キスの味

マッチングアプリで知り合った彼との初めてのキスはXXXゲロ味でした。なんならXXXゲロちょっとかけました。そんな最低最悪この世の終わりの姿を全力で見せた後、彼はわたしに彼女になってほしいと言いました。わたしたちは肉体関係はありません。もしかすると彼はほんの少し何かが壊れているのかもしれません。わたしもほんの少し何かが壊れています。似たもの同士なのです。近頃の行動と相反しますが、夏頃からわたしはセックスができなくなりました。原因の心当たりはいくつかあって、彼に全てを話してもなお傍にいてくれます。わたしは彼に何ひとつ嘘をついていません。媚びたりもしていません。彼もわたしに対してそうです。ずっとずっと、たくさんの嘘や媚びや執着にまみれていました。昨夜その内のひとつを手放すことができました。長く積み上げた執着は、まともな人間関係にはなりませんでした。彼は、終わりはいつか来るから変われるよって、僕が大事にするから気長に待ってるって言うんです。