意識とは裏腹に聞こえる心臓の音に恐怖を感じる

私は時計が嫌い。

現代において、ましてや数分の列車の遅れで謝りのアナウンスが入るような国で、
時間を気にしないで生きれるような世界で生きていないのだから
嫌でも時計はみないといけないんだけど。

それでも時計が嫌い

チクタクと、生まれてから死ぬまでの時間がすり減っていくことをお知らせする時計が。
何もかもが決められていて、自分はそれに従っているだけかのように感じさせる時計が。

だから私は部屋に時計を置かない
必要な時にだけ、携帯のロック画面か腕時計を見る

静かで良い。

だけど、
静まりかえった部屋で夜、ベッドに入って目を瞑ると次に聞こえるのは、
紛れもない、自分の心拍

この心臓は、時計みたいに置いたり置かなかったりすることなんて出来ない

なのに時計みたいに、いつかは止まる

いつかは止まるこの心臓の音、私の意識とは裏腹に刻一刻と、止まることを知らないこの音が聞こえると、涙が出そうになる

あぁ自分は、何をこんなにもセンチメンタルになっているんだ、馬鹿馬鹿しい、なんて思っていても、

自分は生きているんだと突きつけるこの音が、これだけ色々な事を感じて、涙が出そうになる夜を過ごしても、いつかは止まることを突きつけるこの音が、

私は今日も恐怖で仕方ない。

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