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植野DatPiff日記26キロキッシュ

Vince Staplesを聴いてると、必ず登場するかわいい声の女性。「Big Fish Theory」なんか4回も出てくる!、、、気になって調べてみたら自身の作品もあるってことで、、、DatPiffに最初のEP「homeschool」(2012年)とミックステープ「K+」(13年)があって、どっちもとても良かった!

彼女の名前は、Kilo Kish。歌手だけじゃなく、ソングライター、ヴィジュアル・アーティスト。画家、ファッション・デザイナー、モデル、女優などもやるらしい。才女だ、才女、まさに。

DatPiffにはあがってないけど、それ以降も作品をリリースしているので、それも聴いてみました。まずは14年に8曲入りの「Across」。これは1年後に、ほぼ全曲のリミックスをつけてDeluxe Editionも出ています。

これはちょっと、あれ?って思った。

「homeschool」と「K+」は、彼女の周辺の友達、、、と言ってもThe Internetの人達をメインに、OFWGKTA周辺の人脈(Earl Sweatshirt,もいる!)が、みんなでリラックスしてわいわい遊びながら作ったような雰囲気があって、それがとても良かった。作品の完成度なんかなく、まとまりもないし、みんなそんな超本気ってわけでもないんだろうけど、何しろ相当な才能集団なので、かえっておもしろいことになっている部分が多々あって、彼女の声の魅力を一層引き立てていると思います。

「Across」は少し、型にハマったというか、ハメてきたというか、たぶん幾分コンセプトを持って作ったような感じです。当然、完成度は上がるしポップ度も上がるんですけど、、、なんか聴いたことあるなあー、て感じにもなって、それがちょっと残念です。自分としては、「homeschool」と「K+」のあまり聴いたことがない感じのほうが好きです。

Deluxe Edition部分の、RRReymundo Remixのほうは、どれもHerbertっぽい気がします。

16年のファーストフルアルバム「Reflection In Real Time」も、出だしからポップス路線で、ああやっぱりこっちに行くんだな、と思ったんですが、聴き進めるとどんどん曲がおもしろくていい曲ばかりになって、おおっと思います。節操ないぐらい色んなタイプの曲があるんですが、ハッとするメロディがあったり、意外なアレンジがあったり、とてもヴォーカルにグッときたり、かなりおもしろいアルバムになっています。これは名盤じゃないかなあー!

「Taking Responsibility」のヴォーカルには、何かたまらない魅力があります。曲の良さも含めて素晴らしい。

ちょっとサティっぽいピアノで始まる「The Fears Of A Dilettante」も、とてもいい曲で、歌がとても切なく迫ってきます。これも本当に素晴らしいトラック。

18年に出たEP「mothe」は、良く言えばエッジをたたせたサウンドです。ただ、ありがち感も一層強まります。ラス2の「Elegance」だけ突出していて曲の良さといいアレンジのおもしろさといい、これはギターポップ系が好きな人のハートも撃ち抜きそうです。その勢いで最後の「Prayer」も、Everything But The Girlでも聴いているような気がしてきます。

そして今のところ最新作は、19年に出た「Redux」です。これもまたエッジを強調した内容ですが、曲的にいいなー、て思ったものはありませんでした。

全体聴くと、自分はやはり最初の2枚の感じが好きみたいです。もちろん彼女がどんどん新しいものにチャレンジしていっていることは、とてもいいことだと思いますし、次の作品も楽しみです。最初の感じというものは、もう2度と戻らない日々みたいな感じで、仲間と青春みたいな(とか勝手に想像して言ってますが)ものでしょうか、、、とか考えてしまうのは、彼女の独特な歌声の魅力だと思います。

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