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全クリエイターに告ぐ。

私はいま、猛烈に興奮している。

ハッセルブラッドが提供しているレンタルスタジオサービスの充実度が、「お・も・て・な・し」どころの話でないほどに素晴らしいのだ。

SNSが全世界的に広まり、Youtuberが急増し、あらゆる人が「クリエイター」となった時代において、「写真」はあたりまえの表現手段となった。筆者としては「写真」というより「画像」と呼びたいこの表象系を使いこなせないことには、ネット世界で市民権を得る事は不可能といってよいだろう。
カメラ人気というのは高まっており、デジタルからフィルム、スマートフォンといった多機能機種まであらゆる形でカメラが消費されている。グラフィックの時代において、カメラは人類必須のツールとなったのだ。

前置きはさておき、そういったあらゆる(アマチュア)クリエイター、さらには「普通の人」にもおすすめのサービスがある。ハッセルブラッドが提供している撮影機材付きレンタルスタジオ(2000円/時間)だ


カメラオタクではない人に向けて、「ハッセルブラッド」という会社について軽く補足しておこう。
来年で創業80周年を迎えるスウェーデン発のこの老舗カメラメーカーは、高い技術力によって世界的な評価を受けてきた。最も有名なのはアポロ11号計画によって撮影された写真だろう。

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〈出典:https://www.nasa.gov/apollo11-gallery〉

アポロ11号計画のあまりに有名な写真群はみな、ハッセルブラッドのカメラによって撮影された。間違いなく、世界最高峰のカメラメーカーなのである。
もちろん、メーカーによって個性や得手不得手があり、ハッセルブラッドは主に中判カメラの製造をしている。

中判カメラの補足説明もしておこう。
現在のカメラの主流センサーサイズは35mmフルサイズ(36.0mm*24.0mm)である。これは35mmフィルムの規格に沿ったものであるのだが、センサーサイズは35mmだけではない。カメラを購入しようと製品情報を見た人ならば目にしたことがあるであろう、APS-C(23.5mm*15.6mm)、マイクロフォーサーズ(17.4mm*13.0mm)など様々だ。便宜的に単純化するが(け、決して説明できないからではないぞ)、センサーサイズが大きい方がきれいに写ると考えて良い。
多くのカメラメーカーは35mmフルサイズを最上位機種とし、そこからセンサーサイズを小さくして携帯性や価格差をつけている。
ただ、35mmフルサイズよりも大きなフォーマットもある。それが「中判」だ。(なぜ35mmがスチルのスタンダードになったかという話も奥が深いのだが、ここでは割愛)
これも、フィルム時代(120フィルム/ブローニーフィルム)の呼称が引き継がれているものだ。光を受け取る場所がより大きいため、美しく繊細に描写される。
要するに、中判のデジタルカメラとは、一般的なデジタルカメラよりも綺麗に撮れる(その分、高くて重い)変わり者カメラなのだ

やっと本題に戻る。
その何百万円もする超高性能超高級カメラと、ストロボやソフトボックス(照明)、背景紙などスタジオ撮影に必要な機材が全て揃ったレンタルスタジオが2000円/時間(税別)で使えてしまうサービスが、先に紹介したものなのである。

そして、すでにお気づきの方もいるかと思われるが、このサービスのキモはカメラだけではない。「機材付きのレンタルスタジオ」という点が、また恐ろしいのだ。
時間のある方は、ぜひ都心のレンタルスタジオの相場を調べてみてほしい(Hasseblad Store Tokyoは原宿)。まず2000円/時間で借りられるところはないだろう。あったとしても相応の質を覚悟しなければならない。場所代として考えても破格であるのに、撮影機材とカメラもつけちゃうなんて、正直頭がどうかしている。カラオケだってもっとするだろう。
もちろん、ストア併設のため、専門のスタジオに劣る部分は多くあるだろう。ハウススタジオ(家具や小物が設置され、自然光が使える)ではないし、ホリゾントスタジオ(自然光を遮断し、完全な人工光によってライティングする)としても不完全だ。しかし、デメリットを差し引いて余りあるメリットである。

(不完全であっても)スタジオで撮影できるというのは実はカメラに不慣れな人にとって大切なことである。
ロケ撮影(野外撮影)というのは天候等の不確定要素が多く、望みの写真を撮ることは難しい。スタジオ撮影は撮影環境をコントロールできるというのが最大の利点だ。機材さえあれば、写真において最も重要な「ライティング(光)」からはじめ、あらゆる環境を整えられる。いつでも(誰でも)同じ写真が取れるのである。(参考:https://youtu.be/BCxty3MZBk4)
ただ、スタジオというと敷居が高く思われがち…。そんな人に朗報。ハッセルブラッドのレンタルスタジオは、初回はレクチャー付き3時間無料で利用できるのだ。いや、もうほんとに、どうなってんのこのサービス。
玄人だけでなく、初心者もガツガツ利用できる(利用すればするほどカメラも上手くなる!)システムは魅力にあふれている。

最後にもうひとつ魅力のダメ押しをしよう。
冒頭に「あらゆるクリエイター、さらには「普通の人」」と書いた。これまでは、モロよりのやや、カメラに興味を持つ人向けの記述であったが、「カメラって難しそう」「高くて買えない」「スマホで充分」なんて人もいることだろう。それでもなんとかここまで読んでくれたあなた。もちろん、あなたにもおすすめなのである。
同じく冒頭に述べたとおり、いまや「写真」「画像」はカメラを趣味とする人だけでなく、あらゆる人にとって必要なものである。コスプレをする人やインディーズバンドを組んでいる人、動画制作をする人、いろんな場面で「写真」「画像」が必要になってくる。
そんなときにスマホで済ませてしまったり、中途半端な機能のカメラを購入したり、人を雇ったりするのは非常に賢くない選択である。
宣材やサムネイルはファーストインプレッションになる。その素材を、スマホより何倍も整った環境で、カメラを買ったり人を雇うより何倍も低いコストで作れるのだ。これを利用しない手はないだろう。
人に撮ってもらうときとは異なり、自分で撮ったものであれば元データを保存していつでも好みのリタッチをかけられるのも見逃せないメリットだ。元から持っていればそれで良し、持っていない人はこれを機にLightroomやPhotoshopを導入するのをおすすめする。グラフィックの時代においては、確実にお値段以上の能力を持っている。筆者は音楽や映画のサブスクと同じ感覚で使っている。生活必需品のようなものだ。

どんな用途だって恥ずかしいことではない。たとえば、就活・転職活動で必要な証明写真もここで撮ることができる。頼むよりもはるかに安く、元データも所持でき、オンライン面接で応用可能なライティング技術も学べてしまう。他所で衣装をレンタルしてくれば、七五三や結婚等の記念写真も撮れるだろう。どうしても技術に不安があるなら、カメラに詳しい友人を呼ぶのも良い。


ここにきてのカミングアウトだが、筆者はまだこのサービスを利用したことがない。あまりにも素敵サービスすぎて、見つけてそのまま鼻息荒くこの記事を書いている。
そのため、サービスの詳細についてはここで記述できない。赤いバラには棘があるように、思わぬ落とし穴があるかもしれない(むしろあってほしいくらいに文句なしのサービスだが…)。
このような社会資源を多くの人が適切に享受できることは、文化的に健全であると筆者は考えている。その場を提供してくれているハッセルブラッドはすばらしい企業だと思う。
営業時間や利用方法については、昨今の事情から変則的な可能性がある。各自HPで確認していただきたい。

いろいろと大変な時期ではありますが、より多くの人が充実した時を過ごせるように祈っています。



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