あと2ヶ月耐えられるのか

11月に結婚する予定である。

絶賛マリッジブルーである。
夫となる人の家族からは職業と底なしの食欲、好き嫌いのなさ以外褒められたことがない。当然である。食事に行く度にご両親や相手の妹(私の一つ下なのにとてもしっかりしている)が非常に良く気を遣って面倒を見てくれるのだが、当の私はぼんやりと飯を食うばかりでまともな姿を一度も見せたことがない。さぞ向こうのご家族は心配していることだろう。

顔合わせの場でも私はその無能っぷりを発揮し、飯を食いトイレに行く以外のことは何ひとつしなかった。相手の母親が「この子はきょうだいの中で一番しっかりしている」と褒めていた(私はその時飯を食うことに集中しており何も聞いていなかったので後から母に知らされた)のにどういうわけかうちの両親は私の良いところを何一つアピールしていなかった。否、できなかったのであろう。

私がまともに喋らないのは己の偏屈さを自覚しているからである。酒でも飲めば少しは喋れるだろうが、どえらい皮肉を言ってしまったらと思うとひたするノンアルコール飲料を飲んで黙っているか適当に相槌を打つのに徹した方がマシなのだ。

胃袋の容量に期待されるのもなかなか辛いものがある。前なんか居酒屋で大量の唐揚げを頼まれてしまった。確かに食材の好き嫌いはないが、私は基本あっさり薄味派で脂っこくて濃い味のものはそこまで好きではない。ハイボールなんかあれば良いんだが、前述の通り相手の親の前ではアルコールを避けているのでそれも難しい。ついでに言うと私はドレスを着るために地味にダイエット中である。「味つけされてない生野菜を食いたい」という思いを押し殺し、必死に唐揚げを頬張ってその場はなんとか凌いだ。

夫となる人は非常によくフォローしてくれている。私がご両親と極力接しなくてもいいように、私の印象が悪くならないように立ちまわってくれている。当然、私の家族からも非常に信頼されている。
それゆえ私の無能さが一層引き立ち、まあ、苦しい。

かかりつけの医師からは「気難しいと思われたっていいじゃないですか、むしろその方が楽でしょ」と助言があった。あ、私ってやっぱ人から見ると気難しいタイプなのね、と複雑ではあったが、それを言う医師も相当偏屈な性格なので不思議と安心感があった。若干disられた方が楽なのはなんでなんだろう。

とはいえここ最近の苛立ちや落ち込み、焦燥感はそんなもんじゃ治らないので抗うつ剤が処方されたのだがこれがまあ良くない方向に効いてるらしい。

まずとにかく眠い。不安に効く薬だというので、ちょっとリラックスするとプツンと緊張が切れて寝てしまう人がいるのだという。帰るとすぐ眠ってしまうので夏から続けていた筋トレもサボり気味になってしまっている。
そして食欲がわかない。私の食欲がなくなったのなんか犬が死んだ時ぐらいなのでこれはなかなかびっくりした。痩せると思いきやなぜかめちゃくちゃ偏食になってしまっているのでかえって太りそうで不安だ。

ドレスでの撮影予定は12月である。あと2ヶ月、私の体型は保たれるのか、抗うつ剤は減るのか、まじで向こうの家族にどう思われてるのか、乞うご期待あれ。

これが一番痩せてた時の写真になるかもしれないのでドレスを試着した時の写真を載せておく。
12月まで保てていたらまた載せます。

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