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好きな"線"の話。

一晩中線画の事を考えていたらお日さんが昇っていたので、せっかくだから綴っておこうと思います。

断っておきますが、
これからやろうとしている行為は本来物凄くダサいことです。
好きなモノを語る、則ちそれは絵描きとしてのネタ元を明かす事なので、とにかくダサいです。
承知です、それでも語りたい。



僕が影響を受けた、好きな線の話。 


「松本大洋」

先ずマイフェイバリットに燦然と輝くは、サブカル誌の名言製造マシーン松本大洋。
10代で松本大洋と諸星大二郎を立て続けに読んでしまったことで僕の倫理観とルッキズムは終焉を迎えました。
『鉄コン筋クリート』は当時の僕には難解で、(何度読んでもその都度捉え方は変わるが)比べて『ピンポン』は王道ヒーローモノとして楽しめました。

松本大洋の本来のマンガの面白さはキャラと台詞だけど、今回は線画にフォーカスしている為に惜しみながらも割愛。

圧巻。
洗練され、ここまで自由度の高い線を使い熟すのはこの人以外にいるだろうか。
ため息が出る。



『メビウス 』
 又の名を
『ジャン・ジロー』

ええ、今回はメジャーな作家しか出しません。惜しくも僕が彼の作品に出会う5年程前、
2012年に亡くなった。

フランス、バンドデシネの先駆者、メビウス 。
大友克洋、寺田克也等々多方面に影響を与えている大御所。後に紹介する寺田克也程の衝撃は無かったモノの、寺田先生にお会いした際、メビウスの話で盛り上がったのは良い思い出。
確かその時時計仕掛けのオレンジT着てたっけな。

僕ら界隈ではクソが付くほど有名なこの扉絵。
攻殻機動隊でも散々擦られてるやつ。
素子が光学迷彩で落ちていくアレの元ネタ。

メビウスについて特筆すべきは空間の描き方にあると思う。
細い線で精密。SF作家だけどしっかり現実の匂いがする。火星なら火星の匂いがする、音が聴こえる。抽象的で申し訳ないです。
ザックリ言うとそんな感じ。今尚好きです。


『寺田克也』

原点にして頂点。

ルッキズム全盛期の中、芸大の受験をした日にキャンパス内の本屋で偶然画集を発見しまして。一時期アカデミック寄りになりましたが、この人が犯人です。大好きです。

詳細画像迷いました。
というのも僕のフォルダは寺田先生で溢れ返ってサブスクでストレージ増やしたぐらいには好きなイラストが多過ぎる。1枚目は僕のpcのロック画面。直近の絵。ここに来てペン画を見つめ直すタームに入り、尚も洗練され続けている。線一つ無駄がない。これが一発描きだからなぁ。10円禿げでも作ったらこんな絵描けるかな。

寺田先生の描く裸婦が特に素晴らしい。
裸の中に品がある。西洋画に近いけどジャパニーズマンガとの和洋折衷のバランス半端じゃない。
ロッキンジェリービーンより線の統一感があってハッキリしているのが好き。
結局どっちも好き。



満足したので今回は終わり。



追記(総括的な)

勿論語り尽せない程多方面から影響を受けて来た訳で。
ある時は誰かに影響を与え、
またある時は誰かの影響下にあり、
そう脈々と受け継がれる時空を超えた異文化交流、文化的財産、所謂「meme」を次世代に託す為に、こうして当てもない創作の旅路を辿っているのかもしれないなぁと物想いにふけっています。

そして時々、誰にも見つけてもらえないのかなぁとネガティヴになったり。
只老いて、好きが好きのまま今度は本当に禿げるだけの人生なのかもしれない。


うーん。
それでもやはり僕はゴッホじゃヤなんだ。


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