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ゲームメモ004: シムピープル / The Sims ザ・シムズ(PC)

PCのシムピープル。
(今はシリーズ名がアメリカと同じ「ザ・シムズ(The Sims)」になってるけど)
クリアはしてないんだけど、あまりの面白さに衝撃を受けたゲームだ。

キング・オブ・変なゲーム

どんなゲームなのか、と言われたとき、説明が難しいゲームのひとつだ。
他に類似タイトルが思いつかない。
一応、ジャンルはシミュレーションゲームに分類されると思われる。
画面内に仮想の町、仮想の家、ポリゴンモデルの家族(プレイヤーの分身)がおり、彼らが快適で楽しい生活を送れるように誘導する。というのが目的だ。

人生シミュレータ、人間シミュレータ、生活シミュレータ、とでも言うべきなんだろうか?
でもゲーム内で行われている生活模様・人生模様は僕らの暮らしている現実世界のそれとはぜんぜん異なる
ゲーム内の人間はめちゃめちゃ自由で野放図、サザエやまる子の比ではない、面白すぎる阿鼻叫喚の日常が展開する。

ウルティマオンラインとかディアブロとか、もっとカジュアルなところではポストペットのような、見下ろし視点でCGの家、自宅が表示されており、その中にポリゴンモデルの人間が暮らしている。

彼らをクリックして、次に行うべき行動を指示して生活をしていくのが主なプレイ手順になる。

家の間取りや家具なんかはプレイヤーが好きにエディットできる。
このゲームにおいて家具は飾りではなく、食事をするのには冷蔵庫とキッチン、そして食卓が必要だ。
食事をすればゴミも出るし、洗い物もしないといけない(この辺はオーバークックに少し似てる)。
仕事を探すのにはパソコンが、生理的な欲求を解消するのにトイレや風呂が、夜になれば寝なきゃいけないからベッドルームが必要だったりする。
実際にそれらの家具を使っているところを見ることもできる。
暮らしに必須なものが足りない状態で過ごしていると、キャラクターのストレス値が高まっていってしまう。

”シルバニア・ファミリーなどに代表される、ドールハウス的なお人形遊びをデジタル化したような感じ” が説明として近いと思う。
でもドールが何もしないと、本当の意味での人形だと、プレイヤーが何か操作しないとゲームが進まなくなる。ゲームというよりはPoserのようなCGツールみたいな感じになってしまうだろう。
シムピープルでは、プレイヤーがなにも操作をしなかった場合、ゲーム内のキャラクターは勝手に行動を開始する。
おなかがすけば料理を作り、食べ、夜になったらベッドに移動して寝る。
プレイヤーはそれを眺めているだけでもよい。
よいのだが…

CPUには危機意識と、人としての尊厳を守ろうという意志が一切ない

このゲームのCPUはワザとちょっとバカで動物的でフリーダムな感じに作られているように思う。
プレイヤーが適切に誘導してあげないと、健康で文化的な暮らしをすることが少しばかり困難なバランスになっている。

トイレが無いと(あっても、家族が使っていて混んでいると)利用できなくてその辺に漏らす。
汚れたままの家を掃除しない。
ストレスが激増する。
料理に失敗してキッチン周りが火の海になる。
隣で家族が燃えてるのに、同居人は横でテレビ見て笑ってる。
仕事の時間になっても外に出られず迎えの車に乗れなくて解雇される。

…というようなことが起きる。

真面目に遊ぶと、ストレス値と可処分時間をマネージメントするゲーム。といえる

このゲームをちゃんと進めようと思った場合、キャラクターは働いてお金を得る必要がある。
また、生活を続けていくと様々なストレス(おなかがすいた、眠い、などのほかにも、遊びたい、トイレ行きたい、人肌恋しい、とか)が蓄積していく。これを放置するとパフォーマンスがどんどん下がっていき、ノイローゼになって引きこもったり、キッチンでのミスが原因で火災が起きて焼け死ぬなど、命を落とす結果にもつながる。

仕事から帰ってきたときに溜まっているストレスをできる限り解消して、家の中も綺麗にして、必要な家具を買って配置して…といったことを、リアルタイムに時間が過ぎていく中で、翌日の仕事に差し支えない範囲でテキパキこなしていく必要がある。

前述した通りCPUの知能レベルがちょっぴりアニマルな感じなので、これはCPUに任せているとなかなかうまくやってくれない。

テレビを見るのは余暇であり、長時間観るのも、短時間でやめるのも自分次第で変えて問題ないが、出勤時間は絶対に守らないといけない拘束力の強いものであるため、1日の行動を決めるうえで優先的に考えなきゃいけない。

これは、現実世界に暮らす大人なら誰でもわかることだ。
小学生でもわかる。

しかし、この世界の住人にはそれが無い。
一般的な社会通念にのっとった、大人なら普通に守ろうとする社会性みたいな概念がCPUに組み込まれていない。
これ、ワザとだと思うんだよな…
CPUに任せた場合「一応、時間になったら仕事に行こうとはする。ただし他に何も起きてなければ」くらいの感じになってしまう。
キャラクターに規則正しい生活をさせようとすると、ここはイラつくポイントになる。

マネージメントしないという選択肢がある

このゲームの懐が広いところは、マネージメントをせずにCPUが破滅的な暮らしをしているのを見ているだけでも楽しい。というところ。
放置プレイめっちゃ面白いよ。

家の広さや家族の人数、キャラクターモデルの形状なんかもある程度自由にできるので(PC版は改造して自作モデルを入れることもできた)
例えばだけど、「SM●Pが5人で共同生活」みたいな脳内設定をして複数のイケメンを同じ家に住まわせる。彼らの共同生活を眺める。みたいな遊びかたができるのだ。

「●カイが飯食った後ゴミ全然片付けなくてダイニングが汚部屋化していってるw」
「●ナガキがそれに対してキレ散らかしててストレス値がやばいwww」
「なんで●サナギと●トリは一緒に風呂入るんだよw 出たら服着ろw なんで裸なんだよwww」
「●ムタクが台所燃やしたw ちょw誰か助けに行けよwww」
みたいなことが起こる(場合がある)。

この点だけを抽出・簡略化し、プレイヤーが操作する必要がほとんどない見るだけのコンテンツに近いところまで凝縮したゲームが「トモダチコレクション」かもしれない、と思った。
トモコレを洋ゲー風にして、部屋の内装・家具関連がどうぶつの森みたいに自由にできるようになってて、生活全般の操作をしないといけない感じになってて、眠気とか尿意とか面倒なパラメーターがあってリアルタイムで面倒見ないといけなくしたゲームが、シムピープル。といえるかも。

このゲームを企画した人物はまぎれもない天才、または変態

このゲームを考えたのは、シムシティでお馴染みのウィル・ライト氏。
ゲームが発売したのは2000年頃だったと思う。
2022年現代の技術の粋を結集すれば、もっと賢い、インテリジェンスな、より人間らしい人間シミュレーターがきっと作れるのだろうとは思うのだが。シムピープルはCPUがバカだったからこそ面白かったのかもしれない、と思う。
ゲームとして唯一無二な荒唐無稽さ。歴史に残るレベルだと思う。
これがシミュレータだとして、いったい何を再現しようとしたのかw 意味が分かんないフリーダムぶりは今思い出しても笑いがこみあげてくる。
是非、大好きな推しグループのメンバー、または仲の良い友人たちを画面内に再現し、ルームシェア生活をCPUでシミュレーションしてみてほしい。

YouTubeなんかを探すと、今でも動画が見れるようだ。

最近のナンバリング遊んでないんだけど、CPU賢くなってんのかな。


[B] で ぬけます.