ山行」が群像(2024年3月号)に掲載されました。

中編小説「バリ山行」を群像3月号に掲載していただいた。 デビュー作の「カメオ」(群像新人文学賞優秀賞)に続く二作目。所謂、受賞後第一作だが、あれから月日は流れた…

松永K三蔵
5か月前
10

2024年 謹賀新年🎍

あけましておめでとうございます。 ちゃんとnoteをやりはじめた昨年。 多くの方に記事を読んでいただき感謝です。 先ほど、新年の書き初め(執筆)を終えて戻りました。ス…

松永K三蔵
6か月前
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WEB中公文庫 「私の好きな中公文庫」第27回にエッセイを書かせていただきました。

中公文庫いいですよね。好きです。改めて本棚を見ると結構持っている。そんな中央公論新社さんにお声がけいただいて書いた「私の好きな中公文庫」。 中央公論新社さんと言…

松永K三蔵
7か月前
9

絵金を観に行く 天王寺へ

(夏前に書いたサイトの記事です。) 今年の梅雨時、天王寺に絵金展を観に行った。あべのハルカス美術館。「幕末土佐の天才絵師 絵金」2023年4月22日(土)~ 6月18日(…

松永K三蔵
7か月前
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ルッキズム的なもの

流行りコトバというものは取り扱い注意だと思いながらも、指さきで摘み上げるようにして覗いてみる。するとそれらは大抵、既存の看板の付け替えで、実はそれほど新味がある…

松永K三蔵
8か月前
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「新潮」9月号の日記リレー企画に勝手に参加してみた。

例の如くサイト記事からの転載なのでタイムラグがある。まぁあまり細かいことは気にしないのがストレスフリーの秘訣。 タイトルそのままだが、依頼がなかったので勝手に参…

松永K三蔵
8か月前
9

手書きのスゝメ 書きあぐねている人へ

▫️「君は箸で湯豆腐が食えるのか?」 と言うことで、何も大袈裟に創作論を打とうというのではなくて、以前の記事で万年筆を紹介した行き掛かり上、手書きについて書い…

松永K三蔵
8か月前
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世界ゾンビ権宣言 後編 あたらしいゾンビ映画

前編☝︎のつづき 南米大陸におけるコンキスタドールのインディオに対する残虐行為の数々を告発したラス・カサス。しかし彼がインディオの労働力の代替として勧告したのが…

松永K三蔵
8か月前
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世界ゾンビ権宣言 前編 ゾンビは何故、容赦なく駆逐されるのか。

休みの前の晩はたまに、家族が寝たあとで私はオットマンに脚を乗っけてグラスを傾け、A・タルコフスキーなんかを観る。 なんてことはなくて、もっぱらアマプラでハリウッ…

松永K三蔵
8か月前
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書くための道具たち。ノート📔とか

書くための道具たち。シリーズの「万年筆 総集編」☟ を多くの人に読んでいただいたので その続編とも言うべき、ノートとか編。ノートとその他いろいろ。 書く道具も大…

松永K三蔵
9か月前
30
第171回芥川賞候補に「バリ山行」を選んでいただきました。感謝。関連記事、総集編!

第171回芥川賞候補に「バリ山行」を選んでいただきました。感謝。関連記事、総集編!

「バリ山行」(群像3月号)です。単行本にしていただけるとのことなので、皆さん本屋さんでお手に取ってみて(買って読んで)ください。

今はあまり言うこともないので、報せを受けた時の感じを描いて、置いておきます。さすがに慌てた。

ということで関連記事は↓

単行本は講談社から7/25頃に発売になるので、みなさんよろしくお願い致します。

松永K三蔵

デカダン文士シリーズ 其の壱 だいたい笑っている檀一雄

デカダン文士シリーズ 其の壱 だいたい笑っている檀一雄

昨年9月、私は『群像』10月号の「文一の本棚」(講談社の文芸第一から出版された本から好きな作品をチョイスして書評)を担当させていただいた。なんでもOKということだったので、私は群像文芸文庫の「昭和期デカダン短篇集」なんて時代錯誤のアンソロジーをチョイスした。

私は意図してデカダン作家を選り好んでいるわけではないが、私が心惹かれ作品は、何故か高確率でデカダン作家のものになるのだ。残念ながら、中には

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「バリ山行」試し読みweb公開【講談社 現代メディア】

「バリ山行」試し読みweb公開【講談社 現代メディア】

「バリ山行」(群像3月号掲載)の試し読み記事をつくっていただきました。本日、講談社 現代メディアの群像で公開されました。ありがとうございます。

「バリ山行」の冒頭は X (旧Twitter)にページ画像で公開されていたので、今回の試し読みは、冒頭ではなく「バリ」が何かわかる序盤のハイライトシーン。私も好きなシーンだ。

読んでいただければわかるが、ここでMEGADETHが出でくる。え? メガデス

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『文學界』4月号 新人小説月評に「バリ山行」を取り上げていただきました。そして思ったこと

『文學界』4月号 新人小説月評に「バリ山行」を取り上げていただきました。そして思ったこと

評者は渡邊英理さんと、宮崎智之さん。お読みいただきありがとうございました。

感謝の気持ちを込めて、文學界4月号の表紙を描いてみた。特に意味はないけれど。

渡邊英理さん。言語の共有性について書かれた冒頭の文章が非常に印象的だった。小説を書くことは、自己を掘り下げることで、それはどこまでも"たったひとりのわたし"の行為なのだが、"共有可能な普遍化"された「ことば」で書くというこはやはりどこかに他者

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 「バリ山行」の追い込み中にウサギに殺されかけた話

「バリ山行」の追い込み中にウサギに殺されかけた話

今月の群像3月に中篇「バリ山行」を掲載していただいた。さて、今回の原稿の校了まで、かなり慌ただしい進行だった。しかし原稿の締め切りが明後日に迫った週末、私は娘とウサギカフェに行く約束をしていたのだ。

娘よ、すまん。日本文学の為だ、今週は諦めてくれ。そう思って延期を申し出ようと思っていたが、妻から娘がとても楽しみにしていると聞いた。

でも俺はデカダン、無頼派だから(群像2023年10月号文一の本

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「バリ山行」が『群像』に掲載される前日、ちょっとAIに尋いてみた。

「バリ山行」が『群像』に掲載される前日、ちょっとAIに尋いてみた。

という訳で、2月7日、群像3月号が発売されて「バリ山行」が発表になった。その前日、ちょっと事件があった。

「山行」。登山に馴染みのない人はあまり聞き慣れない言葉だと思うけれど、これは「さんこう」と読む。

じゃあ、バリってなんだよ? という人は作品を読んでみてください。因みにバリ島の話ではないことは、先に断っておく。

ここ最近、九段さん(おめでとうございます!)の芥川賞受賞作『東京都同情塔』で

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「バリ山行」が群像(2024年3月号)に掲載されました。

「バリ山行」が群像(2024年3月号)に掲載されました。

中編小説「バリ山行」を群像3月号に掲載していただいた。

デビュー作の「カメオ」(群像新人文学賞優秀賞)に続く二作目。所謂、受賞後第一作だが、あれから月日は流れた。もちろんこればかりを書いていたわけではないが、この作品は、山をテーマに長編三本を書いて、混ぜて煮詰めて絞り出して、やっと出来た。ようやく機会が巡ってきて、この度発表。

山の話だが、これはいわゆる山岳小説ではない。お仕事小説だろうか。わ

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2024年 謹賀新年🎍

2024年 謹賀新年🎍

あけましておめでとうございます。
ちゃんとnoteをやりはじめた昨年。
多くの方に記事を読んでいただき感謝です。

先ほど、新年の書き初め(執筆)を終えて戻りました。スターバックスは年末年始も変わらず営業してくれてありがたいですね。

昨年は発表の機会はありませんでしたが、創作は旺盛に書いております。昨年はエッセイをいくつか書かせていただき、大変感謝でした。

「文学のトゲ」群像6月号
「文一の本

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WEB中公文庫 「私の好きな中公文庫」第27回にエッセイを書かせていただきました。

WEB中公文庫 「私の好きな中公文庫」第27回にエッセイを書かせていただきました。

中公文庫いいですよね。好きです。改めて本棚を見ると結構持っている。そんな中央公論新社さんにお声がけいただいて書いた「私の好きな中公文庫」。

中央公論新社さんと言えば谷崎。大好きな谷崎潤一郎。私の好きな谷崎潤一郎について、地元とも言える芦屋を絡めて書いて、ルポ風に写真も載せて頂いた。

怪物のように目が三つもあるiPhone15proで写真を撮れば、素人の私でも良い写真が撮れるだろうか、と考えたが

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絵金を観に行く 天王寺へ

絵金を観に行く 天王寺へ

(夏前に書いたサイトの記事です。)

今年の梅雨時、天王寺に絵金展を観に行った。あべのハルカス美術館。「幕末土佐の天才絵師 絵金」2023年4月22日(土)~ 6月18日(日)

ということで扉絵は、絵金の白描風自画像(サブ執筆マシーンとして導入したiPadで描いてみた)

あの絵金が来るとは。‥‥‥僥倖。コレってなかなか珍しいんちゃうん? なんて考えていると、高知県から絵金が出るのは半世紀振りと

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ルッキズム的なもの

ルッキズム的なもの

流行りコトバというものは取り扱い注意だと思いながらも、指さきで摘み上げるようにして覗いてみる。するとそれらは大抵、既存の看板の付け替えで、実はそれほど新味があるわけじゃない。

「ルッキズム」だってそうだ。それは故事にもあらわれているように、昔からそんなことへの問題意識がずっとあったわけで、逆にそんな視覚偏重の止み難い連綿が人間にはあるのだというゲン然たる事実こそが重要なのだ。

あんまり原理主義

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「新潮」9月号の日記リレー企画に勝手に参加してみた。

「新潮」9月号の日記リレー企画に勝手に参加してみた。

例の如くサイト記事からの転載なのでタイムラグがある。まぁあまり細かいことは気にしないのがストレスフリーの秘訣。

タイトルそのままだが、依頼がなかったので勝手に参加してみた。

「新潮」のこの企画っておもしろい。誰かの日記というのはおもしろい。こんなことを言っちゃなんだが、日記なので別にどうってことない。だけど何だかおもしろい。何もない日常にこそその人の個性が出ているからだろうか。

私は日頃から

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手書きのスゝメ 書きあぐねている人へ

手書きのスゝメ 書きあぐねている人へ


▫️「君は箸で湯豆腐が食えるのか?」

と言うことで、何も大袈裟に創作論を打とうというのではなくて、以前の記事で万年筆を紹介した行き掛かり上、手書きについて書いてみる。

記事☟

私などの創作術は全くアテにならないが、しかしもし、書きあぐねている人がいれば、これもひとつの事例として参考にしていただければと思う。

手書きへのこだわり、と言うよりも(少なくとも私の場合)初稿は手書きでなければな

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世界ゾンビ権宣言 後編 あたらしいゾンビ映画

世界ゾンビ権宣言 後編 あたらしいゾンビ映画

前編☝︎のつづき

南米大陸におけるコンキスタドールのインディオに対する残虐行為の数々を告発したラス・カサス。しかし彼がインディオの労働力の代替として勧告したのが黒人奴隷貿易だ。--根深い。

奴隷貿易。欧州列強はアフリカ大陸に住む人々を獣のように捕まえ、あるいは取引し、寝返りすら出来ない棚に押し込み、奴隷船で植民地に送り続けた。排泄物垂れ流しで、病気になろうが死のうがお構いなし。つまり完全にモノ

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世界ゾンビ権宣言 前編 ゾンビは何故、容赦なく駆逐されるのか。

世界ゾンビ権宣言 前編 ゾンビは何故、容赦なく駆逐されるのか。

休みの前の晩はたまに、家族が寝たあとで私はオットマンに脚を乗っけてグラスを傾け、A・タルコフスキーなんかを観る。

なんてことはなくて、もっぱらアマプラでハリウッド映画だ。ハリウッド映画は最高だ。そんなハリウッド映画のオープニングで流れる制作会社のロゴムービー。あれがまた良い。

ビルの屋上で照らされた20thFOXとか、星が流れるパラマウントの山峰とか、MGMのライオンの咆哮だとか、あと自由の女

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書くための道具たち。ノート📔とか

書くための道具たち。ノート📔とか

書くための道具たち。シリーズの「万年筆 総集編」☟ を多くの人に読んでいただいたので

その続編とも言うべき、ノートとか編。ノートとその他いろいろ。

書く道具も大事だけど、書かれる道具も同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に大事。

万年筆に憧れて、使ってみたはいいけれど、紙に滲むし、なんか文字太いし、裏に抜けるし、というのは、だいたい紙が悪い。
※因みに日本語を書く場合、漢字はアルファベッ

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