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「旅の宿」への強き思いを、ドラッグストアで見つけた

#買ってよかったもの  ということで、

この記事で紹介したいと思っているのは、ボディソープである。
私は割と肌が強い方で、これまでの人生で大きな肌トラブルに悩んだ経験があまりなく、それゆえに、自分の肌をいたわるモノ選びにこだわったこともそれほどなかった。

なので、いわゆる“推し”ボディソープなんて未だかつてなかったし、そんな自分がまさか、ドラッグストアで見つけた瞬間に一目惚れし、その魅力についてこうして文章でまとめたいと思うほどのボディソープに出会うなんてこれっぽっちも思っていなかった。

そのボディソープがこちら、「ナイーブ 旅の宿ボディソープ」である。

画像はクラシエホームプロダクツ株式会社によるプレスリリース記事内より引用。


ナイーブといえば、家族全員が安心して使えることをモットーに何十年も前に生まれた(公式サイトによると登場したのは28年前とのこと)、100%植物成分で出来た由緒あるボディソープ。
そして、旅の宿はどこのドラッグストアに行ってもまず確実に陳列されている超有名な入浴剤である。
旅の宿の特徴は、その名の通り旅気分を疑似体験できることにある。一般的な入浴剤のフレーバー(?)は、「肩こりにおすすめ」や「ラベンダーの香り」など、割と具体的な切り口で訴求している。しかし、旅の宿ではフレーバーごとに、「箱根」「草津」など、日本各地の旅先の名が割り当てられており、まるでその地の温泉でくつろいでいるようなお風呂体験を演出。

画像はクラシエホームページより引用


最近でこそサウナブームなどの影響からか、自宅のお風呂でも整う的なコンセプトでさまざまな入浴剤が登場しているが、旅の宿は上記のコンセプトが印象的で、入浴剤界隈では特に歴史が長く(1986年に発売したとのこと)、個人的にも愛用しているシリーズである。

\\そんな旅の宿シリーズが冠についているボディソープって、一体何ごと!?//

ドラッグストアでそう思った私は、興奮冷めやらぬままに可愛らしい泡デザインのボトルをカゴに放り込み、そそくさと会計を済ませた。
一番の興奮ポイントはなんだったか。確かに、旅の宿という古き良きブランドがコラボレーションされたという事実にも驚いた。だが、ブランドコラボ自体は業界問わずよく見かけるし、また、昨今のレトロブームと旅の宿の風情はどう考えてもベストマッチなので、遅かれ早かれ旅の宿もどこかとコラボするんだろうなとは思っていた。(調べたら過去に実際やっていた
それ以上にびっくりしたのは、コラボした結果、ボディソープが誕生したということである。

ここでちょっと話が逸れるが、10人10色な旅の宿において、私が好きなポイントは以下3つ、

1.香り
2.版画
3.トリップ感

である。香りは説明するまでもなく、入浴剤を湯船に入れた瞬間に立ちのぼってくる“良い香り”で、旅気分を一気に加速してくれるキーファクターだ。
版画は、上記画像にもあるように、各フレーバーごとにその地域の様子が版画によってデザインされている。この“版画”という案を出した方や、その案にゴーサインを出した方は本当に最高な仕事をしてくださったと個人的に思っていて、もしこれが普通にその地域の写真とかだったら、旅の宿シリーズの歴史はすでに途絶えていたに違いない。日本の温泉地という、旅先の高揚感もありつつ、どこか自分が生まれ育った地元のような親近感、ノスタルジーも抱かせてくれる不思議な存在を、この版画でものの見事に表現。なので、旅気分という体験の解像度もグンと上がる。
トリップ感は、香り、版画などさまざまな要素が絡み合った結果として、旅の宿シリーズの思惑通り、しっかりと日本各地の温泉街に足を運んだような気分にさせてくれるということである。長州力じゃないけどまさに“トブ”感じを楽しむことができる。

本題へと戻る。なぜ急にこんな話をしたかと言うと、コラボをする際に、旅の宿を構成する要素のうち、どこを強調するかが肝になると考えるからである。香りを強調する場合と、版画を強調する場合では、最終的に出来上がるコラボアイテムのラインナップも大きく変わる。

個人的な予想では、私のようなノーマルの旅の宿好きならまず第一に、版画の良さが前面に出てくるようなアイテムを企画するだろう。版画のデザインが施されたタオルやペンケース、クリアファイルやTシャツなど、使い勝手がよく、エッジの効いたデザインにも落とし込みやすい。SNSでのバズも容易に想像できる。

しかし、今回のコラボではそうしなかった。それはなぜか。
思うに、旅の宿の一番の魅力は、版画でもなく、香りでもなく、トリップ体験であると、今回の企画者は考えたのではないか。
いや、旅の宿としっかり向き合って、冷静に考えればそうなのだ。しかし、私のような月並みの旅の宿ファンは、すぐにビジュアル重視のインパクト路線に走り、わかりやすいアイテムにまとめてしまう。

今回のナイーブコラボもこのわかりやすいインパクト路線を辿れたはずだ。多くの人にとってボディソープはシャンプーなどと同じく、ずっと使っているお気に入りの銘柄があるはず。なので、旅の宿コラボのボディソープはアイデアとしては面白いけど、実際に買って試すところまで至るには決して低くないハードルがあろうと思う。

たとえそうだとしても、ボディソープという道のりを選んだ。


私が興奮したポイントは、企画者のこの選択と、そこに秘められた、旅の宿への強いこだわりを感じたことにある。


「わかりやすくTシャツやタオルにした方が、実際は売れたかもしれない。ただそれでは、旅の宿の本当の価値が反映されていない。それならば、たとえ売上は未知数かもしれなくとも、旅の宿の良さが120%活きたものを作ろう。ナイーブという相棒と一緒に」。

もしかしたら企画時は、こんなやり取りがあったのかもしれない。だとしたら、激アツだ。

実際にこのコラボボディソープを使ってみれば、この旅の宿への思いがきちんとプロダクトとして昇華されていることはわかる。毎日身体を洗いながら、日本各地の温泉街でゆったりとした時間を過ごす自分が脳裏に浮かび、QOLは龍の如く上昇している。

残念だが宿命というべきか、このアイテムは期間限定商品であり、数に限りがある。
なので私は、複数のネットショップを駆使して、ドラッグストアで購入した液体タイプの詰め替えを3セット、そして泡タイプのボトル+詰め替え3セットを新たに購入した。これでしばらくは毎日温泉街に旅することができる。最高だ。

私もそうだが、最近の暮らしは本当に疲れが溜まる。がんばって働いても給料は上がらないし、だからといって見よう見まねで投資に手を出してもみるみる資産が減っていく。だからといってミニマルな暮らしをしようとしても、SNSを開けば欲望ばかりが疼いてしまう。

そんな時こそ温泉だし、旅の宿だし、旅の宿ボディソープなのである。
毎日が疲れるならもう、毎日温泉気分に浸るしかないと思う。

温泉は最高だ。旅の宿も、旅の宿ナイーブも最高だ。なんとなくドラッグストアを徘徊した自分を褒めてあげたいと思う。


手元にある旅の宿ナイーブたち。液体タイプのボトルはお風呂場にある。


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