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アートギャラリーの宝庫、麻布台ヒルズ
初めて訪れた時は、間違えて六本木ヒルズに行ってしまった麻布台ヒルズ。多分、もう5回目くらいにはなっただろうか、漸く慣れて来た。
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5/30から始まったカルダー展を早速だが会期初日に見て来た。初めてカルダーの作品に触れたこともあり、消化不良だが、備忘を兼ねてレビューする。
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アメリカの現代アートを代表される方とのことだが、私が物心ついたころには既に故人ということもあり、初めて行くアーティストの名前だった。
ところが、展示作品を見ると、斬新さとともに既視感がある。展示の解説を読むうちに、カルダーは、モビールの生みの親であったことを知る。私が子供だった四五十年前、紙で作ったモビールを親が夢中になって吊っていたのを思い出した。親が熱心だったのは、当時、「動きに合わせて目を追うのが幼児の知育に良い」などとされていたからだと思うが、親にとっても純粋の面白いからでもあっただろう。
上から吊ってぐるぐるまわるモビールは「何が吊られているか」が目を引くが、置物の一部が僅かに動くものは時間の流れが揺らぐ感じがするし、照明を工夫して陰影も楽しむものには儚さを、どこを切り取るか次第で想像してしまうものが変化する絵画、細部が気になりつつも全体の大きさに圧倒されるオブジェ等々、いろいろなジャンルの作品がある。
作品の楽しみ方は人それぞれだろうが、展示の背景となる壁の素材や色が絶妙で、和らしさを感じさせるものも多い。展示の仕方、工夫そのものも見どころだろう。
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作品解説によるとカルダーにとって三角は丸の一形態なんだそうだ。インスタレーションと呼ぶのもオブジェと呼ぶのも違和感がある。新しい境地を切り拓いていることは間違いない。
出口と入口が同じ場所なので、気が済むまで何周でも出来る。複数回みれば、最初とは印象が異なり、毎回違う発見があるだろう。私だけかもしれないが、作品を見ているだけで創作意欲が掻き立てられた。