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高天原 中つ国 根の国

 日本の神話によると、①高天原と②中つ国と③根の国の三界があります。それらは天上・地上・地下の三つの世界のことです。私はその三つの世界観を、現実的かつ現代的に解釈し直してみました。
【高天原】は、無限かつ無条件の愛が充満する世界であり、天照大神さまが治めておられます。それは「幸あるところ・広大な美しい世界・善い人だけが住んでいる【理想の世界】」です。
【中つ国】は、そこの住民が高天原の神々の指導を直接、受けているため、性善説が支配的になる【神の国】のことです。そこの国民は、健康と長寿に恵まれ、豊かで苦しみのない幸ある人生を楽しむことができます。
【根の国】は、どちらかと言うと我(が) が強く、表と裏の二面性を持つ住民が、高天原の神々の指導を受けることを好まないため、性悪説と自己愛が支配的となる煩悩だらけの世界のことです。そこは忍耐を要する世界であり、対立と不和が生じることがあり得るところです(注:念のために述べておきます。ここで述べている「根の国」は現世における世界観であり、来世の世界のことではありません。この論文では、すべて現世・現実世界のことについて述べております)。
 私たちは現代の日本が、性善説が支配的となる「幸あるところ」である【中つ国】となることを強く望んでいます。無限かつ無条件の愛が存在する高天原の神々を、神話の世界に閉じ込めていてはいけません。祝詞と祈りの力によって、私たちの世界に降りてきてもらいましょう。
 日本の神々は全国各地の海抜1000m以上の山々の山頂と高原を、地上の高天原と定められました。全国各地にある地上の高天原を訪れるか、もしくはその世界のことを観想する(イメージする) ことによって、私たちの心は解放され浄められて、苦しみのない幸ある【理想の世界】の存在を、実際に体験することができます(注:観想とは「特定の対象に向けて【心】を集中し、その姿を観察すること」です)。
 その精神を地上の【中つ国】に持って帰り、みんなで力を合わせて、自分の世界・家庭・サークル・学校・地域・会社、そして日本國ならびに世界全体を「幸ある理想の世界」にしましょう。私たちが、心からそれを望み、必要な行動を起こしたならば、その願望は実現するでしょう。

哲学者 水山昭雄


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