Life is Fishing (第二章 釣り旅行の打ち合わせ④)

インターネットで検索すると、関東で鯛釣りを乗合いでやっている釣り船がいくつもヒットした。どれにしようか。
ちなみに、釣り船には、乗合船(のりあいせん)と仕立船(したてせん)がある。乗合船は、「アジ釣り」や「鯛釣り」など狙う魚を釣り船屋が決めて、その釣りをやりたい人が予約などして参加する制度である。仕立船は、釣り人が狙う魚や釣り方を自由に決めて、船長ごと釣り船を貸し切る制度である。
乗合船は、手頃な料金で一人でも参加できるが、アカの他人と乗り合わせることになるので、少し気を遣う。仕立船は、釣り船を貸し切ってしまうため、自分好みの釣り方ができるし、他人への気遣いは不要となるが、船を貸し切る料金が高いのでそれなりに人数が集まらないと高額な料金を負担することになる。優劣のある話ではなく、自分たちの状況に合わせて選ぶものだ。今回は2人なので、乗合船の鯛釣りを選んだ。

画面をスクロールして、いくつかの釣り船屋のホームページをチェックする。どれも鯛釣りの出船時間が結構早い。朝5時出船とか。出船時間なので、集合時間はもっと早い。場所によっては、電車の始発でも間に合わない。ウッシーは朝が苦手なようだ。
となると、前泊にする方が選択肢が広がる。元々釣り旅行なんだし、宿泊が伴っても何ら問題ない。ウッシーも二つ返事で承知してくれた。2人だけだから話が早い。この千葉の外房にある、大原漁港のおおさと丸にしよう。提携旅館もあるみたいだし。
二人で話し合って、移動手段はレンタカーを借りることにした。Googleマップで見てみると、最寄り駅の大原から大原漁港は結構距離がありそうだった。バスなどの公共交通機関の状況がわからないので、車があった方が安心だと考えたからだ。
あとは集合時間、場所などトントン拍子に決まっていった。やっぱり2人だと、ものを決めるのがスムーズだ。

気がつくと、パソコンの時計が12時58分を表示していた。
「お昼の時間ピッタリで決まったね。スムーズで良かったよ、それじゃ、当日よろしくね。」
「はい!6月25日が待ち遠しいです。それまで仕事頑張ります。」
ウッシーが満面の笑顔で言うと、椅子から腰を上げた。
「YouTubeで、鯛釣りの動画とか観て予習しておくといいよ。」
自分も鯛を釣ったことがないのに、なにを上から目線でアドバイスしているんだとおかしく思った。僕もウッシーに笑顔を返したが、ウッシーのそれとは半分内容の違う笑顔だった。

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