非IT系中小企業のDX戦略

結論から書くと、弊社ではDX推進を行わないことになりました。
どういうことか、順を追って説明したいと思います。

きっかけは総務部長

「当社もそろそろDXに取り組まなければいけませんので、考えてください。」

きっかけは総務部長の一言でした。
「いやいや。DXというのは情シスが進めるものではなく、経営陣主体でやるものなんですよ。」と説明しても納得してもらえず、「とりあえず私個人が考えるDXについて経営陣にプレゼンしますね。」ということでその場は収めました。

そもそも「DX」って何?

経済産業省の定義によると

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

となっています。

はい、正直意味がよく分からなかったので、まずは世の中でどんな解釈をされているか調べてみることにしました。

いろいろな方の解釈を参考にさせていただいたのですが、その中で一番しっくりきたのが、元日清食品CIOの喜多羅滋夫さんが考える以下のDX定義でした。

デジタルを活用して、今ある事業の中での課題や生産性を上げていくこと。
・事業の課題は何かを明確にして可能なところから着手する
・省力化・自動化で従業員がやるべき仕事に注力できるようにする
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01698/062100001/

DXを調べていくと必ず出てくるのが「それはデジタル化であってDX(変革)ではない。」という言葉です。
どうしても、Uber EatsやGoogleを目指さなきゃDXじゃないのかと悩んでしまうんですよね。

その中で、同じ製造業だった喜多羅さんの言葉はスーッと入ってきました。
(「人は見たいものしか見ない」状態なのは否定しません(笑))

というわけで、弊社のDXの定義は
「経営理念(会社のミッション)をデジタルの力を使って高めていく。」
と定めてみました。

具体的なDX施策

次に決めた定義に沿って、必要な施策を書き出してみました。

データの利活用
意思決定のためのデータがそろっており、すぐに取り出せる状態にする。

プロセスのDX
弊社は製造業なので、プロダクトのDXというよりはプロセスのDXに注力する。

IT人材の育成
ITの専門家ではなく「業務をITを使って改善できる専門家」を育成する。

(本当はもっと細かいですが、社外秘情報になってしまうので省略しています。)

すべて動き出している

改めて書き出した施策を見てみると、実は弊社ではすでに動き出していることばかりでした。

つまり、DXで取り組むべき事項が各方面で始まっており、あえて「DX推進」という形をとる必要がない状況であることが分かりました。

また、「DX」という言葉を使うことで本質を見失いそうなことから、経営陣とも相談し「DX推進を行わない」という結論に達しました。

まとめ

何が言いたいのかというと、DXの定義に当てはまっているかどうかなんて関係なくて、きちんと会社が変化し続けているのであればそれで良いのだと思います。

もちろん今の時代、デジタルを使わずにスピード感を持って変化するのは難しいので、必然的にDXしてることにはなるのではないでしょうか。

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