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埋もれる心地よさは埒外の人間に効く4

新しいカフェ的なお店がオープンするという趣旨のチラシが目に入った。
「ベースとなる色は3色まで」という私のようなド素人でも識っている広告のデザインの基本からあまりにかけ離れていて、
他の基本に忠実な広告と並ぶとまさに埒外だった。
DTPデザイナーさんが見たらたくさんのお直しが入りそう。とにかく際立っていて思わず手にとっていた。

ハッとした。

デザインは意図的にそうしたものかはわからない。
けれどたしかに、まず一瞥なりと目を留めさせ、手にとらせるというアクションをとらせたことに代わりはなかった。
最終的な狙いは集客に繋がることとしても、そこに向けて必要最低限なことだったように思う。

パステル調が占有率高い紙面を濃いネイビーや深いグリーンが引き締めるといったテイスト自体には不釣り合いな表現かもしれない。
それでも紙面そのものから伝わるものに、硬派とか、ロックとか、潔い、強い、といった印象を禁じ得なかった。

ただ好きな色を選んで配置しただけかもしれないのが、またニクイ。





ネイビー、グリーンを含むベースの色は6〜7色あって、もはやどれもベースとはいえなかった。
強いていうなら、ヘッダーにあたる上4分の1うちシェアが高い色をそう感じたのは、やはり目を引く「NEW OPEN」の背景色となっていたからだろうか。
視覚というかコレに至っては言葉や配置としての力強さを感じる。


その他、文字情報は住所や営業時間帯などごく最小限に抑えられていたものの、それさえ頭に入らなかったが存在感そのものがただ強く刺さった。
資源ゴミの日に手元を離れて、もはや具体的にどんなものだったか思い出せないが、
あのファーストインパクトの深さは忘れられそうにない。

集客につながりえるかはいささか不安だが、
広告として十分効果的だったように思う。

テナントを借り上げたようで、お店の場所は知ってる。
すごく気になるけど、今のイメージを変えるのが勿体無い気がして行けそうにない。

もうコレは好きってことかな。
デザイン覚えてないのに。

自分のフライヤーしか作ったことないけど、
DTPのデザイナーさんに伝えたい印象的な広告だった。

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