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呪い


ずっと心にいた彼がいます。
彼と会うと、産毛の生えた淡く薄い桃色の皮を剥ぐのと同じように、わたしの心はずる剥けになり、瑞々しい白色の、、、白色ならば良いのですが。熟し過ぎて茶色くなった、まるで美しくない果肉が露わになります。そうなると、わたしは心の制御ができなくなります。3年前の二度目のセックス後から、それは始まりました。

連絡をとっていなくても、身体がなくても、彼がどこで何をしていても、奥さまや恋人がいても、ずっと好き。彼とセックスをしたのは3年前が最後です。だけれど、いまだに制御ができなくなるなんて、そんな自分がとてもこわいと思いました。反面、ずっと好きなんだと認めたことで、どこか胸がすくような感覚もありました。彼がわたしを選ばないことはわかっています。好きという美しい二文字ではなく、未練や執着というおぞましい二文字かもしれない。ただ、認めることでこの想いが成仏するような気もしています。恋は一種の呪いだと、流行りのアニメが言っていました。

どうか、わたしの知らないところで彼が幸せであってほしいと願うばかりです。そのようなことを伝えると、幸せってなんなん?と問われたので、それは知らん、とわたしは答えました。


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