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FACT誌「The 50 best trip-hop Albums of all time」(前編)

自称トリップホッパー(ただのファン)としては、この50枚は今でこそ聴き返さねば!、という強い使命感で臨みます。自分の考えるトリップホップとは、「UK主体のインストのヒップホップ」ってぐらいなんですが、敢えて付け加えるとブリストル発ってのもあって、「レゲエ、ダブ色強め」ってとこですか。やっぱりマッシブ・アタックとポーティスヘッドのイメージ。

そして、結局Ninja TuneとMo Waxなんですよね、トリップホップって。音もビジュアルも、この2つのレーベルによって支配されていた気がします。少なくとも自分と自分周辺では。

現代においては、トリップホップはほぼ忘れ去られたダサい名称のもので、中古CDやレコードとかも特に高騰してるものはないように思えます。今、こうやってジャケを眺めていると、まあ結構ダサいの多いなあ、て思います。内容も今聴くと、たぶん自分でも結構退屈な部分があるんじゃないかな、と。それでも懐かしさも含めて、失われた青春ヨロシク全部振り返ってみます、、、


50位、London Funk Allstars「London Funk Volume 1」(Ninja Tune, 1995)
初期Ninja Tuneのクラシック、当時ですらオールドな路線をシンプルに徹底的にやってた感があります。特に思い入れはないですが、、、時々、おもしろさはあります。

49位、Bomb The Bass「Clear」(4th & Broadway, 1994)
うーんダサい、、、この人はその後プロデュースで大成しますが、特に好きなワークはないです、自分は。

48位、Slicker「Confidence in Duber」(Hefty, 1998)
全然知らなかったけど、USの人ですね、フロム・シカゴ。チープさが今聴くとかえっていい感じです。ていうか今風ですらある気もします。

47位、Meat Beat Manifesto「Subliminal Sandwich」(Interscope, 1996)
当時からダサいと思ってたんですが、今は余計聴けない感じです。デジロック、ビッグビートの始祖扱いですが、どっちにしろあまり自分にとってはロクなものじゃないかな。

なんか次々とけなすコーナーになってる気がしてきたけど、自分が育ってきた重要な一部のはずなのに、、、なんか悲しいな、、、

46位、9 Lazy 9「Paradise Blown」(Ninja Tune, 1994)
Ninja Tune早くも2枚目ですね。これは、誰かのDJミックスやコンピで知ってたぐらいで、アルバム聴いたことなかったです。今こうして聴くと、おしゃれジャジーヒップホップインストって体ですかね、しかもかなり燻し渋い系のクールな感じです。

イタリアの2人組で、片割れはファンキー・ポルチーニです。

アルバム聴きだと、この何も起こらなさはちょっと退屈かな、とも思いますが、後半どんどんチルくなっていくので、気持ちいい退屈さでもあります。そもそも、トリップホップって全体そういうものだったよう気もします、、、

45位、UNKLE「Psyence Fiction」(Mo’ Wax, 1998)
ここではじめて自分のCD棚にまだ現存してるものが出てきました。当時はみんな持っていた、ぐらいのアルバムだったと思います。そして今回のコレがなかったら、一生のうち、再び棚から出されて聴かれることもなかったかもしれません。そういう意味では良かったです。

これは一種のモンスターアルバムみたいなものですね。Mo Wax主催者ジェームズ・ラヴェルとDJシャドウのタッグってだけでも話題性じゅうぶんなのに(ケンカ別れしたっぽいですが)、超豪華なゲスト陣、特にトム・ヨークがヴォーカルの「Rabbit in Your Headlights」のMVには、当時度肝を抜かれました。金かかってんなー、て意味でも。

2009年には10年越しのデラックス・エディションが出て、どうやらイアン・ブラウンやノエル・ギャラガーがヴォーカルの曲が追加されてるようです。

記事の文章の最後に、「Zero 7は、もうすぐそこまで来ていた」って書いてあり、そういう流れかー、と思って聴くと確かに分かる部分もありました。当時は全く関連性なんか考えてもなかったですが、、、ちなみに自分、Zero 7は無茶苦茶好きで、ファースト、セカンド両方CD持っていて、今でもたまに聴くぐらいです。まさかこの後、このトリップホップのチャートに入ってくるのかな、、、?

44位、Tipsy「Trip Tease - The Seductive Sounds of Tipsy」(Asphodel, 1996)
全然知らなかったです。ジャケがなあー、、、と思ってたら、内容は少しコミカルチックでトロピカルでおしゃれ感もあります。これは今聴いてもいい感じです!

この人はUSからですね、フロム・カリフォルニア。しかこれはトリップホップなのか、、、?

43位、Justin Warfield「Field Trip To Planet 9」(Qwest, 1993)
これも全然知らなかったんですが、これ普通にヒップホップじゃないですか!?理由が色々書いてあって、結局のところ「rap-on-acid classic 」ってとこに落とし込んであります。しかし何を言われても、自分は「ビースティーみたいだな」と思うだけですが、、、

42位、Smith & Mighty「Bass Is Maternal」(More Rockers/!K7, 1995)
珍しくジャケがいいです。知らなかった、聴いたことなかったです。何がトリップホッパーだって感じです。これ最後までいったら半分くらい知らなかった、とかになりそう、、、この人たちは、ブリストル・サウンドのオリジネーターと言われてるぐらいで、このファーストはUKダブ、2ステップ、ジャングル、ガラージ、ダブステップなどの礎を作った大名盤らしいです。なるほど聴いていると確かに、雑多にミックスされた音世界です。好みで言えばジャングル部分か、イケイケなリズムサウンド、特にパッツンパッツンなスネアは好きじゃなくて、これじゃなければいいのに、と思ってしまいます。

41位、DJ Vadim「U.S.S.R Repertoire (The Theory of Verticality)」(Ninja Tune, 1996)
これはいいですよね、名盤ですね。DJ KrushのDJミックスだと当時は必ずと言っていいほど組み込まれてました。ていうか、かなりDJ Krushに近いです、かなり。時々区別つかなくなるぐらい。共振ってやつでしょうか。

どこかも記事で、「古くはNinja Tuneが誇るトリップホップ四天王の1人」ってあって、残りの3人は?、と思ったけど、今回のこの記事を最後まで聴けば分かるんじゃないでしょうか。

これでNinja Tune10枚中3枚になり、Mo Waxは1枚なので、このままNinja Tuneの圧勝になるのでしょうか?この時点で自分が思いつくのは、Coldcut、DJ Food、あとは、、、Herbalizerかな?最後、自信ないです、、、

40位、Funki Porcini「Hed Phone Sex」(Ninja Tune, 1995)
Ninja Tune4枚目!あれ、四天王の4人目はこっちかな?既に2回目の登場です。曲名やジャケはユーモラスですが、音はかなり本格派、正統派って感じです。もちろん時々、音にもユーモアはありますが。

今聴くと、出来が良すぎて、逆に聴き流してしまうような感じもします。でもこれも、トリップホップの全体的な特徴のような気もします。

39位、Red Snapper「Prince Blimey」(Warp, 1996)
Warpきました!今はすっかり広範囲多ジャンルなメジャーレーベルですが、この頃は少し変わったテクノのレーベルっていう印象でした。でもアブストラクトもあったんで、今回のこのベスト50の第3位レーベルになりそうですね。

Red Snapperは、当時から全然好きじゃなかったです。確か、「ドラムンベース含めて色んなダンスミュージックを生演奏するユニット」ってウリだった記憶なんですけど、こちとら生演奏から打ち込みに興味を持っておもしろいと思って聴いていたんで、打ち込みにしかできない表現には興味を持ったいたけど、わざわざそれを生演奏っていう部分に一切興味が起きなかったです。

説明文に「Acid Jazz」ってありますが、アシッドジャズってこんなだっけ、、、?この盤になった途端、ベースの音量と低音がやたら上がりました。そういうミックスが特徴的です。

今聴いてもやはりあまり興味でなかったし、ちょっとダサくない?と思いました。

38位、Various Artists「DJ Kicks: Kruder & Dorfmeister」(!K7, 1996)
知りませんでした、オーストリア2人組。自分らの曲を含めたDJミックスです。今だと信じられないかもですが、当時はこうしてDJミックスのCDやカセットが売られていたんです。自分も、こういうDJミックス好きでした。だってトップDJのミックスがクラブに行かなくても聴けるんだもん、、、そこでかけられる曲たちも、かなりの情報源でした。だから、Mixcloudが登場した時、驚きましたもん、こんなにたくさんのDJミックスが無料で聴けるなんて!、、、実際、アーティストのアルバムとかじゃなく、こういうwebのDJミックスをずっと部屋で流して音楽を聴く人がたくさんいました。

これは、そういう頃を思い出しました。今だと、そんなに価値がないものだろうなあー、と思います。


37位、Wagon Christ「Throbbing Pouch」(Rising High Records, 1994
この人、ルーク・ヴァイヴァートは、時代のプチ寵児って感じでしたね。色んな名義で各ジャンルに渡って各有名レーベルからリリースがあって話題になってて、、、自分は、それほど好きじゃなくて、なんか器用貧乏というか軽いというか、、、

こういう人は今何してるんだろう、と思ってサーチしたら、日本語の2015年のロング・インタビューがあって、結構おもしろかったです。印象的だったのは、「何も知らずにただ適当にやるっていうことが素晴らしいんだ。ただし、いい耳を持ってないといけないけどね」とか、「自分が何をやってるのかなんて理解していな方がいいんだ」とか。

https://jp.ra.co/features/2496


この投稿も、しばらく続きを書けそうにないんで、一旦投稿しておきます。続きはまた!

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