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30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 第10話の考察と感想

※この記事には第10話までのネタバレがあります。特に第9、10話のネタバレが多いです。他にも若干他の話に触れている部分があります。もしネタバレが嫌な方は読むのを止めてください。

 皆さんこんにちは。霧海さと(きりゅ)です。毎度前置きが長いので本題にすぐ入りたい方は目次付近からどうぞ。
※心の声やモノローグはわかりやすく【】で囲っています。

 いつもnoteの『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』通称『チェリまほ』の感想は、少し皆さんの感想を拝読してから書いているのですが、自分の考えをまとめるため、Twitterの閲覧用アカウントの連携を解除して、感想を見るのを封印してみました。こうでもしないと、いつもの習慣でTwitterを眺めてしまうからです。
 ただ、連携解除するまで、全部ではないですが、感想を無意識に読んでしまっていたので、極力自分の力で、感想や考察を書いていこうと思います。

 チェリまほのドラマについての紹介は、別の記事で書いていますので、ご参考ください。前置きの部分に書いています。

 第9話については、別の記事で感想を書いていますので、ご参考ください。チェリまほの原作の紹介もこちらの前置きに書いています。

 第10話の感想に入るに当たり、第9話でついに柘植が「卒業」をしましたので、それについて考えていきたいと思います。

柘植の「卒業」について

 第9話を見て、柘植が魔法使いでなくなったか、そうでないかを確認するにあたり、そもそも「(童貞なのか処女なのか明言はされていませんでしたが、作品名に倣って)童貞を卒業する」ということは、どういった行為を指すのかを考えることにしました。Wikipediaによると童貞とは以下のことだそうです。

現代の定義では、「童貞」は、
 1. 性交未経験の男性 (cherry boy)
 2. 男性が性交未経験の状態 (virgin)
のいずれかを指す。
ここでいう「性交」とは通常は膣性交であり、肛門性交(アナル)や口腔性交(フェラチオ)は含まれない。

Wikipedia「童貞」の「現代の定義」より引用https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%A5%E8%B2%9E

 「童貞」という言葉が元々はカトリックの修道女を指すらしく、1874年以前から存在する、歴史ある言葉のようです。1920年代になって宗教的な意味合いが薄まり「異性と未経験の状態」を意味する使用法が用いられることになるようです(これもWikipedia情報です)。どうも同性同士で行為に及ぶことを想定されていない言葉のようです。そのため、第10話で柘植が「脱・魔法使い」をしたと言っても、第9話で「柘植将人、本日をもって、卒業しました」と「何を」卒業したかが表現されなかったのは、「童貞を卒業した」とは同性相手では言えないからなのではないか、と思いました。したがって、「初体験」が「脱・魔法使い」の手段と考えるのが良いのかなと思います。
 ちなみに「初体験」のほうの説明は、かなり幅広いです。

(略)なお、童貞や処女でなくとも、体験する性行為の内容(同性愛(略)など)が初めてであった場合は初体験とすることがある。

Wikipedia「初体験(性行為)」の「概要」より引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E4%BD%93%E9%A8%93_(%E6%80%A7%E8%A1%8C%E7%82%BA)

 この考察を、もし第10話が始まる前にやっていたら『安達も柘植も童貞卒業できないから脱・魔法使いできないぞ!チェリパシー(チェリーボーイ同士で行う心の声による会話の俗語。チェリーボーイのテレパシーでチェリパシー)継続だヤッター!』とか書けたんですけど、第10話で柘植が「脱・魔法使いした」と明言してしまいましたので、ついに書く機会がなくなってしまいました。惜しいことをしました……。

第10話の個人的な見どころ

・安達と柘植の関係の良さ
・「脱・魔法使い」「都市伝説は本当だった」と柘植から聞いた後の安達の葛藤の様子
・安達応援団結成!?
・おうちデート……ではなく当たり前のように安達家にいる黒沢
・ほぼアドリブ(by湯浅監督)の遊園地での『デートの練習』
・安達プロデュースのデートの練習
・大事な人に気持ちを伝えることの大切さ
・「黒沢と一緒に楽しいことしたい」「たまには俺にも甘えてよ」発言
・安達の失言後の彼の心境を表すかのような電車の通過音

 第10話の予告はこちらです。本編と場面の順番が異なる上に、一部音声と映像が本編とは異なるタイミングで使用されており、若干意味合いの変わっている部分があるのですが、一部の場面はわかるかと思います。本当に本編が盛りだくさんなので一部のみです。

 第10話の見どころだけで、内容としては十分な気もしますが、感想を書かないとすぐ忘れるので、書いていきたいと思います。

安達と柘植の関係の良さ

 第8話の感想のときにも関係の良さについては言及したような気もしますが、改めて書きます。普段の自分の葛藤なんかはLINEで一方的に済ますのに、大事なことは電話や直接会って会話する関係性は良いなと思いました。柘植の惚気話も、コンペの準備で忙しいながらも(後に本題ではないとわかってツッコミますが)聞いてあげている安達も優しいなと思いました。

安達の葛藤の様子の可愛さ

 柘植の電話により、「脱・魔法使い」をしたこと、「あの都市伝説」が「本当だった」ことを安達が知ります。柘植から来た電話を切った後に、
【まだ心の準備が……】
と考えながら、ゴンという音を立ててテーブルに頭をぶつけます。
【いや、黒沢となら別に】
と考えつつ頭を左(視聴者から見て右)に傾けテーブルの上に静かに乗せてうっとりとした表情をします。
【って、何一人でもじもじしてるんだ俺は!今はコンペに集中!】
と考えながら気合を入れて体を起こしつつペンをノックします。
【あー、でもなー】
と考えながらニッとした笑みを浮かべて頭を左(視聴者から見て右)に傾けてゆっくりテーブルに乗せます。その後、安達を背後から映したショットとなり、
【ダメダメ!】
と考えた後に起き上がってパンと両頬を手で叩いて気合を入れます。
【頑張らないと!……とは言ってもなー……】
と考えた後にゴンとテーブルに頭をぶつけます。
 私の文章力では表現しきれないので是非映像で確認していただきたいのですが、この葛藤しまくる様が可愛らしいです。時々見せる期待に満ちた表情がまた良いです。
 今まで、安達は黒沢の妄想に驚いたり、行為に対する怖さが勝っていただけで、実は興味があり、『黒沢となら別に』と思い始めたことが、ここで初めてわかります。

安達応援団結成!?

 企画コンペの締切まで後3日とのことで、会社の休憩時間を利用して企画コンペについて考えている安達を、黒沢と藤崎さんが挟んで一緒に考えているシーンが『安達応援団(勝手に命名)』という雰囲気で、仲の良さや、良い関係性を表しているように思いました。六角も「なんか普通ッスね」と言いながらも、無視せずに声をかけて意見を出しているところが、気にかけているということがわかるので優しいなと思います。浦部先輩は回想で出てきますが、やはり安達のことを気遣っていることがわかります。これまでのドラマの話の流れで、会社の同僚と良い関係性を築けたのだなと言うことがわかり、心が暖かくなりました。第2話で浦部先輩、第3話で六角、第4話で藤崎さんとの関係を上手に構築していったことから、ここに繋がったのだなと思います。

おうちでまったり

 安達が家で企画コンペに悩んでいる中、黒沢が自然に飲み物を持っていっている様は、まるで既に一緒に住んでいるようで、とても馴染んでいました。もう休日は安達家に来るのが日常になっているのでしょうかね。確かに居心地良さそうですものね。

 ちなみにその様子は第10話30秒予告(YouTube版)の24秒付近に出てきます。

黒沢発案 遊園地での"デートの練習"

 湯浅監督のツイートで『ほとんどアドリブ』ということを知りました。もう多くは語るまい……と思いますけど一応言いますと、演者さんの中にある『安達』と『黒沢』を沢山見られたので、本当に嬉しかったです。(今気づきましたが、『遊園地』とは書かれていないので、もしかして居酒屋のほうもアドリブなんですかね……?掛け合いの部分が確かにアドリブのようにも見えましたが……)

安達プロデュースの"デートの練習"

 「大切な人には、ちゃんと気持ちを伝えなきゃ」。なかなかしたくても、照れくさくて、できないことだと思います。その結果、すれ違いが増えてしまい、心の距離が生まれてしまうこともあるかと思います。改めて、気持ちを伝えることの大切さを認識できました。それを認識することで安達は「エールクリップ」という文房具を思いつきます。
 この場で「黒沢と一緒に楽しいことしたい」と伝えることで、きっと二人なら今後も乗り越えられると信じたいです。また、「たまには、俺にも甘えてよ。完璧な黒沢も好きだけど、俺の前では、もうちょっと、肩の力、抜いてほしい」と伝えたことで、黒沢が少しでも素の状態で安達の近くで過ごせたら良いなと思います。
 個人的にはこの時の掛け合いが好きです。妙に具体的で、黒沢の素が見られた感じが良かったです。

安達の心境を表すかのような電車の通過音

 居酒屋からの帰り道で2人が居酒屋について話した後に12月の話となり、クリスマスの話となるのですが、そのときに黒沢が心の中でクリスマスイヴにデートで最高の初めてにすると決意します。その心の声を聞いた安達は、ついそのデートについて普通に話してしまいます。安達の失言です。黒沢が「一瞬安達に心読まれたのかと思った」というのは、第8話で安達が黒沢に言ったことが伏線だったのでしょう。
 安達はこれまで、黒沢に心の声を読まれていることを知ったらどうなるかを考えていませんでした。この時初めて真剣に考えることになります。
【そうだよな……いくら黒沢でも……この力のこと知ったら……きっと俺達……今まで通りじゃ……】
という台詞を言っている間に二人の上の高架線で電車が通るのですが、その音がかなり安達の心境に合っていて、戦慄が走りました。

「第10話の個人的に気になるポイント」の答え合わせ

 第10話の感想で上げていた、気になるポイントの答え合わせをしておきます。

・柘植は魔法使えなくなるのか?
→使えなくなりましたね!まだまだ使えてほしかったです!

・なぜデートの練習をしているのか……黒沢の妄想を見て安達が怖気づいたからなかなかデートができないとか?
→安達にとってデートが初めてのものになるため、遊園地のデートはあくまで「練習」だったんですねぇ。安達はデート大歓迎な雰囲気になっていましたね。黒沢が好きなんですね……。

・「このまま秘密にしていいのか?」という安達の言葉。黒沢に魔法のことを話すかどうかを迷っているのか?
→ビンゴでしたね。安達が秘密にしていることは魔法のことくらいですしね。

・黒沢が「安達に嫌われるのやだし」と考えて安達が「黒沢の考えてることわっかんない」と言っている?それとも本当に魔法が使えなくなる?
→これはフェイクでしたね。遊園地の映像で流れていた台詞でしたが、実際には前半は居酒屋で素で話していたときのものでした。

・「楽しいよ、安達と一緒ならどこでも」の「どこでも」のニュアンスが暗く感じるのは気のせい?
→気のせいでした!気のせいで良かったです!とかいって第11話の伏線だったらどうしましょう!

第11話の個人的に気になるポイント

 上は第11話の予告動画です。また蛇足な気がしますが個人的に気になるポイントを上げてみます。

・黒沢に心の声が聞こえる魔法が使えることを言えるのか?
・黒沢は心の声が聞こえる安達を受け入れられるのか?
・魔法に頼る前の生活に戻れるのか?
・企画コンペの特訓はどんな内容なのか?
・柘植の恥情のもつれとは一体?湊との関係は、どうなるのか?
・教えてもらうのは企画コンペの内容以外に何かあるのか?
・ファーストキスをするのか?
・気持ちが大きく乱れ始める「ある出来事」とは?
・第1話の最初で自転車で坂を登っていた安達は残りで出てくるのか?

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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