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文京ふるさと歴史館探訪記

文京区の歴史博物館である文京ふるさと歴史館に行ってみました。

なかなか立派な施設で、展示も充実しているのですが、行く理由が無いとわざわざ足を運ぼうと思わない施設かも知れません。

平成30年度収蔵品展について学芸員による展示解説があると聞いて、仕事を切り上げて立ち寄って見たのです。やはり企画者の解説があってこそ、展示の狙いについての理解が深まりますからね。

例えば「いきもの」の展示の筈なのに、なぜ傘が展示されているのかとか…。

傘と言っても「コウモリ傘」なんですが、洋傘を和傘と区別する為に名付けられた由来があるそうです。

また、猫に因んで夏目漱石の「我輩は猫である」初版も展示されており、著者本人から送られた家主の書き込みがありました。

写真撮影は届出をし撮影許可の腕章をしながら結構な枚数を撮ったのですが、個人的な記録目的で許可を得ただけなので、ここでは著作権上の問題がある展示物を写真付きでご紹介出来ないのが残念です。

ただ、ここの展示のユニークさをお伝えする為に一つだけご紹介しますと、そうですね、蛇口の展示など如何でしょうか。

日本に井戸しか無かった頃に、西洋から導入した水道システムの終端である金属製の水道栓を蛇口と名付けたのは、川の神様である龍がベースに考えてみたものの、想像上のいきものである為、龍を避けて蛇に変えたからだそうです。

正式名称は「蛇体鉄柱式共用栓」。そう言われてからこちらを見ると蛇の展示に見えます。(さすがに著作権の問題は無いと思うので、写真をアップしてみました。)

西洋では、水の出口がライオンの口になっていたりしますが、ライオンは水の神様なんだそうです。写真はローマの「真実の口」ですが、キリスト教化される前の神話が基になっているのでしょうね。

とまあ、こんな感じで、思いも寄らないものが「いきもの」に因んだ収蔵品として展示されています。見学に来ていた小学生が、ガラスケースの中に展示されているのに驚いてわざわざ写真を撮って行ったのはツルハシでしたし…。

学芸員の方が「ツルハシを展示している博物館はうちだけ」と自慢していただけはあります。

入館料は大人で一人100円。もし興味を持たれたら、是非、足をお運びくださいね。