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6.12_この時間が永遠に続いてほしいと思った

 日本代表観戦デビューが、この試合でよかったと思った。最後の10分間は「ずっと見ていたい」と思った。ヘトヘトの選手の皆さんには申し訳ないけど。ノーサイドの直前、黒いジャージの全員が一列に並んでキックチャージに跳びだした。そして試合終了。結果的に日本代表が勝利して安堵したけど、どちらかといえば、奇跡的に再結成されて今回限定のサンウルブスを応援していたかな、と思う。「どっちも応援」が楽しかったから、初めての日本代表戦がこの試合でよかった。

 2019年W杯からラグビーの虜になった私は、正直、サンウルブスの試合をライブで見ることはできなかった。2020年にチケットを買って秩父宮に行く予定が、コロナで中止。一度でいいから見ておきたかった。Jスポーツで過去の試合を見ながら、毎シーズンメンバーが大きく変わり、長距離の移動に耐え、強靭な相手と真っ向勝負して、試合後はヘロヘロになっているサンウルブス。勝てる試合はほんとに少なくて、それでも日本で開催されると満員のお客さんが狼ポーズで応援する、そんなドラマに惹かれた。私自身、熱狂する前に終わってしまって、私の中では憧れがずっとあった。そこにやってきた観戦のチャンス。もちろん過去のメンバーではないし、ある意味、桜のジャージを着られない選手たちだ。彼らはサンウルブスの名前の元に集まって、そしてすごくいい戦いぶりを見せてくれた。

 初めてのエコパ。初めての代表戦。会場の雰囲気はとってもよくて、キックオフ1時間前にはもうほとんどの席が埋まっていた。2019年から受け継いだ日本代表のジャージのお客さんが多かったが、サンウルブスのジャージや応援グッズを持っている人もけっこういた。ビールは飲めなくても、声は出せなくても、もらったハリセンで大きな音を出して試合前から盛り上がる。ドキドキワクワク・・・。さあ、始まる。カウントダウン。会場のハリセンがちょっと揃わなかった(笑)

 固さが目立ってなんとなく動きが悪かった日本代表に比べ、サンウルブスは、いきいきと試合を楽しんでいるのが伝わってきた。隙あらば走り、キックし、そしてまた走る。笑顔もあちこちで見られた。トライを決めるとみんなが走り寄って抱きしめて頭をたたく(私が好きなシーン)。ほんとに楽しそう。後半は立て直した日本代表が確実に試合を進める。日本代表は派手さはないけど、きっちりと試合を運んでいく。そんな日本代表に、次々と襲い掛かる狼軍団。今回は特別ルールで選手の入れ替えは自由。サンウルブスは目まぐるしく選手が入れ替わり、それはそれで楽しかった。「あれ?でてるじゃん」「いつの間に変わった?」そんな声がちらほら聞こえる。「3回目の出場です!」というアナウンスもおもしろい。選手も忙しいだろうな。日本代表に勝ってもらわないといけないんだけど、サンウルブスのドラマをどうしても応援したくなる。周りの人もなんとなくサンウルブス応援に傾いている感じだった。

 そして残り10分。気づけば日本代表が大きく逆転。あと10分間。ずっと見ていたかった。というか終わってほしくなかった。80分を過ぎて、最後は黒いジャージ全員が一列に並んでキックチャージに跳びだす。そして試合終了。現地ではわからなかったけど、あとからTwitterで、跳びだす瞬間、サンウルブスメンバーがみんな笑顔だったことがわかってウルウルしてしまった。あの写真、素晴らしいです。

 2019年のラグビー熱は冷めてなかったと思う。ラグビー界としては不運な2020年、そして2021年のトップリーグ開幕だったけど、ファンはずっと待っていたんだね。欧州遠征は一緒に戦ったサンウルブスの分まで頑張ってほしい。それにしてもサンウルブスの復活はないものだろうか。企業や大学に属さないという意味でとても貴重だったと思うし、ある意味、応援しやすかった。急ごしらえのチームづくり、過酷な移動、なかなか勝てなくても果敢に挑み続けるサンウルブス。いつかどこかで復活してほしいと願う。

 


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