KICS DOCUMENT. その丁寧なシャツ

2023年9月4日 17:14

今季よりお世話になりますKICS DOCUMENT.よりファーストデリバリーが届きました。
今日はその中でも年中使えるシャツをご紹介いたします。
その前にまずはKICS DOCUMENT.のご紹介を。

KICS DOCUMENT.（キクスドキュメント.)
「日本の職人技術を駆使したAll Made in JAPANのプロダクト。生地、パターン、縫製、加工、全てに物語が宿っています。肩肘張らずに、本当に良い服を着てほしい。その着心地の良さから、日本の職人技を感じてほしい。KICS DOCUMENT.の洋服から、ふとそんな気持ちが伝わる事を願って。」

デザイナーの武石可南子さんは祖父が靴職人だったこともあり、
『日本の職人技を守り、継承する』
ということをブランド立ち上げ当初から第一に考え服作りをされています。
デザイナーはニューヨークの名門学校FITにてインターンをしながらメンズテーラーリングの基礎を学び、その後国内にてメンズウェアのデザイナーとして活躍してきました。
国内外で活動し、海外と日本の両方でものづくりをされた経験から、日本の職人技の素晴らしさを確信したそうです。
僕自身、様々なブランドさんや工場さんのお話を聞く上で（展示会や前職のメーカー時代）、こうした技術を継承していくことの難しさを少しずつ実感しています。
職人さんの高齢化が進み今まで出来ていたことができなくなり、ディティールを変更するなんてことも起こっております。
そんな現状を憂い、信念をもってものづくりをされているのはとても素晴らしい事だと思います。
当店の様な開店したばかりの店にはそんな現状を変えるなんて大それた事は考えたこともありません。
が、そんな想いを持つことは出来なくともそうした信念のもとつくられたものは単純に良いものだと感じることは出来ました。
その良さを主観ですが少しでも広めることができたら。

さてKICS DOCUMENT.はいまではハイエンドなレーベルであるKHONOROGICA(コノロジカ)も出来てジャケットやパンツも展開していますが、ブランドが始まった当初は白シャツのみを展開するブランドでした。
かなり尖った試みですが、日本の素晴らしい技術を駆使すれば白シャツだけでこんなにも色々な表現ができるという意図からだったそうです。
ブランド当初より改良を重ねた拘りの詰まった日本製のシャツ、是非手にとってお試しください。

KICS DOCUMENT. / CTTN TYPEWRITER HUGE SHIRT
color : white
size : 4,5
material:COTTON 100%
price : ¥26,400(in tax)

KICS DOCUMENT. / CHAMBRAY BIG SHIRT
color : BLUE
size : 4,5
material:COTTON 100%
price : ¥27,500(in tax)

どちらもゆったりと一枚で着た時に合わせやすいと感じた２型をセレクトしました。
ほどよくゆったりとしたシルエットのHUGE型。
HUGE型よりも身幅や袖幅を大きくゆとりのあるシルエットにしたBIG型。

HUGE型は超高級である手摘みのエジプト超長綿(GIZA88)の103/2番手で織り上げた、高密度タイプライターを採用。
タイプライターは固くてハリがあって苦手な生地でしたが、これは洗いがかかっておりふわっと軽い着心地です。
BIGより身幅がないのもありますが、生地が柔らかい分縦に落ちてより縦長な印象。
何にでも合う万能の一枚です。

BIG型は「既に何度も洗いをかけて着古した様な肌馴染みの良さ」を目指して作製されたフェードしたブルー。
洗いざらしが心地良く、かつ柔らかさのある風合いに仕上がっています。
着用するとふわりと横に広がるようなシルエットが格好良いです。
今季こうしたフェードしたインディゴブルーのシャツはULTERIORのシャツも仕入れましたが、こちらの方がよりカジュアルです。
前立てのデザインや大きめなポケット、生地もこちらの方が厚みがありアメリカ的だと思います。
ここらへんは好みの問題ですが、似たようなアイテムでも着ると全然違いますね。

カジュアル使いに最適なデザインでありながら、アメカジテイストのタイドアップスタイルなどにも大変おすすめです。
もちろん品のある素材の外しでも使えます。

どちらもゆったりとしたシルエットということもありますが、着ていて包まれるような感覚だったり腕が動かしやすかったりと着心地がとてもいいです。
バックヨークが肩甲骨に沿ってカーブしているので腕の可動がし易いです。
また、おそらく前身頃より後身頃の分量を多く取っています。
後ろからがふわっと包み込まれるような着心地はそこからかと。
肩が落ちているのもありますが、袖付も若干イセ込まれていて動きやすくなっています。

また裾のラウンドがかなり深く取られています。
ポケットに手を入れやすかったり手を入れた際にシルエットが崩れない実用的なデザインですが、単純に横や斜めから見た時に可愛いですよね。
裾脇には補強用のガゼットもしっかりついています。
ちなみにこういう深いラウンドの縫製は高い技術が必要で、縫い幅が一定でなかったりパッカリングが出来たりするらしいですがとてもきれいに縫われていますね。