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【新刊紹介】マッチ売りの少女フレア(小説)

5/19(日)に開催される文学フリマ東京38まであと4日‼️

ネタバレしないように、出品する小説の紹介をしたいと思います。

今回は3冊の本と2パターンのフリーペーパーを頒布(=販売したり無料配布したり)するのですが、そのうちの一冊「マッチ売りの少女フレア(小説)」を紹介します。

あらすじ

175年前の北欧デンマークで、大晦日の雪の日にマッチを売り歩く少女がいました。

寒さに凍え、マッチを擦って幻影を見る少女。彼女が見たものは、暖炉やクリスマスのご馳走など、彼女自身の「願望」でした。

そして最後に現れた「おばあちゃん」。私たちが知っている「マッチ売りの少女」は、大好きなおばあちゃんに抱かれ、天国へと召されていきます。

ここまでは有名な「マッチ売りの少女」と同じですが、ここからは私のオリジナルストーリーとなります。

「少女よ、聞きなさい。今お前は己の夢を実現する創造の能力を体得した」
 おばあちゃんの声は、低い男の声だった。姿はおばあちゃんなのに。

マッチ売りの少女フレア 序章「転生提案」P.7より

「神との対話」という、突然神と対話できるようになった人の本(いわゆるスピ系)があるんですが、それのオマージュでもあります。

こんな感じで、「おばあちゃん」だけれど「おばあちゃんではない何か」に出会った少女は、彼(彼女)の提案で現代日本に転生することになります。

転生先の日本で、マッチ売りの少女は「真知売フレア」と名乗り、セミナーを開催するスピリチュアルリーダー(怪しさ満載)となっていました。

参加者に瞑想してもらい、最後にフレアの持っているマッチを擦ると、本人の実現したい夢が見えてくるという「夢を叶えるマッチ」を売りにしています。

そしてセミナーを開催し、フレアが前世で会得した「願望が可視化できる能力」を、現代日本で「何がやりたいのかわからない」と悩んでいる人に対して提供しているのです。

世間からの評判はあまりよくありません。特に、「やりたいことは見つかったけど結局叶わない」という、参加者からの不満がちょこちょこSNSに書き込まれます。

対策を講じるべく、今まで一人一度きりの参加方式だったセミナーを見直し、アフターケアサービスを始めることにしました。

そこに応募してきたのが社会人になって間もない青年「風谷秀也」です。(私は彼を、フレアと並んでもう一人の主人公として描きました。)

フレアは秀也の状況をヒアリングして、「マズローの五段階欲求説」という社会心理学のフレームを使って、問題を指摘します。

(なんとなく雰囲気で読んでください)

「今のお前は第四段階の承認欲求や第五段階の自己実現欲求を考える段階じゃなく、第三段階の所属欲求を考える段階じゃないのか?」

マッチ売りの少女フレアより

マズロー理論の細かい説明は本作に譲るとして、秀也は自分が現実逃避のために「夢探し」をしていたことを自覚します。

そして秀也は、夢を探すことはいったん保留にして、今の仕事にきちんと向き合ってみることにします。フレアも助力を惜しみません。

秀也はフレアから、フレアは男の声の「おばあちゃん」から、それぞれアドバイスをもらう形で話は進んでいきます。

途中、お坊さんの「念順」から般若心経の解説を聞いたり、秀也の幼なじみ「絵梨寿」と再開したり。

やがて、秀也の夢の中だけで思い出せる「前世(戦国時代)」が明かされていき、今の人生で何をやるために生まれてきたのかという、秀也自身の「願望(夢)」もだんだん固まっていきます。

クライマックスは、フレア自身が、前世から抱いていた夢を叶えていくことになります。

こちらの小説は5/19(日)に開催される「文学フリマ東京38」で500円で出品します。
文字数はあとがきを合わせると10万文字くらいです。

問題は、メインの作品がノンフィクションなので、ノンフィクション部門のブース【V-22】で出店することでしょうか。

小説しか買わない方にはブースの位置的にも見つけてもらえない可能性も高いのですが、こうやってちょっとでも告知をして、一人でも多くの方に届けられたら嬉しいなと思っております。

私としては、不幸に終わった「マッチ売りの少女」のエピソードと結末を、私なりに納得のいく形で作り変えられたと自負しております。

少しでも興味を持ってくださった方は、見本誌コーナーと個人ブースで見本を置く予定なので、文学フリマの会場で是非お手に取って目を通して頂けたらと思います。

それでは当日お会いできることを楽しみにしております。
(о´∀`о)

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