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「ハッピーシュガーライフ」感想

歪んだ世界と歪んだ愛

オープニングの時点で、物語の展開が暗示されている。残酷さに糖衣をかければチャラとでも言いたげなかわいい装飾とキラキラの輝きに時折ん?と思わせる影。
おそらく、多くの人はさとうとしおの愛に共感できないだろうが、それはまっとうな世界の住人だからである。 ハピシュガ世界の人間は多くがサイコパス思考でかなり自己中心的で残虐非道。だが、損得勘定や、相手の気持ちを汲み取っての行動(心理戦)もできるという点で狂人ではなく、まことサイコパス的人格を持っている。
公園でボコるモブとかね。「あいつもう一回ボコろうぜ」とか、「こいつをダシにおびき出してボコろう」とか。
主要キャラもおかしいんだけど、モブの凶暴性や無関心さも振り切っている。

そういう歪んだ世界の歪んだ愛なので、ひっくり返って純愛になるという意味不明な現象が起きている。 しかし、それは我々がいる世界の話と全く無関係とは言えないところもあり、時に苦笑、時にドン引きしながらも、背中にうすら寒いものを感じざるを得ないのだ。

ストーリーは殆ど予想通りの展開で、巧みさは感じなかったが、独特の世界観が一風変わったテイストを生み出している怪作だと言える。

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