スキルマッチングの拡張
こんにちは、ITEGパラレルキャリアマガジン管理人水野です。
第4回のテーマは「スキルマッチング」です。
我々の研究会では今年、「緩募」(ゆるぼ)って取り組みを行ってみました。さて「緩募」ってなんなんでしょう?
今回の投稿は、その緩募を推進してくれた、石松さんです。
石松さんよろしくお願いします。
石松
みなさん、こんにちは石松です。
(執筆者プロフィール)
石松 昇
株式会社乃村工藝社
経営管理部 情報システム課
ー=-=-=ー=-=-=ー=-=-=ー=-=-=ー=-=-=ー=-
目指せ日本一周一筆書き
私のライフワークはウォーキングです。週末を使って東京大田区を出発して西は相模湾、伊豆半島~三河・駿河湾~伊勢湾に至る海岸線を歩き三重県桑名市に到着しました。かかった年数は5年。いずれ日本一周を一筆書きの様に歩き終えることを目指しています。とても地味な趣味です。
日本一周達成要因を突き詰めると「体力」、「時間」、「お金」の3つが必要不可欠です。
「体力」は自分次第なので日々のトレーニングや健康管理で乗り切れます。
2つ目は「時間」です。会社勤めしながら今のペースで進むとゴールまで35年かかる計算です。しかしコロナ禍によって在宅勤務が進んだことで「ワーケーション」で解消されつつあります。(20年位かなぁ)
最大の問題は「お金」です。一度の旅に要するお金は徐々に増え、1回の旅では7-8万かかり(交通費+宿代+飲食)÷歩いた距離(1回の旅で約80k歩くと)は、1kmあたり約1000円。タクシー代よりも高く深刻な問題になりはじめてきました。
これはなんとかせねば。ということから「副業」で旅支度をしておく。という私利私欲のためのパラレルワーク発足が真の目的でもありました。
パラレルワーク部会を立ち上げて
私利私欲で立ち上げた部会でしたが、議論を進めていくうちに「若いころにこういう仕組みがあったら“転職”しなかったかも」、「こういう仕組みのある会社で働きたいなぁ」と、感じはじめました。また、夢を実現したい方、子育てに時間とお金が最優先になりながらも、趣味や夢のためにお金が必要の方、副業という機会によってキャリアUp、将来のキャリア形成される方など多様な働き方を支援していきたいなぁ。と、意識がかわってきました。
副業を支援するサービスは増加していますが、残念ながら成果物が明確なスキル提供型サービスで、私にはその力はありません。
ウォーキングで速く・疲れず・正しい歩き方は教えられないけど、歩き続ける歓びや、得られること、車やバイクでは知ることのできない土地々の良さ、ガイドブックや評価では知ることのできない美味しいお店はたくさん伝えられます。これは「スキル」ではなく「経験」によって積みあがった「キャリア」だと考えています。
個々の積み上げられた経験、キャリアは、他社の方から見るととても有益な経験になるケースがあります。1つの会社に生涯勤めることが当たり前だった時代から、転職市場が生まれ、エージェントという考え方ができあがったように、「キャリア」を売り買いする市場ができあがる可能性があるのではないでしょうか。
市場ができあがるためには緩募の様な企画を提供し続けていただける「企業」と、賛同いただける「人」なくして成立しませんので、将来どんな取り組みの可能性があるのか、整理してみました。
1.企業の人材育成と「緩募」キャリア形成
ITEG第13期「パラレルワーク研究部会」の取り組みがこのパターンになります。特定団体(ITEG)に属している方々から公募し、開催しました。特定団体に属されていることでの安心感はあります。
2.緩募での企業体験
私の勤めている会社のITはコアコンピタンスではないため、ITを本格的にやりたい方はエントリーいただきにくい状況にあります。部員には「会社の文化から変えていこう」という志のあるメンバーも多くいるので、私たちのビジョンを知ってもらい、体験してもらうことで「関わってみたい」、「成長できる」と感じていただける機会になり得ると感じました。この方法はチャレンジしてみたいです。
3.企業間の交流と人財育成の機会として
資本関係のない特定企業間でテーマを決め、両社の不得手・未着手の領域をコンソーシアム形式で課題解決していく。人財育成が目的のために役務提供とならず(と思っている)成果物を得ることが特徴になります。企業間で秘密保持契約締結によって安心して情報開示が可能になります。
4.サプライチェーンなど、人材育成・業務高度化
中小企業に対する支援は社会全体を良くしていくためにも、永遠に必要なテーマと理解しています。自社の人財育成の目的とし、サプライチェーン側に緩募を企画していただき、サプライチーン企業の課題を解決していく取り組み。結果的にサプライチェーン全体の業務高度化を目指すモデルとなります。
5.企業間での共通テーマ解決
3のバリエーションが増えたケースですが、人事・総務や同一業界の共通課題をコンソーシアムで解決していくもの。この方式は既に存在するスキームですが、各社人財のキャリア形成につながっていくことが特徴になります。
6.転職時のリファレンスレター
緩募に参加される方はそれぞれ目的が異なる場合があります。報酬を優先される方、セカンドキャリアを探される方、キャリア形成し「○○企業の緩募で○○しました」と職歴に書けるなど、様々な施策を考えていく必要があります。実証実験のアンケートでリファレンスレターを希望される方の意見は多かったので、一定のニーズがあると考えました。
おわりに
以上、実証実験で感じたことをもとに、スキルマッチングの拡張性を考えてみました。社会インフラになるためには収益化できるかが重要なことですので、来期はビジネスモデルの観点でも一考してみたいと思います。
ー=-=-=ー=-=-=ー=-=-=ー=-=-=ー=-=-=ー=-
水野
石松さん、ありがとうございました。
今年の活動で、本当に実証までできると思いませんでした。
乃村工芸社のみなさんにも、感謝です。
今回投稿してくれたように、パターンや考え方は整理できましたね。次年度も意義のある活動を目指しましょう!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
第5回もお楽しみに~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?