ドラマと原作の分岐を探る~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい第2話編~

 こんばんは。『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』略して『チェリまほ』のドラマをより深く理解することを目的に、ドラマと原作の違いを探っていきたいと思います。

 ……と、前回(第1話)のときに書いたのですが、第1話のドラマの書き出しを6500字やった割には3000字程度で収まってしまったので、もう少し丁寧(?)にやろうかな、と思っています。

 前回の記事はこちらです。

 前回上げた内容が今回どうなっているかも踏まえて書いていきたいと思います。今回はドラマの第2話までと、原作の第1巻の第2話、第3話のネタバレがありますので、ご承知おきください。

第1話までで上がった違いについて

 前回上がったのは下記のとおりです。第2話を見た印象を書いていきます。

安達が純粋:比較的純粋なままのような気がします。
安達が極度に優しい:これも現状維持のような気がします。
黒沢が安達のことを「可愛い」と言わない:現状維持ですね。
安達の自己評価が低すぎる:こちらも現状維持ですね。
安達の自己評価の低さを黒沢が気にしている:浦部さんとの会話で感じました。
安達の適応能力が異様に高い:これは2話ではわからなかったですね。まだ1日しか経ってないですしね……
想いの描写が丁寧:これは2話でも感じました。
黒沢の押しが強い:浦部さんとの会話で少し推しの強さを感じましたね。

 さて、新たな違いは上がるのでしょうか。違いを探していきたいと思います。

ビビり具合が強調されている

 第2話冒頭で安達が黒沢の家を目の前にして【どうしよう、いざ家の前まで来たら怖くなってきた】と怖がる様子があります。原作第2話(ツイート⑤)冒頭でも【本当に泊まって俺大丈夫かな……何かされたりしないよな】と逡巡していますが、ドラマでは更に【黒沢、俺に何を求めてるんだ?】【はっ、まさか襲われる!?】【それは黒沢に失礼】と怖がっていることを強調されているように思います。

 原作ですと以下のツイートの1ページ目です。

黒沢が安達のことを「可愛い」と言わない(再掲)

 原作では【安達が着たら可愛いだろうなと思って妄想用に買っておいたパジャマがまさか役に立つとは……】というように「可愛い」と言っているのですが、ドラマではここは【こんなご褒美いいのか】【安達に似合うと思って買ったパジャマをマジで着てもらえるとは、眼福間違いなi】と思うだけで「可愛い」という言葉は使っていませんでした。

 ちなみに原作ですと、上のツイートの4ページ目です。

黒沢が安達に接近した時に怖がらずドキドキしている

 安達が狸寝入りをしたときに黒沢が大接近するシーンで、原作では黒沢が何をするか分からず怖がるのですが、ドラマではその描写が黒沢家の前で描かれているからなのかわかりませんが、【やばい、やばいやばいやばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい】というだけであまり怖がっている描写がなく、最終的には【俺何でこんなにドキドキしてんだ!?】と怖がっていたドキドキではなく、恋の意味でのドキドキをしていたかのように描かれています。(怖がっていたなら「何で」とはならないと思うので恐らく恋のドキドキの意味だと想像します)

 あと、原作ではキャパオーバーのあまり【何で何もしなかったんだろう】と密かになにかされることを期待しているような描写がありますが、ドラマでは、それはありませんでした。(はっきりとは描かれず、【ドキドキしてんだ!?】で暗に表しているのかもしれませんが……)

 原作では下のツイートの3ページ目です。

柘植が童貞を揶揄しない

 これは豊田先生のインタビューで書かれていましたが、豊田先生から「BLや童貞を揶揄するような表現はしないでください」というリクエストがあったからかもしれませんが、柘植が原作では「童貞ってやつは拗らせると恐ろしいな」と言っていますが、ドラマではそれがなく「仕事、そんなに辛いのか」に変わっています。

 豊田先生のインタビュー記事はこちらです。

 原作は以下のツイートの1ページ目です。

安達の自己評価が低すぎる(再掲)

 安達・黒沢・浦部・六角の4人の会話のあるシーンと似たシーンが原作の第3話にあるのですが、原作では黒沢に手伝ってもらったことについては軽く言う程度ですが、ドラマでは「結構手伝ってもらった」と言っており、あまり自力でやっていないような言い方になっています。やはり自己評価の低さが強調されているように感じます。

 原作では以下のツイートの2ページ目です。

安達の自己評価の低さを黒沢が気にしている(再掲)

 上と同じシーンで安達が謙遜しすぎた後に黒沢が険しい表情をして安達を見ています。口で言っていませんが、やはり黒沢は安達の自己評価の低さを気にしているのではないか、またその自己評価の低さのせいで安達を頼りないと言う浦部が許せないのではないか、だからその後に「僕は」「彼の仕事を信頼してるんです」「安達はどんな仕事でも丁寧にやり遂げます」「先輩が一番よくわかってるんじゃないですか?」と言ったのではないかと思います。

 原作では上のツイートを見ていただくとわかりますが、黒沢の険しい表情はなくずっと笑顔です。

黒沢の想いの描写が丁寧(再掲)

 安達が黒沢をただの同期と考えるところから、残業で残っている安達を待っていた黒沢が資料を渡そうとして資料を散乱させてしまうシーンは恐らく原作では1巻の第3話に当たると思われるのですが(違ったらすみません)、原作では黒沢は【……本当夢みたいだ。これでまた安達と飯に行く口実ができた。俺めちゃくちゃツイてるわ。すげー好き。すげー幸せ。今日はもう帰りたくない。帰したくない】というのですが、ドラマでは【どんな形でもいい。安達に会いたい。声が聞きたい。できれば笑ってほしい。これ以上は安達も望んでない。そばにいられるなら、俺は同期でいい】と丁寧に気持ちを表現しているように思います。よく言えば原作は素直で、ドラマは物分りの良い子の感じで、悪く言えば原作は愚直で、ドラマは気持を無理に抑えているような、そんな辛さがあります。黒沢の思いが丁寧だと書いたのですが、どうもこの辺りから原作とドラマの黒沢の思いの違いが出ているように思います。

 原作では以下のツイートの3ページ目です。

安達の黒沢からの思いの受け止め方が前向き

 原作では上の黒沢の思いを聞いた後、安達は黒沢の気持ちに応えることに臆病になってしまいます。もしかすると柘植に相談する前だったから逃げたのかもしれませんが、いや、原作の安達はこの段階では素直に受け止めて相手に応えることは、いずれにせよ、できなかったかもしれません。一方ドラマでは、黒沢のことを放っておくことができなくなり、ご飯に自分から誘おうとします。応援したくなるようなひたむきさがあるように思います。

 原作では以下のツイートです。

終わりに

 前回と被った部分があったものの、あまりボリュームは増えませんでした……。しかしこれで安達と黒沢の原作とドラマとの性格の違いが徐々にわかってきた気がします。

 ドラマの安達:陰キャでビビリだが、人の好意を素直に受け止め、応えようとする健気さがある。ただ、自己評価が低く、周りにも頼りないと思われている(だが第2話の黒沢の言葉で印象は変わったと思われる)。後、日々のルーチンは現状維持になるようにしているが、自分が驚くようなことがなるべくないよう、適応能力がある。

 原作の安達:陰キャでビビリだが、人の好意は素直に受け止められず、甘えられない。逃げがち。ただ、あまり頼りない感じはない。日々を同じように過ごしており、適応能力が特別あるようには見えない(例:満員電車)。

 ドラマの黒沢:文武両道爽やかイケメンで優しく話も楽しいが、安達の自信のなさや自己評価の低さが気になっており、ポーカーフェイスが崩れるほど表情が豊か。なぜかホクロについては興奮していたが、心の声では基本的に安達に対して真面目で紳士。ただ、第1話では押しが強かった。

 原作の黒沢:文武両道爽やかイケメンで優しく話も楽しい。安達を前にすると心の声の語彙を失いがちだが常に笑顔のポーカーフェイス。押しは普通。

 後は、第2話の同時観賞会の時の感想をピックアップして置いておきます。

 感想だけでどの場面かわかってしまうならあなたはチェリまほマスターです!

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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