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情シスに社内留学生がやってきた。

弊社には、「社内留学制度」という制度があります。
従業員が希望すれば、どこの部署でも1か月体験勤務できるという制度です。(会社側には拒否権なし)
その制度を使って、情シスに社内留学生がやってきました。

社内留学制度自体あまり使われない地味な制度な上、情シスという“地味”かつ”何をやっているか分からない”というイメージの情シスに、まさか留学生が来るとは思わず、一体何をしてもらったら良いのか分かりませんでしたが、なんとか乗り切ったので記録しておきたいと思います。


■ゴール設定

まずはゴール設定から。
社内留学はとても良い制度ではありますが、送り出す側は人員減となり、受け入れ側は今後の戦力にならない人への教育コストが発生します。
なんとなく1ヶ月終わっちゃったとならないようにゴールを設定しました。

ゴール1:社内留学生に満足していただく
当たり前ですが、希望して来ていただいた方に満足して帰っていただくことを第一のゴールとしました。

ゴール2:情シスの仕事の理解
「何をする部署か」よりも「どんなことを考えて、何を実現しようとしているのか」という部分を中心に伝え、現場に帰ったあと情シスの理解者になっていただきたいと考えました。

ゴール3:社内留学生のスキル向上
これはちょっとおこがましいなとは思ったりもしましたが、来てくれたのが20代の方だったため、今後どの部署でも使えるスキルを身に着けてもらえたらと考えました。

ゴール4:送り出し部署への還元
これもどうかなと思うゴールですが、人員減となっても送り出してくれた部署へ何か還元したいと考えました。

■計画

設定したゴールをもとに、具体的な計画を立てていきました。

①IT資産管理
PC、スマホのキッティングを実際に体験。
キッティングを通して、IT資産管理の仕組みについて説明。

②ITインフラ管理
サーバー・ネットワークについて座学。
サーバーリプレイスのベンダーとの会議に同席。
特に設計思想について理解してもらう。

③情報セキュリティ
情報セキュリティーについて座学。
(社内ルールを事例で紹介+小テスト)
社内向けセキュリティ教育資料の作成、配布。
標的型攻撃メール訓練の計画・実施。(仕掛ける側)

④基幹システム
座学。
サーバーリプレイス時に連携テストを行うため、テスト計画・テストに参加してもらう。

⑤業務システム
社内ツールカオスマップ(*)を使い説明。

⑥ヘルプデスク
実際に来た問い合わせに対して、一緒に解決法を考える。

⑦IT戦略
チームミーティングに参加してもらう。

⑧Teamsの使い方をマスター
連絡や情報共有をTeamsを使って行い、Teamsの使い方をマスターする。

⑨アウトプット
知識の定着のため、日々覚えたことを文章にする。

⑩自部署の課題をITを使って解決
自分で課題を抽出し、自部署の課題をITを使って解決することに取り組んでもらう。
これは自身のスキルアップと送り出し部署への還元が同時にできると思い設定しました。

*社内ツールカオスマップについては以下を参照。
 とっても素晴らしい記事です。

■スケジューリング

これはやったほうが良かったのでしょうが間に合いませんでした。

■実際に受け入れてみて

実際来てくれたのは、基本的なITリテラシーがありモチベーションもコミュニケーション能力も高い方でしたので、計画よりもさらに踏み込んだ内容に取り組んでいただき、かなり助かりました。

例:
・キッティングマニュアルの改訂
・基幹システムの連携早見表の作成
・社内でPC不調による問い合わせが多いため、Formsでの現状調査の実施
・実用性が分からず保留していたツールの検証   などなど

また、1つ1つの仕事に対して「どのようなロジックでそのような結論を出したのか?」「従業員に求めることは何か?そのために自分たちは何ができるか?」のような表に出ない部分を常に丁寧に伝えるようにしました。

少しは思いが伝わったかなと思います。

■まとめ

従来は異動が決まる前にテスト的に使われることの多かった社内留学制度ですが、最近はスキルアップや他部署理解の為に若手を中心に使われることが多くなってきました。

縦割りになりがちな組織ですが、部署間のコミュニケーションが活発化していく予感がしてワクワクしています。

最後に、社内留学生受け入れにあたり相談に乗っていただいた情シスSlackの皆さん、ありがとうございました。

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