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『シロナガス島への帰還』感想日記

Switch版のセールで350円だったのを購入。
総プレイ時間は本編とオマケのEXTRA合わせて15時間位でした。
フルボイスの台詞をしっかり聴いてこのプレイ時間なので、元々のボイス無しならもっとサクッと遊べそうです。
しかし、声優さん達の演技がとても良かったので、ボイスの有無で作品から受ける雰囲気も大分変わりそうな気がしました。

以前の記事にも書いたんですが、私はゲームは主にリラックス目的で夜寝る前に布団の中で遊ぶので、怖い作品にはなるべく手を出さないようにしているのですが…
このゲーム、めちゃくちゃ怖かったです

ずっとこんな気分でした。

それでも怖い以上にストーリーの続きが気になって、この世界観に引き込まれていったので、最終的には夜にゲームするルーティンをやめて朝にプレイする程でした。
(怖すぎると放置して二度と触らないこともあるのですが…)
なんだか辛くて食べるのがつらいんだけど、美味しいからやめられない激辛料理みたいな感じでした…
※驚かせる演出がお約束だけどビックリしてしまうのと、グロテスクな描写もあったりしたので、本当にそういうのが苦手な方はプレイしない方が良いと思います。

しかし、主人公の探偵がこれまでに数多の修羅場を潜り抜けてきたような猛者で肝が据わっていて心強いのと、能力がチート並の助手ヒロインねね子の存在が、閉塞的で息が詰まりそうな世界観の中に風通しの良さを与えていて、ストーリー自体は時間を忘れてしまうほど面白く読み進めることができました。
トリックや登場人物達の関係性もよく考えられていて、謎解きも程よい難易度で親切だったと思います。
ラストはタイトルの意味も含めて感動できて、怖いところもあったけど遊んで良かったと強く思える作品でした。
特に主人公と女性の登場人物達には全員好感が持てたのと、私はジゼルとアウロラがとても好きになれました。
(ラストの方で出てきたスチル絵は泣きそうになってしまいました…)

あと主人公の相方ねね子の性格は、小学生の頃に仲が良かった女の子の友人そっくりで、なんだか親近感が湧いてしまいました。
脳に発達障害があってそれを補うために脳の一部の能力が異常に発達している人達がいるという事実は、今でこそ認知度が高まっていますが、自分が子供の頃はそういった認識もなく、今思い返せば彼女もその手のタイプだったのだと思います。
前頭葉が収縮していることが多いからコミュニケーション能力に障害が出てくるとか色々あるので、そういったことも考慮された上で、キャラ造型に落とし込まれているのだとしたら凄いなと思ったりもしました。

概ね満足なゲームだったのですが、システム面では少し不満だったところがありました。
制限時間のある場面でボイス付きの台詞を真面目に聴いていると時間が圧倒的に足りなくなる点で、これは元々ボイス無しの作品だったので、そちらに合わせた時間設定のままフルボイスになっても修正されなかったのだろうと思います。
アキラを助ける場面で、何度も食事会場に行くと聞けるジェイコブの呆れたツッコミがいい感じの演技で面白かったりしたんですが、最終的には時間が足りなくなって台詞をボタン連打で飛ばすことになったりして、折角のフルボイスが勿体無いと感じました。
あとスイッチライトでプレイしていると、カーソルを細かく動かすのが難しくて、時限爆弾を10回以上は爆破させてしまいました…

そしてこれは特に不満というわけでもないのですが、感動の本編が終わった後にプレイしたEXTRAは、終始「一体何を見せられているんだ…」という気分でした。
謎のマイクロビキニからのねね子さんの腋は非常に美しかったのですが、個人的には水着姿よりもパーティドレス姿の方が見てみたかったなと思ったりも…
そして謎に始まった怪談話は下手すると本編よりも怖くて、特にアレックスの鏡の話で出てくる化物がビジュアル共に怖すぎて、ちょっとこっちまでトラウマになりそうな勢いでした。
しかしアドベンチャーゲームは特に本編の後日談がないと寂しく感じることも多いので、何もないよりはEXTRAがあって良かったのかも?しれません。

少女3人の少々険悪なやり取りには、ハラハラさせられつつも、あんな死線を共に掻い潜ってきた仲間同士なんだからもっと仲良くしろよ〜!とも思ったり(笑)
アキラがピンチになる度に「ママァ」って泣き叫ぶところ、可愛くて好きです。

探偵池田戦とねね子の物語は続編も作られているそうで、なんだかんだでこの2人には愛着が湧いてしまったので、またゲームの中で再会できる日がとても楽しみです。
願わくは、続編は今作ほど怖くありませんように…

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