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梅の花の変化を求めて

大寒から立春へと節気が移ろう中、梅の蕾が綻び始めると、まるで土から這い出して来た羽虫のように野山を巡る梅花狩人になっていました。

梅のように樹に咲く花は、樹全体を見た時の咲きぶりの印象と、近くから見た花の集まり具合の様子の両方を見ないと、魅力を充分に捉えられたとは言えません。

お寺の近くで梅の花が咲き始めたのは1月の終わりごろ。旧暦ではまだ師走でした。朝陽の赤色具合が、まだ冬の盛りを強調していました。

遠目だと分かり辛くとも近づけば想像以上に咲いている結構咲いている。陽当たり具合の差が、咲き振りの異なる枝を生む。

曇天は花の色を目立たせるキャンバス。晴天ばかりが主役ではない。雨天の楽しみも花次第。

花は見る位置、距離、背景によって印象を大きく変える。写真は切り取る構図次第。

伸びゆく枝を強調するか

樹の花の咲きぶりを捉えるか

枝垂れる様を流すか等々

庭先の芸術は、手折らずとも

雨の日の樹皮の黒

盛りの白も

強まる日差しを受けて消え去るのみ。そんな変化を愛しむ日々。