ゴールデンハインドはオークスで好走できるのか?

一昨年のフローラS勝ち馬で、オークスでもデアリングタクトの2着と好走したウインマリリンと比較し、Gハインド好走の可能性を探ってみた。

【鞍上の妙、ウインマリリンのラップバランスの後傾化】

ウインマリリンはフローラSでは大まかに前後半イーブンペース(59.4-59.3)で走っていた。
アガリ3Fは35.3。
それが武史の騎乗停止で鞍上が典パパに替わっての本番オークスでは大体(60.8-25.2-58.5、アガリ34.0)と、中緩みを挟んで明らかに後傾化した。
前半1000Mで遅くした分、アガリが速まっている。
短距離路線から来たナチュラルに前半が速い馬を追いかけすぎず、伸びた2ハロン分の距離を中緩みでやり過ごし、温存した脚を直線で伸ばす。
結果のちの三冠牝馬に差されはしたものの、オークスで刻むラップの最適解を具現化した素晴らしい騎乗だったと思う。

【うまく行きすぎた?ハインドの前哨戦】

『行ってもいいですか』
フローラSに臨み、菅原明良は武市調教師にそう訴えたという。
結果は思惑通り逃げて凌いで、好時計での勝利。
ラップも前後半(60.8-58.1 アガリ34.1)と、マリリンがオークスで刻んだものに酷似している。
陣営もかなりの手応えを得たのだろう。
「本番も小細工をせず、この馬の競馬をするだけ」
と、同様の競馬を示唆する武市師のコメントが出ていた。
しかし、この前哨戦はうまく行きすぎたのではないか?とも感じる。
フローラSらしいスローペースでの単騎逃げが叶ってしまった分、本番で序盤から短距離路線勢に引っ張られたり、出入りの激しい(今年の天皇賞・春のような)競馬になると難しい。
盛り上がるスタンド前からの発走で、馬はテンから行きすぎないか?
鞍上は逃げに拘泥せず、理想のラップを刻めるか?
本番でも「うまく行きすぎ」れば、マリリンが果たせなかったオークス戴冠は充分ある。

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